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役員報酬

1. 当社の役員報酬の基本哲学

当社は、役員報酬制度をコーポレートガバナンスにおける重要事項と位置づけています。このことから、当社の役員報酬制度は、以下の基本哲学に基づき、社外取締役を委員長とする報酬委員会において、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を審議し決定しています。

役員報酬制度の基本哲学

  1. 1.企業使命の実現を促すものであること
  2. 2.グローバル人材市場において、優秀な人材を確保・維持できる金額水準を目指すこと
  3. 3.長期的な企業価値向上を目指し、長期ビジョン・中長期戦略の実現を強く動機付けるものであること
  4. 4.短期目標の達成を動機付けるものの、短期志向への過度な偏重を抑制するための仕組みが組み込まれていること
  5. 5.株主や従業員をはじめとしたステークホルダーに対する説明責任の観点から透明性、公正性および合理性を備えた設計であり、これを担保する適切な審議および評価プロセスを経て決定されること
  6. 6.個人のミッションを反映した役割・責任の大きさ(グレード)に応じた報酬水準、かつ、戦略目標の達成度(成果)によって報酬に差が出る設計であること

2. 当社の役員報酬制度

当社は、上記の基本哲学を踏まえ、報酬委員会において、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を決議しています。
取締役および執行役の個人別の報酬等の決定に関する方針の内容の概要を含む当社の役員報酬制度を以下に詳しく説明します。

■ 全体像

執行役(取締役を兼任する者を含む。)の役員報酬は、固定報酬としての「基本報酬」と業績連動報酬としての「年次賞与」と「長期インセンティブ型報酬(非金銭報酬)」で構成され、報酬額の水準については、国内外の同業または同規模の他企業との比較および当社の財務状況を踏まえて設定しています。執行役の個人別の報酬等は、報酬委員会で審議、決定することとしています。
当社の執行役はいずれもエグゼクティブオフィサーを兼務しており、エグゼクティブオフィサーとしてのグレード等に基づき報酬が決定されます。
なお、当社の執行役を兼任する取締役に対しては、取締役としての報酬は支給されません。
また、取締役に期待される役割は、執行に対する監督、経営に関する助言機能の発揮であることから、業績変動に影響されない立場からこれらの期待役割を果たすことができるよう、社外取締役を含む非業務執行取締役の報酬は基本報酬(固定報酬)のみとしています。

〔執行役の種類別報酬構成〕

執行役の報酬割合は、グレードによって設定し、グレードが高くなるほど業績連動報酬割合が高くなる設定としています。

(注)

  1. 1.この表は、業績連動報酬の支給額について、当社が定める基準額100%分を支給した場合のモデルであり、当社の業績および株価の変動等に応じて上記割合も変動します。
  2. 2.執行役の代表権の有無により種類別報酬割合に差異を設けていません。

■ 基本報酬

基本報酬は報酬委員会で審議、決定し、各月に按分し支給しています。
基本報酬については、各執行役の担当領域の規模・責任やグループ経営への影響の大きさに応じてグレードごとの設計としています。また、同一グレード内でも、個別の執行役の前年度の実績(業績数値および個人考課)に応じて一定の範囲で昇給が可能な仕組みとなっており、基本報酬においても執行役の成果に報いることができるようにしています。

■ 業績連動報酬

業績連動報酬は、単年度の目標達成に対するインセンティブを目的とした「年次賞与」と、株主との利益意識の共有と中長期的な企業価値向上のための目標達成への動機づけを目的とした「長期インセンティブ型報酬としての業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)」で構成されており、当社執行役に対し、単年度だけでなく中長期的な視点で業績や株価を意識した経営を動機づける設計となっています。

■ 年次賞与

業績連動報酬のうち、年次賞与では、財務指標である連結売上高およびコア営業利益の目標達成率をすべての執行役共通の評価指標とするほか、次表のとおり、各執行役としての担当領域に応じた評価項目を設定し、支給率の変動幅を0%~200%としています。親会社の所有者に帰属する当期利益については、経営に携わる立場の者すべてが意識する必要がある一方、未来の成長に向けた投資や長期的成長のための課題解決を積極的に行うことに対する過度な足かせにならないようにする必要があることから、次表のとおり、報酬委員会の審議を経て予め一定水準(閾値)を定め、当該閾値を下回った場合に、報酬委員会において、年次賞与の評価項目のうち全社業績部分の支給率の引き下げを検討するという設計としています。なお、連結売上高、コア営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益の各目標および閾値の達成率の判定にあたっては、報酬委員会での審議、決議をもって実績を補正して判定することがあります。このような補正を行った場合は、執行役の報酬実績の開示資料に記載して明らかにします。
また、持続的成長を実現するための事業基盤の再構築や変革への取り組みなど、財務的な業績数値だけでは測ることができない戦略目標の達成度を評価基準に加えるために全執行役について個人考課部分を設定しています。
なお、年次賞与は、毎年1回支給しています。

〔執行役としての担当領域により定まる年次賞与の評価指標および評価ウエイト〕

  • (注)執行役の代表権の有無により評価指標および評価指標の適用割合に差異を設けていません。

〔年次賞与の支給率モデル〕

■ 長期インセンティブ型報酬

2019年度より業績連動型株式報酬の一種であるパフォーマンス・シェア・ユニットを導入し、毎年支給することにより中長期的な企業価値の創造を動機づけています。経済価値の向上を評価する業績評価指標としては、中長期経営戦略と長期視点で目指す定量目標を組み合わせるとともに、社会価値創造の指標としては、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を設定することで、経済価値および社会価値の両面から企業価値を創造し、株主との利益意識の共有を目的とする設計としました。

〔長期インセンティブ型報酬の導入目的〕

長期的な企業価値の創造と維持に対する効果的なインセンティブの設定と、株主との持続的な利益意識の共有を目的として、以下の各項目の実現を促す

  1. 長期ビジョン・戦略目標の達成を通じた価値創造の促進
  2. 企業価値の毀損の牽制と長期にわたる高い企業価値の維持
  3. 経営をリードすることができる有能な人材の獲得・維持
  4. 資生堂グループ全体の経営陣の連帯感の醸成や経営参画意識の高揚を通じた“グローバルワンチーム”の実現

当社のパフォーマンス・シェア・ユニットでは、1事業年度を支給対象年度として年度ごとに各支給対象者に基準となる株式ユニットを付与し、予め支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間とする複数の評価指標を定めています。評価対象期間終了後に各評価指標の達成率に応じて変動幅50%~150%の範囲で支給率を算出し、この支給率に応じて株式ユニット数を増減させたうえで、当該株式ユニット数に応じた数の当社の普通株式交付のための金銭報酬債権と金銭を支給対象者に支給し、このうち当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで、各支給対象者に当社普通株式を交付します。一方で、株主との持続的な利益意識の共有、企業価値の毀損の牽制および長期にわたる高い企業価値の維持、ならびに有能な人材の獲得・維持といった目的を実現するために、業績連動部分だけでなく、固定的に支給される部分を設けています。
評価指標については、アクションプラン2025-2026、およびそれ以降の成長戦略の実現に向けて、当社が事業活動のために投じた資本に対してどれだけの利益を効率的に生み出せるか、また、株主価値をいかに向上するかについて、さらに強い動機付けを行うべく、2025年度から相対TSR(株主総利回り)とROIC(投下資本利益率)を長期インセンティブ型報酬全体の評価ウエイト80%を占める財務目標指標として採用しました。さらに、社会価値に関する指標として、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を採用し、経済価値と社会価値の両面からの企業価値の向上を後押しする構成としています。長期インセンティブ型報酬は、予め定める一定期間、支給対象者が継続して執行役またはエグゼクティブオフィサーのいずれかの地位にあったことを支給の要件とします。
また、当社では、パフォーマンス・シェア・ユニットに関して、マルス・クローバック条項を導入しています。具体的には、支給対象者の重大な不正行為があった場合等の一定の場合には、報酬委員会はその決定に従い、株式ユニットの数を減少させ、または返還を受けることができます。
なお、長期インセンティブ型報酬は、全世界の経営陣の連帯感の醸成や経営参画意識の高揚を通じた“グローバルワンチーム”の実現に向け、国内外の主要業務執行者にも支給をしています。

〔長期インセンティブ型報酬の支給スケジュール〕

〔長期インセンティブ型報酬の業績連動部分の評価指標および評価ウエイト〕

  • 2025年の評価はMSCIのESG評価を使用しています。

〔長期インセンティブ型報酬の株式ユニット数支給率モデル〕