当社は、これまでモニタリングボード型を指向した取締役会運営等、透明性・公正性を確保しながら戦略策定とその迅速な執行を行うため、コーポレートガバナンスの進化に向けた取り組みを行ってきましたが、これを一段進め、更なる企業価値向上を目指すため、2024年3月26日開催の定時株主総会の決議により、指名委員会等設置会社に移行しました。取締役会は、経営の基本方針・経営戦略の決定とそれらの執行の監督に集中する一方、執行に対して大幅な権限委譲を行ったことにより、業務執行に関する意思決定と事業戦略遂行の迅速化を進めました。
当社のコーポレートガバナンスの体制は、以下のとおりです。
上記の体制に加えて、3ラインモデルの活用推進がコーポレートガバナンスの強化に寄与すると認識し、第一線の事業部門、第二線となるグローバル本社機能部門や地域本社等とともに第三線の監査部が協働して、健全な成長戦略の推進および持続的な企業価値向上に向けて、リスクシナリオおよび重要リスクへの対策の構築・改善活動を進めています。
取締役11名のうち、7名(64%)は当社が定める「社外取締役の独立性に関する判断基準」を満たした独立性の高い独立社外取締役です。また、社内の取締役4名のうち、2名は執行役を兼任する取締役、2名は非業務執行取締役です。これにより、社内外をあわせた非業務執行取締役は9名(82%)となります。
役職名 | 氏名 | 取締役会 | 指名委員会 | 報酬委員会 | 監査委員会 |
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取締役 | 藤原憲太郎 | 〇 | |
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取締役 | 廣藤綾子 | 〇 | |
|
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取締役 (非業務執行) |
安野裕美 | 〇 | |
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〇(常勤) |
取締役 (非業務執行) |
吉田猛 | 〇 | |
|
〇(常勤) |
社外取締役 (非業務執行) |
大石佳能子 | 〇 | 〇 | 〇 | |
社外取締役 (非業務執行) |
岩原紳作 | 〇 | ◎ | 〇 | |
社外取締役 (非業務執行) |
得能摩利子 | 〇 | 〇 | 〇 | |
社外取締役 (非業務執行) |
畑中好彦 | ◎ | 〇 | ◎ | |
社外取締役 (非業務執行) |
後藤靖子 | 〇 | |
|
◎ |
社外取締役 (非業務執行) |
野々宮律子 | 〇 | |
|
〇 |
社外取締役 (非業務執行) |
中嶋康博 | 〇 | |
|
〇 |
(注) 〇は構成員を、◎は取締役会議長もしくは委員長を、それぞれ示しています。
当社は、社外取締役の独立性について客観的に判断するため、海外の法令や上場ルール等も参考に、独自に「社外取締役の独立性に関する判断基準」を定めています。
社外取締役候補者の選定にあたっては、コーポレートガバナンスの充実の観点からその独立性の高さも重視しており、同基準を用いて社外取締役候補者が高い独立性を有しているかどうかを判断しています。
また、当社は、取締役の競業の状況、社外取締役の独立性の高さなどを明らかにするため、取締役の「重要な兼職」についての判断基準を定め、これに従って取締役の兼職状況を株主総会招集通知に添付する事業報告に記載しています。
当社は、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の実現を最終目標としながら、昨今の急激な外部環境の変化を受け、変化の激しい市場でも安定的な利益拡大を実現するレジリエントな事業構造を目指し、「ブランド力の基盤強化」「高収益構造の確立」「事業マネジメントの高度化」の3つを柱とする「アクションプラン2025-2026」を策定、実行しています。
これら企業使命、経営計画の実現・達成において、取締役会による執行部門の監督、経営に対する助言は極めて重要な要素と考え、その期待役割を高く発揮するべく、当社は、取締役会全体、および各取締役に求める知識・知見を以下のリンク先に定めています。
取締役候補者の選任においては、これら求める知識・知見、バックグラウンドや経験等による取締役会全体における高い多様性を獲得することを重視しており、当社取締役は多様なメンバーで構成されています。
取締役会は概ね1カ月に1回程度開催し、経営の基本方針・経営戦略の決定とそれらの執行の監督に集中することで、監督機能を強化し、変化の激しい環境下で、迅速な対応が求められる執行の取り組みを促します。また、法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規程で定めた事項を審議・決定し、それ以外の事項は代表執行役または執行役に委任しています。
当社の取締役会は、社外取締役7名を含む取締役11名で構成されています。
2024年度に開催した取締役会を14回です。執行側からは主に中期経営戦略の見直し・戦略アクション、構造改革・M&Aおよびそれらの進捗、新基幹システム(FOCUS)導入の進捗、資生堂グループの重要リスク、IR活動(投資家フィードバック共有など)等の提案・報告がなされ、審議を行ったほか、指名・報酬・監査の各委員会から定期的に報告がなされ、監督機能を十分発揮しました。
なお、上記の取締役会の開催回数のほか、会社法第370条および当社定款第26条第2項の規定に基づき、取締役会決議があったものとみなすみなし決議が2回ありました。
〔2024年度に取締役会および取締役会メンバーによるミーティングで議論された主な議題〕
〔取締役会実効性評価〕
基本的な考え方
当社は、取締役会等の課題や改善点を洗い出すとともに、より実効性の高い取締役会への進化を目指すことを目的に、毎年、取締役会の実効性評価を実施しています。この実効性評価の結果に基づき、以下のPDCAサイクルを回すことで継続的に取締役会の機能強化・実効性向上に取り組んでいます。
評価プロセス
毎年4月~6月にかけ、取締役全員を対象に、前年の定時株主総会終了後から当年の定時株主総会開催前までの取締役会および指名・報酬諮問委員会※について評価・分析を行うアンケート調査およびインタビュー調査を行い、取締役会事務局にて集計・分析・課題の抽出を行っています。抽出された課題や意見については、取締役会に報告し、必要な対応の策定と取り組みを行っています。
また、実効性評価に関し、概ね3年に1度、第三者機関にチェックおよび評価を依頼し、透明性・客観性を確保しています。
2023年~24年の取組、評価結果および今後の取組方針
2023年3月の定時株主総会終了後から2024年3月の定時株主総会開催前までを評価期間として、取締役会実効性評価を行いました。評価期間中の取り組みに対する主な評価項目および評価結果は次のとおりです。また、評価結果を踏まえ認識した課題に対し、2024年~25年にかけ、次のような取り組みを行い、取締役会の実効性向上をさらに加速していきます。
当社の指名委員会は、株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案の内容、取締役のサクセッションに関する事項等を決議するほか、代表執行役の選定および解職、執行役の選任および解任、執行役の担当領域の決定、CEOの選任および解任、CEOのサクセッションに関する事項等を審議し取締役会へ提言します。
同委員会は、社外取締役4名で構成されており、委員長は委員の中から指名委員会の決議によって選定されます。
2024年度に開催した指名委員会は8回です。主なものとして、取締役のサクセッションについて審議し、株主総会に提出する取締役候補者の選任等について決議したほか、CEOサクセッションの実施状況のモニタリングを行い、CEOの選任、代表執行役および執行役の選定、執行役の担当領域の決定に関する事項等を審議し、取締役会に提言しました。
当社の報酬委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針、取締役および執行役の報酬制度の設計、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容等を決議します。
同委員会は、社外取締役4名で構成されており、委員長は委員の中から報酬委員会の決議によって選定されます。
2024年度に開催した指名委員会は10回です。主なものとして、CEOの報酬設計、長期インセンティブの業績指標の変更、取締役および執行役の報酬等について審議のうえ決議し、また、取締役・執行役以外のエグゼクティブオフィサーの報酬決定の監督を行いました。
当社の監査委員会は、取締役および執行役等の職務の執行の監査および監査報告の作成、株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定を決議します。
同委員会は、社外取締役3名と常勤の監査委員2名で構成されており、委員長は委員の中から監査委員会の決議によって選定された社外取締役が務めています。
2024年度の監査委員会の活動状況はこちら
執行役は、取締役会からの委任を受けて当社の業務執行を担います。取締役会は、執行役に対し大幅な権限委譲を行うことにより、業務執行に関する意思決定と事業戦略遂行を迅速化しています。
また、当社は、業務執行に関する重要な事項の決定に際し審議を行うための会議体を設置しています。
主な会議は以下のとおりです。
CEOによる意思決定に先立ち、グループポリシー、組織改革、新規事業・ブランド立ち上げ等のほか、資生堂グループにとって特に重要な案件について多面的に審議しています。
コアブランド、地域や主要コーポレートファンクションの事業戦略・計画について審議しています。
グローバルおよび各地域の社会変化や資生堂グループの現状を的確に捉え、これに基づき経営リスク要因を特定し、重要リスクの優先順位付けとその対策、および倫理・コンプライアンスに関する重要事項を審議します。
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