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サステナブルな製品の開発

資生堂は、100年以上にわたり培ってきた皮ふ科学研究とマテリアルサイエンスの知見を活かし、高い品質と安全性を追求した処方開発を続けています。また、容器包装に関しては、5Rs<Respect(リスペクト)・Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)・Replace(リプレース)>のもと、2025年までに100%サステナブルな容器包装を目指し、製品のライフサイクル全体を通じた環境影響を最小限に抑えていきます。人や社会、地球環境を守り、尊重したいというサステナビリティの考え方が、製品開発に対するイノベーションへのアプローチにも反映されています。

  • プラスチック製容器包装について

処方開発

資生堂は、皮ふ科学やマテリアルサイエンスに関する100年以上にわたる広範な研究結果を活用し、製剤化技術を駆使して安全で高品質な基準を満たす製品・サービスを開発、提供してきました。2019年には、人々の健康と環境に対して真摯に向き合いたいという思いから製品開発に関する会社方針を公表しています。成分については、疑義のある成分(例:マイクロプラスチックビーズ、オキシベンゾン、パラベンなど)を選定し、各成分をさまざまな角度から評価を行い、製品への不使用・使用停止・継続使用を表明しています。

UVケア

気候変動など地球環境の影響により※1、今世紀末にかけて人類が浴びる紫外線量は増加し、さらに特定の地域に住む人々への影響はより顕著になります※2。資生堂は、長年培ってきた皮ふ科学研究の成果をもとに、紫外線をはじめとする環境と肌との関係性について新たな視点で研究を進め、UVケア、エイジングケアなど、健やかな肌を守る革新的な商品やサービスを開発し、提供しています。

  1. ※1 気候変動が大気循環(ハドレー循環)に影響を及ぼし、中緯度地域での紫外線照射量が増加することが、海洋研究開発機構( JAMSTEC)の研究成果により示されている
  2. ※2 最も影響を受けるのは、人口が密集し、経済活動が盛んな北半球中緯度地域

動物実験

資生堂は、動物愛護の理念への理解と尊重を前提に、化粧品に関する法規制を遵守し、安全で効果的な製品をお客さまに提供することを使命としています。

このため、すべての製品について動物実験を行わず、培養細胞などを用いた代替試験法による安全性保証システムを確立しています。各国・地域の法規制に従ってそれぞれの国・地域の行政機関と連携し、製品の安全性を保証するためのより有効な代替試験法の開発を継続しています。

  • 法律で義務付けられている場合を除く

消費者ニーズへの対応

近年の急激な地球環境や社会の変化に伴い、企業のブランドの社会的責任や環境配慮に対する姿勢を重視するお客さまが増えています。資生堂は、サステナビリティに関する全社の製品開発ポリシーを開示し、また、「ベアミネラル」や「Drunk Elephant(ドランクエレファント)」、新ブランド「BAUM(バウム)」といったサステナビリティを重視したブランドを展開することで、お客さまのニーズに対応しています。

2010年に資生堂グループの一員となった「ベアミネラル」は、1995年からナチュラルブランドのパイオニアとしてお客さまにミネラルベースメイクアップを中心とした商品を提供してきました。現在は、クリーンブランドとして、天然成分を使用し、疑義ある成分を含まない(パラベン、フタル酸塩、化学的な日焼け止め、マイクロビーズなどを不使用)商品を展開しています。

また、2019年には資生堂のクリーンブランドのポートフォリオに「DrunkElephant」が加わりました。「Drunk Elephant」は、「Clean」市場において世界をリードする先駆者であり、「Suspicious 6(サスピシャス6)」と呼ばれるブランド独自のフィロソフィーで、ミレニアルやジェネレーションZと呼ばれる若年層から高い支持を得ています。

2020年には、日本で「BAUM」という新ブランドを発売しました。環境変化にしなやかに調和しながら生き続ける“樹木の力”に着目し、日本人が古来より大切にしてきた「自然との共生」という思想に根差した商品を展開しています。

容器包装

資生堂は、社名の由来である「万物資生」の精神に基づき、持続可能な地球環境の保全を前提とした商品やサービスの提供を目指しています。

海洋ゴミ問題の解決やサーキュラーエコノミーの実現に向けて、企業には、採って作って捨てる直線型の経済モデルから、繰り返し資源を有効に使う循環型の経済モデルへの移行が求められています。

5Rs<Respect(リスペクト)・Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)・Replace(リプレース)>のもと、2025年までに100%サステナブルな容器包装1を目指すことを目標として定めました。その実現に向けて、サステナブル容器包装設計ガイドライン社内で発行し、つめかえ・つけかえ容器やリサイクルに適した単一素材容器、再生PET容器など、環境に配慮したさまざまな容器包装を実現しています。

資生堂の5Rs

サーキュラー・エコノミーの考えに賛同し、環境負荷軽減に向けて、資生堂5Rsを以下のように定義しました。

・Respect(リスペクト) : 人、社会、環境を尊重するという考えのもと、100%サステナブルな容器包装を目指します

・Reduce(リデュース) : 容器包装を薄くしたり軽量化することでプラスチック使用量を削減します。プラスチック製プロモーション素材の使用を削減します。

・Reuse(リユース) : つめかえ・つけかえ製品により、本体容器を再利用します。リチャージシステムを整備します。

・Recycle(リサイクル) : 分別しやすい容器設計とし、また各国のリサイクル状況に即した素材を使用することにより、再利用を促進します。単一素材を使用します。(PE、PP、PETなど)

・Replace(リプレース) : バージン・プラスチック素材を、生分解性素材・植物由来素材・再生素材(PCR)などに置き換えます。

  • プラスチック製容器包装について

リデュース/リユース

●つめかえ・つけかえ

1926年に最初のつめかえ可能な粉白粉を発売して以来、資生堂は化粧品業界のつめかえ・つけかえのイノベーションをリードしてきました。環境報告書の発行を開始した1997年には、つめかえ・つけかえ製品はシャンプー・コンディショナーなどわずか数品目を数えるだけでしたが、現在では、全世界で1,200以上の製品につめかえ・つけかえ用のソリューションを提供しています。つめかえ・つけかえ製品を提供し、容器の軽量化と分別化を図ることで、スキンケア、メイクアップ、ヘアケアなど幅広いカテゴリーで容器に使用される資源を削減するとともに、本体容器の再使用を促すことで使い捨てされるプラスチックを減らしていきます。

HAKU メラノフォーカスは、2011年より、つけかえ用の製品を提供しています。つけかえ用製品を使用することで、従来品に比べてプラスチックの使用量を約60%削減しました。

プラスチックと金属などの異素材を組み合わせた製品(例:「SHISEIDO」)では、使用済み容器のリサイクルを容易にするため、簡単に分別できる容器包装の開発に取り組んでいます。

2019年には、新しい循環型のビジネスモデルを開発するためLoopプログラムと提携しました。

容器包装の環境対応は、できる限り簡素な構成とすることだけがソリューションではありません。化粧品の容器包装にとっては、デザイン性や使いやすさも重要な製品価値の一つです。それらとの整合を図りながら、素材や構成、プロセス、ビジネスモデルをサーキュラーエコノミーの視点で捉えなおし、サステナブルな容器包装のイノベーションを起こしていきます。

HAKUの本体とレフィル

HAKUの本体とレフィル

分別しやすいパッケージの提供

リサイクル

2015年以降、シーブリーズ スーパークールボディシャンプーのボトル素材には、使用済み飲料容器から再生されたメカニカルリサイクルPET樹脂を使用しています。メカニカルリサイクルPET樹脂の採用にあたっては、企業によるリサイクルPET樹脂の使用量の増加が社会全体に与える影響やCO₂排出量を、中長期的にシミュレーションしました。その結果、リサイクルPET樹脂のボトルへの利用増加が社会全体のCO₂排出量の減少につながることが明らかとなったため、資生堂は化粧品業界の中でもいち早く、メカニカルリサイクルPETの採用に踏み切りました。

多くのスキンケア製品のガラス容器にはリサイクルガラスカレットが含まれています。リサイクルカレットは、ガラスの原料となる珪砂の使用量を節約できるだけでなく、ガラスの融点を下げる効果を持ち、エネルギー使用量やCO₂排出を削減することができます。また、使用後の化粧品ガラス容器が通常の飲料瓶などと一緒に自治体が回収してリサイクルできるよう、無色透明のソーダガラスの使用を標準化しています。

  • メカニカルリサイクル:飲料用PETボトルから高品質な再生PET樹脂に効率よくリサイクルする技術。バージンPET樹脂と比較してCO₂排出を約75%削減できる

リプレース

2009年以降、化粧水や乳液などのスキンケア製品の外箱の素材をプラスチックから紙に切り替えてきました。2019年には、資生堂の工場が調達した外箱の約87%が紙製となっています。紙の素材についても、森林保全の観点からFSC認証紙※1、再生紙を積極的に使用しています。

2011年からは、国内ヘアケアブランド「スーパーマイルド」の容器にサトウキビ由来ポリエチレン※2を採用しています。サトウキビが成長する過程で大気から吸収したCO₂が容器を構成するポリマーの炭素源となっていることから、最終的に焼却された場合でも、同品容器のライフサイクル全体で70%以上CO₂排出量を削減することができます。また、2019年4月には、海水中での生分解性の高い新素材「カネカ生分解性ポリマーPHBH®」の化粧品容器や用具、什器などへの活用を目的に、株式会社カネカとの共同開発を開始しました。カネカ独自の素材開発技術に資生堂が長年培ってきた化粧品容器開発のノウハウを組み合わせることで、製品の環境負荷のさらなる低減を目指します。

  1. ※1 FSC®認証紙:紙やパルプなど森林資源の調達をサステナブルにするために、Forest Stewardship Council®(森林管理協議会) が定めた規格に基づき、適切に管理された認証林からの木材や、その他責任をもって調達された原材料で作られた紙
  2. ※2 サトウキビ由来ポリエチレン:サトウキビの糖蜜を原料として製造されたプラスチックで、食糧生産と競合せず、製造や廃棄段階でCO₂排出が少ないというメリットがある

製品ライフサイクルアセスメント(LCA)

サステナブルな製品の開発は、環境負荷の軽減の可否や程度をLCA(ライフサイクルアセスメント)により確認しながら進めています。例えば、スキンケア製品である化粧水のCO₂排出の約40%は、容器包装に関わる工程や原料に起因しています。しかしながら、「エリクシール」の化粧水の場合には、つめかえ用製品の使用によって容器に使用される資源の投入量や廃棄物の量が減り、CO₂排出量が50%以上削減されることがLCAによって示されています。このため資生堂は、化粧品の環境負荷を軽減することを目的として、1,200以上のつめかえ・つけかえ用製品を提供しています。

Elixir化粧水容器のCO₂排出量

エリクシール化粧水容器のCO₂排出量