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サステナブルで責任ある調達の推進

原材料の調達

化粧品は、植物由来、鉱物由来、石油由来や合成原料など、多様な原料から成り立っています。それぞれの原料が優れた特性を持ち、製品の品質や使い心地に大きく寄与する一方で、その調達においてはさまざまな環境課題や人権問題が密接に関わっています。また、サプライチェーンが複雑で長いためにトレーサビリティを確立することが困難な原料もあり、課題の把握そのものが困難である場合も少なくありません。
これらの解決に向けて、企業には責任ある調達が期待されます。また、業界やステークホルダーとともに挑む姿勢が求められています。

基本的な考え方

資生堂グループは、バリューチェーン全体でサステナブルなモノづくりを目指しています。 お客さまに安心して、自信をもって製品を選んでいただけるよう、原材料サプライチェーンにおける環境・社会課題の把握・解決を進め、持続可能で責任ある調達を実現することが重要と考えています。
原材料調達において気候変動や生物多様性、人権尊重などへの対応を怠れば、供給不良による生産停止や販売機会の喪失、調達コストの高騰、製品の品質・安全上のリスク、ブランドイメージの低下を招く可能性があります。課題解決に責任をもって取り組むことは事業継続に不可欠であり、長期的なサプライチェーンのレジリエンス向上にもつながることから、当社ではNDPE(No Deforestation, No Peat, No Exploitation:森林減少禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止)などの国際基準を支持しています。加えて、人権や環境面での課題が懸念される原材料については、「資生堂グループ 持続可能な原材料調達ガイドライン」を定め、トレーサビリティを明確化することで、課題の把握と解決に取り組んでいます。
さらに、取引のあるすべてのサプライヤーに対して環境・人権領域における問題発見と解決のPDCAサイクルを回すサプライヤーアセスメントプログラムを適用し、サステナブルで責任あるサプライチェーンの構築に努めています。

資生堂グループ 調達方針

資生堂グループ サプライヤー行動基準

資生堂グループ 持続可能な原材料調達ガイドライン

指標と目標

  • 2026年までにサステナブルなパーム油への切り替え 100%※1
  • 2023年までにサステナブルな紙への切り替え 100%※2
  1. ※1:RSPOの物理的なサプライチェーンモデル(アイデンティティ・プリザーブド、セグリゲーションまたはマスバランスのいずれかに基づくもの)による認証
  2. ※2:製品における、認証紙または再生紙など、紙重量ベース

2030年目標:

パーム油由来原料

  • サステナブルなパーム油由来原料の調達※1 100%
  • パーム油ミルまでの追跡 85%

  • サステナブルな紙の調達※2 100%
  • パルプの州・県レベルでの植林地までの追跡※3 100%

大豆由来原料

  • RTRS※4認証原料の調達または自然林開発を伴わない調達 100%

マイカ

  • 児童労働に関与していないサプライヤーからの調達※5 100%

紛争鉱物

  • 紛争・戦争行為の資金源とならない調達 100%
  1. ※1:RSPOの物理的なサプライチェーンモデル(アイデンティティ・プリザーブド、セグリゲーションまたはマスバランスのいずれかに基づくもの)による認証、パーム油換算重量ベース
  2. ※2:製品における、認証紙または再生紙など、紙重量ベース
  3. ※3:製品に使用されている部材について
  4. ※4:RTRS:Round Table on Responsible Soy(責任ある大豆に関する円卓会議)の略
  5. ※5:インド・マダガスカルの場合はRMI加盟確認または個別調査を実施

パーム油

化粧品の原材料としてのパーム油は、製品の使用感や品質安定性、乳化・洗浄などの機能性、長期間の保存に耐える安定性などを高い水準で満たす重要な植物由来原料です。一方で、農地開発に伴う熱帯雨林の破壊や泥炭地の開発、野生生物の生息地喪失、土地利用をめぐる地域間の紛争、先住民・労働者の人権侵害に関わる課題なども発生しており、持続可能な方法で生産されたパーム油の調達が重要です。
資生堂グループは、2010年にRSPO※1に加盟し、「2026年までに100%サステナブルなパーム油の調達を達成」という中長期的な目標を2020年に開示しました。グローバル本社と地域本社の主要部門が緊密に連携し目標達成に向けた取り組みを推進しています。パーム油関連原料を取り扱うすべてのサプライヤーにRSPO加入および物理的な認証パーム油※2への切り替えを要請し、サプライヤーと協働で持続可能なパーム油由来原料の調達やトレーサビリティ調査に取り組んでいます。

2025年は、パーム油由来原料の86%※3を物理的な認証パーム油に切り替えました(内訳:マスバランス方式99%、セグリゲーション方式1%未満※4)。また、残り13%に対してRSPOクレジットを購入しています。さらに、当社の全工場がRSPOサプライチェーン認証を取得※5しています。

当社は2019年にJaSPON※6に加盟し、他企業と協働して課題解決を図っています。加えて、ASD※7などを通じてパーム油ミル(搾油工場)の調査活動を進めることで、すべてのパーム由来原料のトレーサビリティを強化していくとともに、将来的にはパーム農園までのトレーサビリティの確保を目指しています。
また、「資生堂カメリアファンド」※8を通じて、インドネシアの小規模パーム農家の育成などを行っているWWF※9ジャパンの活動を支援しています。

  1. ※1:持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)
  2. ※2:RSPOの物理的なサプライチェーン方式により認証された原料
  3. ※3:パーム油換算、重量ベース
  4. ※4:マスバランス方式はRSPO認証に基づく監査対象、セグリゲーション方式は監査対象外
  5. ※5:マスバランス方式による認証
  6. ※6:持続可能なパーム油ネットワーク(Japan Sustainable Palm oil Network)
  7. ※7:持続可能なパーム派生品に向けたアクション(Action for Sustainable Derivatives)
  8. ※8:資生堂グループ社員および退職した社員の寄付金により、社会課題の解決に取り組むNPOやNGO団体を支援する社会貢献活動
  9. ※9:World Wildlife Fund for Nature

RSPO, Jonathan Perugia

パーム油の2025年実績:

  • サステナブルなパーム油への切り替え 86%
    (2026年までに、サステナブルなパーム油へ切り替え100%)
  • パーム油ミルまでのトレーサビリティ 73%
  • 農園までのトレーサビリティ 59%

化粧品事業において紙は、製品ケースや能書、販促物等に用いられ、製品保護、使用方法や成分情報の正確な伝達、ブランド価値や商品魅力の訴求に欠かせない原材料です。一方で、原料となる木質チップの植林地には、森林破壊や生物多様性の喪失、地域住民の権利侵害が問題となっている地域もあります。
このため当社は、製品ケースや能書の紙について、2023年までに認証紙や再生紙などのサステナブルな紙※1を使用する目標を達成しました。2025年も継続達成するとともに、当社工場が調達した紙ケースのトレーサビリティ調査を開始し、植林地(州・県レベル)までのトレーサビリティは80%※2となりました。さらに、販促物などについてもサステナブルな紙への切り替えを推進しています。特に販促物は、2023年から社内の「POSMエコデザインガイド」に沿って、紙器類を認証紙や再生紙に切り替えています。また、一部のサンプル台紙は統一化・標準化により、紙の使用量を削減しています。
化粧品の容器包装には、環境配慮に加え美しいデザインや重量に耐え得る強度などさまざまな特性が求められます。製紙メーカーとの協働により、こうした優れた特性や新機能を持つ紙製容器包装のイノベーションにも取り組んでいます。

  1. ※1:森林保全の観点から認証紙や再生紙を使用
  2. ※2:重量ベース

紙の2025年実績:サステナブルな紙への切り替え 100%(継続)

(2023年までに100%サステナブルな紙へ切り替え)

マイカ

マイカは、美しい光反射や耐熱性から幅広い産業で使用されている鉱物です。化粧品原料としてのマイカは、アイシャドウやファンデーション、リップ製品などにおいて、自然で上品な光沢や透明感を付与する独自の特性を持ち、同等の質感や発色を再現できる代替原料が限られていることから、重要な原材料として使用されています。一方で、化粧品に使用されるインド産マイカは採掘時に児童労働が関係している可能性が指摘されています。資生堂グループは、インド産マイカのサプライチェーンにおける人権課題に真摯に取り組むために、RMI (Responsible Mica Initiative)に設立時の2017年から加盟しています。RMIは、マイカ生産国の採掘現場から児童労働・強制労働を撲滅し、サステナブルで責任あるマイカ生産を確立することを目標に掲げています。2018年から2025年までの8年で、RMIは235の村を支援し、5万人を超える子どもを含む114,000を超える世帯に支援を届けました。教育支援や飲料水設備の提供、健康・栄養に関するキャンプなど、子どもたち一人ひとりからコミュニティ全体に至る包括的な支援を通じて、労働に関わる課題解決が着実に進んでいます。RMI設立当初はインドの2州にフォーカスしていましたが、現在はマダガスカルにも取り組みを展開しています。
当社は、RMI加盟企業を通じてインド産マイカの調達を行うとともに、人権課題がないことの確認を進めています。今後もRMI加盟企業を中心に、社会的懸念のない生産者から供給されるマイカの使用に努めます。

より広範なトレーサビリティへの対応

当社では、多種多様な原材料を使用しており、「資生堂グループ 持続可能な原材料調達ガイドライン」で言及している原材料にとどまらず、それぞれの原料を取り巻く課題をいち早く認識し、迅速に対応することを目指しています。

業界全体でのトレーサビリティへのアプローチ

当社は、化粧品業界18社から構成されるコンソーシアム「TRaceability Alliance for Sustainable CosmEtics(TRASCE)」に2023年から参加しています。TRASCEの長期的な目標は、化粧品業界のバリューチェーン全体にトレーサビリティを拡大することです。メンバー企業とともにISN社が提供する共通のデジタルプラットフォーム「Transparency-One」を用いてバリューチェーン全体の情報をマッピングすることに取り組んでいます。このプラットフォームを通じてデータが収集されたあと、リスクを分析し、アクションプランが必要なサプライチェーンを特定することがコンソーシアムの目的です。

  • TRASCEのメンバー企業18社: Albéa, CHANEL, Clarins, Cosfibel powered by GPA Global, Dior, The Estée Lauder Companies, Expanscience, L’Occitane en Provence, L’Oréal Groupe, Merck, Naos, Neyret, Nuxe, Groupe Pochet, Groupe Rocher, Sensient, Shiseido and Sisley(アルファベット順)
Traceability Alliance for Sustainable CosmEtics(TRASCE)ロゴ

原材料農家に対する支援

欧州地域本社では、他社との協働を通じて原材料農家を支援する取り組みを進めています。
香料の原料となるゼラニウム・ブルボン(ゼラニウムの一種)はフランスのレユニオン島で生産されていますが、生産や収穫の多くを女性が担っています。その労働条件を改善し、安定供給を図るため、サプライヤーおよび地元の農業協同組合と戦略的パートナーシップを締結しています。その一環として、新たな収穫機への投資を行いました。これにより1ヘクタールあたりの必要労働日数を40日間から6~7日間へと大幅に短縮し、労働環境の改善や作業者の安全確保を実現するとともに、労働コストの抑制や生産性向上、女性がより専門的な職務に就労し活躍する機会の創出にもつながっています。
また、糖蜜アルコールの長期的な供給確保とESG課題への対応を目指し、サプライヤーとパートナーシップを締結しています。2024年10月より、再生可能農業に取り組む農家が栽培したビーツを原材料としたアルコールを購入しており、2025年以降も取り組みを継続しています。

再生可能農業に取り組む農家が栽培したビーツ

生物多様性

生物多様性の損失や生態系サービスの劣化は、企業の操業やサプライチェーン、金融機関の投融資ポートフォリオにも影響する課題です。こうした観点から、企業には事業と自然資本の関連に関する透明性のある情報開示や、生物多様性の保全が求められています。
化粧品事業は、バリューチェーン全体で生物資源への依存度が高く、生物多様性の損失が事業継続に直接影響しやすい領域です。リスクが生じれば、原材料の調達制約や価格変動、企業評価やブランド価値の低下など、重大なビジネスリスクを招きかねません。
化粧品は、原料に植物油や発酵原料などの生物資源由来成分が多く、容器包装にも紙やバイオマスプラスチックが活用されています。そのため、事業の安定継続には自然や生物多様性に関連するリスクの把握・低減が不可欠です。活動の影響や依存度の高い原材料を特定し、成分特性、産地の地域性、調達構造を踏まえた分析・管理を行うことで、持続可能な原材料調達と事業競争力の両立を図ることが求められています。

基本的な考え方

資生堂グループの事業活動は、原材料、水、森林、生態系サービスなど、地球の恵みと豊かな生物多様性に大きく依存しています。これらの自然資本が劣化・喪失した場合、原材料の安定調達や品質確保、コスト構造、さらにはブランド価値にも影響を及ぼす可能性があることから、当社は生物多様性を環境課題にとどまらず、中長期的な事業価値に関わる重要な経営課題として認識しています。
この認識のもと、当社は、Taskforce on Nature-related Financial Disclosures(TNFD)の枠組みを活用し、事業活動が自然に対して「どのように依存しているか」「どのような影響を与えているか」の両面から、リスクおよび機会の特定・分析を進めています。TNFDのLEAPアプローチに沿った評価を通じて、当社の事業は特に陸域の生物多様性に対する影響が大きく、パーム油由来原料や紙などの森林由来原材料が、自然資本劣化に伴う物理的リスク(調達不安定化、価格上昇)や移行リスク(規制強化、市場要請の変化)に直結し得ることを把握しています。
こうした分析結果を踏まえ、当社はパーム油関連原料や紙について、NDPE(No Deforestation, No Peat, No Exploitation:森林減少禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止)※1を支持し、各国法規制や国際条約、合意※2を遵守しながら、認証原料や再生材への切り替えを推進しています。具体的には、一次サプライヤーにとどまらず、上流の製油所や植林地にまで遡るトレーサビリティの確保に注力し、現地コミュニティの権利尊重を含めた持続可能なサプライチェーンの構築を進めています。また、環境負荷の低い代替成分の開発やバイオテクノロジーの活用など、自然資本への依存度自体を低減する革新的なアプローチも模索しています。
これらの取り組みは、生物多様性への負のインパクトを低減するだけでなく、将来的な調達リスクの回避やコスト変動の抑制、サプライチェーンのレジリエンス向上を通じて、財務的な負のインパクトの低減につながるものと位置づけています。
当社は今後も、TNFDに基づく開示を通じて、生物多様性に関する非財務情報を事業戦略および財務の意思決定に結びつけ、単なるリスク管理の枠を超えて、自然の回復を目指す「ネイチャーポジティブ(自然再興)」への貢献を視野に入れた活動を強化していきます。気候変動対策とのシナジーも意識しながら、多様なステークホルダーとの協働を通じて実効性のあるアクションをグローバルに展開し、自然との共存を通じた持続的な企業価値創出を目指していきます。

  1. ※1:パーム油はRSPO、紙は森林関連の認証制度、それぞれの原則と基準に則った調達を行う。保全価値の高い(HCV: High Conservation Value)地域および炭素貯蔵力の高い(HCS: High Carbon Stock)森林を保護する。深さに関係なく泥炭地の新たな開発、植林や開発のための焼畑を禁止する。先住民や地域社会の権利の尊重と保護のため、自由意志に基づく事前の情報提供による同意(FPIC)を担保する
  2. ※2:ワシントン条約、生物多様性条約、OECD多国籍企業行動指針、ILO基本条約、国連グローバル・コンパクト10原則、先住民族の権利に関する国際連合宣言など

自社サイトおよび周辺地域の生態系影響評価と生物多様性保全の取り組み

バリューチェーン全体のなかでは相対的な影響度合いとしては小さいものの、自社サイトの土地占有による生態系への影響を把握し最小化することは、土地の管理者責任の観点からも重要です。資生堂グループは、TNFDの枠組みとLEAPアプローチを活用し、自社サイトのなかでも専有面積の大きな工場の立地について、生物多様性の重要性、生物多様性の十全性、生態系サービス供給の重要性の観点からセンシティブロケーションの特定を行いました。 保護地域との近接度合いや、事業所周辺における生態系の自然度、開発圧などを考慮した評価の結果、生物多様性リスクの高い事業所は確認されませんでした。しかしながら、自然への依存という観点から、乾燥地域で操業する北京工場について、節水や水の循環利用の重要性が示唆されました。
これらの調査に加えて、工場周辺の絶滅危惧種に関するアセスメント結果などを踏まえながら、各地域固有の状況にあわせて、生態系保全に向けた取り組みを進めていく考えです。

「資生堂 気候/自然関連財務情報開示レポート」︎︎︎

敷地の約17%をシイやカシなどの混相林が占める掛川工場では、敷地内緑地の3.5ヘクタールにおいて健全な生態系が確認され、2024年に環境省から自然共生サイト※1の認定を受けました。本サイトはOECM※2として国際データベース※3にも登録されており、地域の生物多様性保全に貢献する取り組みとして評価されています。緑地の保全や定期的なモニタリングの実施を通じて、社員への福利厚生や地域住民の憩いの場として、また敷地内に併設されている保育園「カンガルーム掛川」に通う園児を対象とした自然教育の場としても活用しています。さらに2026年1月より、静岡県環境衛生科学研究所と協力し、掛川自然共生サイトの音響観測による生物モニタリングを開始しています※4

2工場が操業するフランスでは、近年、ミツバチの減少が懸念されています。このような地域特有の問題の解決を図るため、同工場では敷地内での農薬の使用を取りやめるとともに、工場内にハチの巣箱を設置してミツバチの保護に取り組んでいます。
またアメリカのイーストウィンザー工場では、工場周辺の13,220㎡の敷地で在来植物を育て、生物多様性を守る取り組みを進めています。Best Bees社との提携プログラムを通じてハチの巣箱を2つ設置しており、採集したハチミツは 社員に配布する予定です。また、アースデーには敷地内での緑化・植物育成活動を実施し、社員ボランティアによる敷地清掃や、巣箱周辺での植栽活動を行っています。

  1. ※1:「自然共生サイト」は、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で掲げられた2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする「30by30目標」に基づき、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を広げていくことを目的とした認定制度
  2. ※2:Other Effective area-based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する地域
  3. ※3:国連環境計画世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)が管理しており、世界の30by30目標の達成状況の評価に用いられる
  4. ※4:環境研究総合推進費【4MF-2504】「機械観測と市民参加型調査のシナジーをもたらす生物多様性音響観測支援システムの構築」

30by30ロゴ

30by30OECMロゴ

カンガルーム掛川

Best Bees社との提携プログラムを通じて設置したハチの巣箱

コーポレートおよびブランドの取り組み

「SHISEIDO BLUE PROJECT」

資生堂グループは、さまざまなブランドや地域で生物多様性の保全に関する取り組みを行っています。「SHISEIDO」は、2019年から“Respect for Ocean” をテーマに、グローバルで海を守る活動「SHISEIDO BLUEPROJECT」を実施しています。美しい海の実現に向けて、各国各地域の資生堂チーム、ローカルコミュニティやNGO団体と連携し、ビーチクリーンや植樹活動などを継続して行っています。2025年には、創業者福原有信の出身地千葉県館山市と協力し、地元の子どもたちとともに館山海岸のビーチクリーンを実施しました。

「SHISEIDO BLUE PROJECT」

「M.A.R.E.」プロジェクト

「SHISEIDO」は、「SHISEIDO BLUE PROJECT」の一環として、海洋研究と教育を支援する「M.A.R.E.」プロジェクトを継続的に推進しています。2025年には、資生堂ヨーロッパ イノベーションセンターが、地中海中部においてeDNAサンプリングを用い、汚染や人間活動が海洋マイクロバイオーム※1に及ぼす影響を評価する調査を実施しました。
本研究は、従来の生物多様性研究の枠を超え、いまだ十分に解明されていない海洋微生物生態系に焦点を当てています。その結果、シアノバクテリア※2や汚染物質分解細菌を含む、極めて高い回復力と均質性を備えた微生物群集の存在が明らかとなりました。これらの知見は、生態系の健全性に関する重要な知見を提供するとともに、環境に配慮したサステナブルな化粧品イノベーションの新たな可能性を切り拓くものです。

  1. ※1:海に生息する微生物と海洋環境との相互作用を含めた生態系全体を指す概念
  2. ※2:水を利用して酸素発生を伴う光合成を行う原核生物

「M.A.R.E.」プロジェクトの船

伊吹山の自然保護活動

日本で古くから多くの薬草が栽培されてきた伊吹山の自然保護活動を2022年より開始しました。独自の薬草園を開園し植物の栽培に加え、山麓に豊かな恵みをもたらす伊吹山の自然保護のため、当地域で環境保全に取り組むNPO法人「霊峰伊吹山の会」とともに、植生回復活動に取り組んでいます。2023年には、未利用の伊吹山の薬草を余すところなく活用するため松田医薬品株式会社とともに薬草湯[蘇湯 SOYU]を開発し、伊吹山の自然保護活動のためのクラウドファンディングの返礼品として活用しました。また、薬草園で栽培されたエンメイソウから抽出されたエキスを、「SHISEIDO」の「フューチャーソリューション LX」シリーズに配合しています。

  • 滋賀県米原市、岐阜県揖斐郡揖斐川町・不破郡関ケ原町にまたがる伊吹山地の半独立峰。標高1,377m日本百名山

「BAUM」森林資源循環の取り組み

「樹木との共生」をテーマに掲げる「BAUM」では、森林資源の循環を促進する取り組みの一環として、製品原料および容器用木製パーツの持続可能な調達と循環を推進しています。その具体的な活動として、店頭で育成した苗木を国内2カ所に位置する「BAUMの森」へ植樹する活動を継続。家具の端材をアップサイクルした木製パーツの原料であるオーク(ナラ)の故郷・岩手県「BAUM オークの森」、および主要スキンケアラインに配合している「ひのき水」の産地である愛知県「BAUM ひのきの森」での植樹を通じ、パッケージと成分の両面において、自然環境に配慮したサステナブルな循環を実現しています。

「BAUMひのきの森」

サプライヤーマネジメント

グローバルに事業展開する企業にとって、原材料や製品の調達プロセスは、環境負荷や人権侵害などの社会課題が顕在化しやすい領域です。サプライチェーン上で発生する環境・社会リスクは、調達の停滞や事業継続への影響にとどまらず、企業の信頼性やブランド価値を損なうレピュテーションリスクにもつながる可能性があります。また、近年は法規制の強化やステークホルダーからの要請も高まっており、責任ある調達の実践は事業活動の継続に不可欠な要素となっています。こうした背景のもと、サプライチェーン全体で環境・社会課題への対応を進め、安定的でレジリエントな事業基盤を構築することが強く求められています。

基本的な考え方

資生堂グループは、サプライチェーンにおける環境・社会課題への対応を、事業活動の持続性と企業価値を支える重要な経営課題の1つと位置づけています。原材料の調達や製造の過程では、環境負荷の増大や人権侵害などのリスクが顕在化しやすく、これらへの対応が不十分な場合、調達の不安定化や事業継続への影響に加え、企業の信頼性やブランド価値の低下につながる可能性があります。また、各国各地域における法規制の強化や、投資家・社会からの要請の高まりを背景に、企業にはサプライチェーン全体を通じた責任ある行動が求められています。
調達に関する基準・方針として、「資生堂グループ 調達方針」「資生堂グループ 持続可能な原材料調達ガイドライン」などを定め、これらを調達活動の基本として遵守しています。特に「資生堂グループリ 調達方針」に掲げる「よきパートナーシップの構築」「公正な購買取引」「契約の履行」「責任ある調達の推進」「多様な価値観の尊重」という考え方に基づき、当社は各国各地域のサプライヤー800社以上と取引を行っています。
さらに当社は、これらの方針を実効性あるものとするため、サプライヤーに対して「資生堂グループ サプライヤー行動基準」の遵守を求めるとともに、サプライチェーン全体における環境・社会リスクの把握と低減を目的とした管理の枠組みを構築しています。サプライヤーアセスメントや監査を通じたモニタリングを行うとともに、調達活動が行動基準や方針に沿って実践されているかを確認するため、グローバルで適切なKPIを設定し、その進捗を定期的に購買責任者会議やSustainability Committeeにて報告・審議しています。当社は、サプライヤーマネジメントを通じて、サプライヤーと協働しながら、変化や不確実性に強い持続可能なサプライチェーンの構築を目指しています。

  • 同一グループ会社は1社とカウント(1次サプライヤーのみ)。カテゴリー間で重複する場合は、1社とカウント

資生堂グループ 調達方針

私たちは、お客さまに満足いただける安全で優れた製品を提供するために、すべてのサプライヤーを尊重し、社会・環境面に配慮した持続可能な調達の実現を調達方針として掲げています。 コストや品質といった経済価値に紐づく項目に加えて、公正な取引、法令順守、異なる文化や価値観の尊重、人権尊重、環境配慮といった社会価値の共創に向けた方針を宣言し、サプライヤーに対し方針の内容を共有しています。

2022年2月に、サプライヤーと更にサステナブルで責任ある調達を積極的に推進していくため、本方針を改定し公表しました。環境や人権面でサプライヤーに遵守を求める内容を方針に規定するとともに、第三者監査実施等による厳格で客観的なリスク特定と是正プロセスの導入や、サステナビリティ観点でサプライヤーを評価することを明記しています。

資生堂グループ 調達方針[ PDF : 576KB ]

資生堂グループ サプライヤー行動基準

国連グローバル・コンパクトに参加したことを契機として、2006年に「資生堂グループ サプライヤー行動基準」を策定しました。この行動基準は、人権、法令遵守、労働慣行、知的財産の保護、機密の保持、環境保全、公正な取引に関する規範を明文化したもので、私たちと取引のあるすべてのサプライヤーに対して遵守を求めています。
サプライヤーと協働して持続可能な調達を実現するべく、サプライヤーアセスメントとその後の是正活動を含むサプライヤーアセスメントプログラムを定期的に実施しています。サプライヤー行動基準に違反していることが判明した場合には、是正要請、是正指導、支援を実施しています。

資生堂グループ サプライヤー行動基準(2019年6月発行版)[ PDF : 1.09MB ]

資生堂グループ 持続可能な原材料調達ガイドライン

原産国において環境・人権問題が深刻化している可能性が高いと判断した原材料については、問題への不関与を第三者認証された原材料への切り替えや、国際的なイニシアティブへの参加による問題解決を進めています。 そのなかでも近年、森林破壊や労働問題が強く指摘されたパーム由来原料、紙、マイカについて問題解決に向けた目標と手段を明確化し、持続可能な調達を実現するためのガイドラインを策定しています。

資生堂グループ 持続可能な原材料調達ガイドライン [ PDF : 662KB ]

2030年目標:

直接・間接サプライヤー※1におけるクリティカルリスク※2  0

  1. ※1:2次以降(上流)サプライヤーを含む
  2. ※2:児童労働、強制労働などの重大な課題

当社のサプライチェーンについて

購買している物品・サービス

資生堂グループは、「資生堂グループ 調達方針」に基づき、世界各国・各地域のサプライヤーから物品やサービスを購買しています。
取扱品目は当社製品に関するパッケージ、原材料、香料などの生産用材、販売支援ツール、およびOEM調達品、生産委託品です。

取引の流れとサプライヤーパフォーマンス評価

取引の流れ

1. 新規取引先と当社のコンタクト

  1. 1. 新規取引先からの提案
  2. 2. 当社からの連絡(調達希望品目の案内)

2. 提案内容の検討

3. 取引先の審査

以下の点について審査いたします。

  1. 1. 経営方針・経営姿勢
  2. 2. 信用
  3. 3. 対応力(コスト、技術・品質、生産能力、サービス)
  4. 4. 秘密保持の信頼性
  5. 5. 経歴と事業内容
  6. 6. 他社との取引状況
  7. 7. サステナビリティ観点※1でのリスク

4. 商品化に向けた詳細の検討・評価

提案内容に対する具体的な商品ニーズがある場合には、商品化に向けた詳細な検討を行います。その際、製品仕様に基づいた詳細な見積りをお願いいたします。
並行して、関係部門を含め以下について検討・検証をいたします。
①品質 ②コスト ③納期 ④安全性 ⑤工場所有権
⑥当社工場生産適正 ⑦サステナビリティ
評価用サンプルによる検討も同時に行います。

5. 最終交渉・購買契約締結

調達にあたってのすべての条件について再度確認・調整のうえ購買契約を締結いたします。
なお、購買契約にて、「資生堂グループ サプライヤー行動基準」への遵守も合意いただいています。

6. 取引開始

7. パフォーマンスレビュー

毎年1回、取引先をQCDST※2およびサステナビリティの観点から評価しています。詳細は「サプライヤーパフォーマンス評価」をご確認ください。

  1. ※1:アセスメントの結果、サステナビリティの観点で「ハイリスクではないこと」を取引の最低条件としています。ハイリスクに該当した場合は取引の候補からは外れますが、一定期間内に改善し、要件を満たした場合は採用可否を再度検討いたします。ハイリスクの定義については「サプライヤーアセスメントプログラム」の項をご確認ください。
  2. ※2:QCDST(Quality, Cost, Delivery, Service, Technology)

サプライヤーパフォーマンス評価

当社では1年に1回、QCDSTおよびサステナビリティの観点からサプライヤーのパフォーマンス評価を実施しています。評価結果は、ビジネスミーティングなどでサプライヤーにフィードバックし、改善を依頼するとともに、購買戦略(商品やサービスの仕入れ方針)に反映しています。なお、評価基準において、サステナビリティ関連は全体20%のウエイトを占めています。具体的には、セルフアセスメントの結果などを考慮しています。

戦略サプライヤー

資生堂が2030年に最も信頼されるビューティーカンパニーとなるため、戦略的な関係を築き、共に成長を目指すビジネスパートナーを戦略サプライヤーとして定義しています。戦略サプライヤーは、サプライヤー戦略をもとに、購買占有率、QCDSTおよびサステナビリティ観点でのパフォーマンス、資生堂のコアビジネスを支える重要な技術やイノベーション能力の有無、などを考慮し選定しています。

  • 戦略サプライヤーには、必要不可欠な部品を提供するサプライヤーや代替が困難なサプライヤーも含まれます

戦略サプライヤー数


サプライヤー数
1次 23社
1次以外 3社
合計 26社

グローバルでの購買活動

資生堂では、グローバル各拠点の購買責任者と定期的に会議を開催しています。会議では、サステナビリティをはじめとする重要なテーマの方針や戦略を討議し、緊密な連携を図っています。
また、1年に1回グローバル各拠点の購買責任者が一堂に会するSPS(Shiseido Procurement Summit)を開催しています。この場を通して、サステナビリティ活動のグローバルへのさらなる浸透も進めています。2023年は東京、2024年は上海、2025年はオンラインで開催いたしました。

中国で開催したShiseido Procurement Summit

責任ある調達に関連したイニシアティブの参加

当社は、責任ある調達を推進するため、様々な業界団体・イニシアティブに参画しています。主要なイニシアティブは下記のとおりです。

  • 化粧品業界のサステナビリティに関連したイニシアティブ。メンバー企業間でのベストプラクティスの共有や業界全体での課題に関するディスカッションを通じて、化粧品業界におけるサプライチェーン全体のサステナビリティ向上に努めています。当社、欧州本社購買部門の購買部長がRBIの最高意思決定機関であるステアリングコミッティーのメンバーとなっています

サプライヤーアセスメントプログラム

資生堂は、持続可能なサプライチェーンの構築とサプライチェーン全体におけるリスクを可能な限り排除することを目指し、サプライヤーアセスメントプログラムの実施を進めています。
当社は、2022年に改定した「資生堂グループ 調達方針」に基づきプログラムを実施しています。サプライヤーアセスメントによりリスクが高いことが判明し、監査で発見された重大課題が是正されていないサプライヤーとは取引を行いません。

すべてのサプライヤーを対象に、取引を始めるにあたり、まず、サステナビリティ(人権・労働安全衛生・環境・ビジネス倫理)の観点でセルフアセスメント(自己評価)を実施し、ハイリスクではないことを確認します。その後、「資生堂グループ サプライヤー行動基準」の遵守に対し合意を得た上で、取引を行います。

既存のサプライヤーに対しても、前述の評価法を用いてサプライヤーを評価することで「資生堂グループ サプライヤー行動基準」の遵守状況を継続的に確認しています。

資生堂のサプライヤーアセスメントフロー

当社では、セルフアセスメント実施にあたり、EcoVadis社が提供する質問票※1を利用しています。セルフアセスメントの結果に基づき、ハイリスクサプライヤーを特定し、ハイリスクに該当したサプライヤーに対しては第三者監査※2を実施しています。また、すべてのサプライヤーに対して対面またはオンラインでアセスメント結果のフィードバックを行うとともに、必要に応じ従業員がサプライヤーの拠点を訪問し、改善に向けた議論も行っています。

第三者監査では、現場視察に加え労働者インタビューや必要書類の検証などが行われます。監査により発見された課題については、課題の是正を要請しています。重大な課題が見つかった場合は、再度、第三者監査により是正状況を確認し、一定期間内に是正されていない場合は、取引の停止を検討しています。

  1. ※1:当社ではSedex・資生堂SAQ(Self-Assessment Questionnaire)の利用を2025年末に終了しています。EcoVadisでは、方針、実施対策、結果を通して企業のESGマネジメントシステムの質を評価しています。評価は、環境、労働慣行と人権、倫理、持続可能な資材調達の4つのテーマにおいて実施されます。質問票は、回答企業の業種、ロケーション、企業規模などに応じてカスタマイズされます。また、回答の際、回答を裏付ける証明書類の提出が求められます
  2. ※2:WCA監査(インタ―テック社によるサステナビリティ監査プログラム)

アセスメントプログラムの対象・スコープ

当社では、調達品目・地域・サプライヤー階層の観点で徐々にサプライヤーアセスメントプログラムのスコープを拡大しています。
調達品目では、生産用材・OEM調達品・生産委託品、販売支援ツール、間接材を対象とし、グローバルスコープで実施しています。サプライヤー階層の観点では、直接取引のあるサプライヤーに加え2次以降のサプライヤーも対象としています。

  • 事業活動に必要なサービス、購入品で直接材ではないもの。販売支援ツールは含まない

2次以降(上流)サプライヤーアセスメント先

2025年サプライヤーアセスメント実績

1次サプライヤーアセスメント

2024年までの直接材・POSM※1に加えて、2025年からは間接材※2もサプライヤーアセスメントプログラムの対象品目として、セルフアセスメントおよび是正措置を実施しました。間接材については、2024年にグローバルで約2万社を対象に実施したリスクスクリーニング※3の結果、特定された156社を対象としています。

  1. ※1:カテゴリー:生産用材・OEM調達品・生産委託品、販売支援ツール
  2. ※2:事業活動に必要なサービス、購入品で直接材ではないもの。販売支援ツールは含まない
  3. ※3:EcoVadis のスクリーニングツール IQ Plusを用いて、国や業種、スペンドなどに基づくリスクスクリーニングを行い、優先度が高いと判断したサプライヤーを対象とする

1次サプライヤーアセスメント実績(直接材・POSM)

実施年 アセスメント社数 セルフアセスメントにより特定したハイリスクサプライヤー数 2024年度末時点でのハイリスクサプライヤー数
2021 279 17 0
2022 67 10 0
2023 860 12 0
2024 35 1 0
2025 28 1 0

2025年の実績および是正措置(直接材・POSM・間接材)

KPI 直接材・POSM 間接材(2025年開始)

1.評価実施サプライヤー比率

100%
(28社評価)
97%
(156社中151社を評価)

2.ハイリスク(HR)サプライヤーの第三者監査実施率

100%
(1社特定し監査実施)
71%
(7社中5社を監査)

3.2025年に特定されたHRサプライヤーの是正完了率

100%
(1社是正完了)
71%
(7社中5社是正完了)

4.2025年末時点でHRに特定されているサプライヤー数

0 2
  • アセスメントを完了できなかった5社については、2026年中にアセスメント実施予定

具体的な是正措置

2025年は6社(OEM調達品サプライヤー1社、間接材サプライヤー5社)に対して第三者監査を実施しました。当年中に下記の是正対応を行い、是正が完了したことを確認しています。

  • 社内に人権方針の定めがなかったサプライヤーにおいて、人権方針を新たに制定
  • 社内の労働安全衛生方針の定めがなかったサプライヤーにおいて、労働安全衛生の方針を新たに制定
  • 廃液の管理が適切ではなかったサプライヤーにおいて、漏洩対策をとるとともに、社内教育を実施

未完了の間接材サプライヤー2社に関しては、2026年中に是正完了することを目指しています。

2次以降(上流)サプライヤーアセスメント

2次以降(上流)のサプライヤーに対しては、優先順位をつけ、対象を限定したうえでアセスメントを実施しています。具体的には、資生堂グループの戦略サプライヤー(1次・2次)が指定した重要な製造元を対象としています。
その結果、2025年は27社に対してアセスメントを実施し、ハイリスクに該当する取引先はありませんでした。2025年末までの累計で416社の評価を完了しています。

サプライヤーを含む取引先向けの通報・相談窓口

資生堂グループでは、資生堂グループの従業員向けの通報・相談窓口に加え、資生堂グループ各社と取引のあるサプライヤーを含む取引先が利用できる通報窓口も各地域の事業所に設置し、資生堂グループ各社との取引に関連して生じた人権やコンプライアンス違反に関わる通報を取引先から受け付けています。

バイヤー・サプライヤー向け教育

サプライヤー向け教育

資生堂では、取引先のESGパフォーマンス向上や、当社の人権・環境に関する方針に対する理解を深めることを目的として、以下のような取り組み、トレーニングを定期的に行っています。

項目 対象 詳細
資生堂グループ 調達方針の説明 すべての取引先
  • 「資生堂グループ 調達方針」およびアセスメントプログラムについて、動画資料を配付するとともに、適宜バイヤーがオンライン・対面による説明を行っています。
  • 新規取引先については、セルフアセスメントによるリスク評価を実施する前に説明を行っています。
  • 既存の取引先については、2022年2月に方針改定をした際、すべての取引先に対し説明を実施しました。
セルフアセスメント結果のフィードバック すべての取引先
  • セルフアセスメントの結果について、フィードバックを実施しています。
  • フィードバックには、ベンチマークデータも含まれます。
  • ハイリスクに該当した取引先については、具体的な是正アクションを提案するなどの支援を行っています。

過去3年間は以下の説明会、セミナーを実施しました。
今後もより多くのサプライヤーへ教育プログラムを提供できるよう検討を進めています。

項目 対象 詳細
CDP説明会
(2023年5月)
日本の取引先
  • 取引先の環境パフォーマンス向上を目的とし、CDPと合同でCDPの回答方法に関する説明会やトレーニングを実施しました。
サステナビリティ
方針説明会
(2023年・2024年)
日本の取引先
(2023年11月)
中国の取引先
(2024年6月)
  • サステナビリティ活動における取引先とのエンゲージメント強化のため、中期目標やサプライヤーアセスメントプログラムの推進などについて説明会を実施しました。
EcoVadisスコアアップ
セミナー
(2024年6月)
新規受審の取引先・一定
スコア未満の日本の取引先
  • EcoVadis加入済みの取引先を対象に、EcoVadisのスコアアップやESGのパフォーマンスを向上するために必要なスキル、取り組みについてセミナーを実施しました。
購買方針説明会
(2024年11月)
日本の取引先
  • 購買方針に関する理解の醸成や、サステナビリティ活動における取引先とのエンゲージメント強化のため、中期目標やサプライヤーアセスメントプログラムの推進などについて説明会を実施しました。
EcoVadisスコアアップ
セミナー個別相談会
(2025年5月)
新規受審の取引先・一定
スコア未満の日本の取引先
  • 前年度に引き続き、スコアアップに向けたセミナーを実施。同時に、サステナビリティ(人権・環境)における取り組みを更に進化させることや、EcoVadis回答にあたっての課題を解決するため、1社ずつ個別に専門家へ相談できる機会を設けた。専門家より個別指導、ベストプラクティスの共有などが行われた。
取引先向けアセスメント方針説明会
(2025年12月)
EcoVadis
未受審の日本の取引先
  • セルフアセスメントに関する当社の新たな方針について説明するとともに、専門家がEcoVadis受審の意義、サステナビリティパフォーマンスの向上に向けて必要とされる取り組みなどについて解説を行った。

バイヤー向け教育

当社はサステナブルで責任ある調達を資生堂グループ全体で実行するため、購買部門の社員を対象に、人権・労働安全衛生・環境などの観点でさまざまな教育を行っています。例えば、サプライヤーアセスメントプログラムについては、当社の方針、KPI、各バイヤーの役割などについて定期的に説明を行っています。また、最新のサステナビリティ動向を理解するため、責任ある調達に関連した国際的基準、規制(CSRDなど)に関する勉強会なども実施しています。

  • CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive:企業サステナビリティ報告指令

サプライヤーとのパートナーシップ

購買方針・サステナビリティ方針説明会の開催

資生堂は、時代の変化や社会からの新たな要求に応えていくためにも、調達に関して、サプライヤーにタイムリーで的確な情報共有が重要であると考えています。
したがって、購買方針について周知を図ることを目的に、定期的にサプライヤーとの「購買方針説明会」を開催しています。各カテゴリーにおける購買方針や依頼事項について直接共有するとともに、サプライヤーからの質問事項、要望に応える場として活用しています。
また、サプライヤーとより一体となって「責任ある調達」を推進していくため、2023年より日本国内および一部の海外事業所にて、サステナブルな調達に関する人権や環境の方針、および依頼事項についても説明する機会を設けています。
2024年には「購買方針説明会」において日本のお取引先約300社を対象に、近年の国際的なサステナビリティ動向やサステナビリティに関する中長期的な目標、サプライヤーアセスメントプログラムの推進などについて説明を行いました。加えて、モチベーションの向上と感謝の意を込めて、サプライヤーアセスメントプログラムで優れた成果を出したサプライヤーに対し、「感謝状贈呈式」を実施しました。今後も説明会の開催に加えてこのような取り組みを継続し、サプライヤーエンゲージメントを強化していきます。

購買方針説明会の様子

Shiseido Suppliers’ Dayの開催

当社は、高いパフォーマンスを発揮したサプライヤーのトップマネジメントを招待し、資生堂の中期経営戦略、調達活動の方針、およびサプライヤーへの期待事項を共有するために、「Shiseido Suppliers’ Day」を開催しています。
2021年に、グローバルで初めてオンラインで開催しました。このなかで、資生堂におけるサステナビリティの中期目標やアクションや人権・環境・社会の面でのサプライヤーへの期待事項も説明し、理解と協力を依頼しました。今後も定期的な開催を予定しています。

パートナーシップ構築宣言

資生堂は2023年3月に「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。この宣言は、サプライチェーンにおいて発注者である企業が、サプライチェーン全体の連携・共存共栄を目指すことを代表者の名前で宣言するものです。
中小企業庁(日本)が推進しているこの宣言は、サプライヤーとの関係を強化するとともに、直接取引のあるサプライヤーを通じ、その先のサプライヤーにも働きかけることで、サプライチェーン全体で持続可能な成長を果たすことを目的としています。資生堂は、サプライヤーとのパートナーシップを妨げるような取引慣行の防止や商慣習の改善を通じて、サプライヤーとの共存共栄の構築を目指します。

パートナーシップ構築宣言[ PDF : 453KB ]