当社は、役員報酬制度をコーポレートガバナンスにおける重要事項と位置づけています。このことから、当社の役員報酬制度は、以下の基本哲学に基づき、社外取締役を委員長とする役員報酬諮問委員会において、客観的な視点を取り入れながら設計しています。
当社の役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬で構成され、報酬額の水準については、国内外の同業または同規模の他企業との比較および当社の財務状況を踏まえて設定しています。
なお、業務執行から独立した立場にある社外取締役および監査役には、業績連動報酬などの変動報酬はふさわしくないため、基本報酬のみの支給としています。また、役員退職慰労金制度については、2004年6月29日開催の第104回定時株主総会の日をもって廃止しました。
当社は、2018年度から2020年度までの3カ年を「成長加速のための新戦略」に取り組む期間と位置づけています。
2018年度から2020年度までは、引き続き構造改革にも取り組みつつ、正のサイクルの構築を実施し成長を加速させていくことから、成し遂げられた成果に対して報酬を支払うという「ペイ フォー パフォーマンス」の考え方を一歩進めた「ペイ フォー ミッション(企業として成すべきことを成したことへの報酬)」の考え方をより重視する設計としています。「ペイ フォー ミッション」の考え方のもとでは、売上高や営業利益等の財務的な業績数値についてはもちろん、経営哲学や企業理念を反映した長期戦略の実現度合こそが業績の重要な要素として評価の対象となります。また、当社は、「VISION 2020」の定量的な目標として掲げていた財務目標について、その一部を3年前倒しで達成したことから、2018年に、より先の未来にゴールを据え、さらなる長期的・持続的な成長に向けて新たに売上高2兆円、営業利益3,000億円という長期目標を設定しました。これを受け、2019年度からは、従来の株式報酬型ストックオプションに代えて、新たな長期インセンティブ型報酬として、業績連動型株式報酬の一種である「パフォーマンス・シェア・ユニット」を導入しました。
基本報酬については、各役員の担当領域の規模·責任やグループ経営への影響の大きさに応じて設定する役割等級ごとの設計としています。
また、同一等級内でも、個別の役員の前年の実績(業績数値および個人考課)に応じて一定の範囲で昇給が可能な仕組みとなっており、基本報酬においても役員の成果に報いることができるようにしています。
なお、社外取締役および監査役については、昇給枠のある基本報酬ではなく、従来通り一定の金額で固定された固定報酬のみを支給します。
業績連動報酬の年次賞与は、連結売上高および連結営業利益額の目標達成率を全役員共通の評価指標とするほか、次表のとおり、各役員の担当領域に応じた評価項目を設定しています。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、経営に携わる立場の者全てが意識する必要がある一方、未来の成長に向けた投資等を積極的に行うことに対する過度な足かせにならないようにする必要があることから、次表の通り、役員報酬諮問委員会の審議を経てあらかじめ一定水準(閾値(しきいち))を定め、当該閾値を下回った場合に、役員報酬諮問委員会において、年次賞与の評価項目のうち全社業績部分の支給率の引き下げを検討するという設計としました。
また、持続的成長を実現するための事業基盤の再構築への取り組みなど、財務的な業績数値だけでは測ることができない戦略目標の達成度を評価基準に加えるために、2017年までの役員報酬制度に引き続き、全役員について個人考課部分を設定しています。
業績連動型株式報酬制度/パフォーマンス・シェア・ユニット(2019年度から)
長期的な企業価値の創造と維持に対する効果的なインセンティブの設定と、株主との持続的な利益意識の共有を目的として、以下の各項目の実現を促す
当社のパフォーマンス・シェア・ユニットでは、1事業年度を支給対象年度として年度ごとに各支給対象者に基準となる株式ユニットを付与し、支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間として予め複数の評価指標を定めたうえで、評価対象期間終了後に各評価指標の達成率に応じて支給率を算出し、この支給率に応じて株式ユニット数を増減させたうえで、当該株式ユニット数に応じた数の当社の普通株式交付のための金銭報酬債権と金銭を支給対象者に支給し、このうち当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで、各支給対象者に当社普通株式を交付します。
最終的に支給対象者が得る金銭的利益は、評価指標に関する業績結果だけでなく当社の株価とも連動しており、業績と株価の両方に連動した業績連動性の高い設計となっています。一方で、株主との持続的な利益意識の共有、企業価値の毀損の牽制および長期にわたる高い企業価値の維持、ならびに有能な人材の獲得・維持といった目的を実現するために、支給対象者に安定的に株式報酬を付与することも重視し、業績連動部分だけでなく、固定的に支給される固定部分を設けています。
評価指標については、役員報酬諮問委員会での十分な審議を経た上で、取締役会において定めました。
長期目標の実現に向け、企業価値のうち経済価値に関する指標として、連結売上高の年平均成長率 (CAGR) および連結営業利益の年平均成長率(CAGR)を、社会価値に関する指標として、人々への支援を通じてビューティーイノベーションの実現を目指す「エンパワービューティー」の領域を中心とした環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を採用し、経済価値と社会価値の両面からの企業価値の向上を後押しする構成としています。
また、株主の皆さまとの利益意識の共有の観点から、企業価値を測るうえで重要な指標である連結ROE(自己資本当期純利益率)も評価指標に加えています。
評価指標のうち連結売上高および連結営業利益の年平均成長率(CAGR)については、それぞれ目標値と評価下限値を定めており、目標値を達成した場合にそれぞれの指標における支給率上限を適用し、評価下限値に満たない実績となった場合にはそれぞれの指標について業績連動部分を支給しないこととしています。環境・社会・企業統治(ESG)に関する指標については、複数の指標それぞれについて目標の達成・未達成を判定し、達成した場合にそれぞれの指標における支給率が上限に達し、未達成の場合はそれぞれの指標について業績連動部分を支給しないこととしています。連結ROE(自己資本当期純利益率)については、未来の成長に向けた投資や長期的成長のための課題解決などを積極的に行うことに対する過度な足かせにならないようにする必要があることから、役員報酬諮問委員会の審議を経て予め一定水準(閾値(しきいち))を定め、当該閾値を下回った場合に役員報酬諮問委員会において業績連動部分の支給率の引き下げを検討する仕組みとしています。
また、新長期インセンティブ型報酬では、全世界の経営陣の連帯感の醸成や経営参画意識の高揚を通じた「グローバルワンチーム」の実現に向け、将来的に日本以外の地域本社の経営陣にも支給を拡大することを視野に入れた設計を採用しています。
2018年度までは、業績連動報酬のうち、長期インセンティブ型報酬として金銭による報酬等を支給する代わりに株式を報酬等として支給するための手段として、新株予約権の行使に際して出資される金銭の額を1円とするストックオプションとして新株予約権を用いる、株式報酬型ストックオプション制度を適用してきました。
株式報酬型ストックオプションについては、ストックオプションとしての新株予約権の割当て時と、割当てた新株予約権の権利行使期間の開始時の2つのタイミングで業績条件を課しています。
まず、株主総会において割当て上限個数の承認を得た後、実際に新株予約権を割当てる際に、直前事業年度に係る年次賞与の評価指標を用い、0個から上限個数までの範囲内で付与個数の増減を行います。さらに、当該新株予約権の行使期間が開始する際に、その直前事業年度までの連結業績等の実績に応じて、割当てられた新株予約権の30~100%の範囲で権利行使可能な個数が確定する仕組みとしています。
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