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お客さまの声を反映する仕組みづくり

お客さま対応 行動方針

資生堂ジャパン株式会社 コンシューマーセンターは、中長期経営戦略の実現に向け、お客さまから寄せられたご相談・ご要望などの収集・分析、全社への情報共有を通じて、関連部門に対して商品や美容情報の開発・改良、サービスの改善を提言しています。
2017年1月、資生堂は消費者志向経営に関する理念や取り組み方針を「消費者志向自主宣言」として公表し、消費者志向経営体制をより一層強化しました。コンシューマーセンターにおいても「お客さま対応 行動指針」のもと、日々の活動に取り組み、今後も、生活者や社会の変化を速やかに察知して、企業活動に反映するよう働きかけることにより、「生活者・お客さま起点」による企業価値の向上に寄与します。

資生堂ジャパン株式会社 コンシューマーセンター
「お客さま対応 行動指針」

主な取り組み

資生堂のお客さま窓口は1968年の設立以来半世紀以上にわたり、お客さまからのご意見やお問い合わせに誠実かつ柔軟に対応し、お客さまのお役に立つ情報を発信してきました。窓口の「対応品質向上」にも積極的に取り組み、HDI-Japan※1が定める「クオリティモニタリング格付け」で2013年に電話部門で三つ星を獲得、2016年に化粧品業界初の五つ星認証を取得、さらに2020年にはチャット部門で「問合せ窓口格付け」三つ星を獲得しました。定期的に各種の外部評価も実施し、さらなる「お客さま満足向上」を目指します。

また、日本では窓口でお客さま対応を行うコミュニケーターのほかに、全国の事業所で申し出対応を行うコンシューマーサポートリーダーや各部門の対応担当者を対象に、生活者理解を深めるための社内外の講師によるセミナーや、資生堂研究員による安全性・製品開発への取り組みに関する勉強会を実施し、お客さまからのお申し出対応に必要な知識を習得しています。加えて、工場や研究所などの社内関連施設の見学など、お客さま対応担当者としてのスキル向上を図っています。

お申し出対応担当者を対象とした研修の様子

人財育成を促進する一方、ブランド別フリーダイヤルの追加やチャットでの対応を強化、FAQページの充実を図り、お客さまの利便性を高める取り組みにも注力しています。また、出社ができない非常時においても安定的にお客さま窓口を運営するとともに、対応担当者の働き方を進化させるため、2020年より在宅でのチャット、2021年には在宅コールセンターシステムを導入し、在宅でのお客さま対応を開始しました。
海外からの訪日客や、日本から海外へ旅行した際の購買に対するご要望やご不満は、日本と各地域本社(中国、アジアパシフィック、米州、欧州、トラベルリテール)に配置された、コンシューマーリレーションコーディネーター(以下CRC)※2が連携して円滑に対応しています。

日本と各地域の連携体制イメージ

  1. ※1:HDIとは、1989年に米国に設立されたITサポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体です。米経済誌フォーチュン・世界企業500社番付にランクインする多数の企業が加盟しています。HDI-Japanでは、サポートサービスの向上を目指して、企業のお客さま窓口の評価をする調査や認定を行っています。
  2. ※2:国・地域を超えたお客さまのご要望やご不満に対し、最善の解決方法を調整する役割

お客さまの声の収集・共有・活用

日本では、フリーダイヤルをはじめ、メール、チャット(LINE・ブラウザ)、手紙などでお客さま窓口や事業所に寄せられる年間約10 万件のお申し出や、店頭で活動するパーソナルビューティーパートナーが専用のタブレット端末で投稿した年間約10万件の店頭のお客さまの声など、商品やサービスへの「お客さまの声情報」をさまざまな手法や場面で収集しています。
これらの情報は、独自に情報を管理している一部の関係会社を除き、すべてシステムで管理を行い、メール配信やイントラネットを通じて全社員が共有することで、商品やサービスの価値づくりに活用しています。
また、システムで一元管理することにより、情報が迅速に役員や関連部門に報告できるため、リスク管理の面でも役立っています。

資生堂ジャパン株式会社に寄せられたお申し出内容の内訳
(集計期間:2023年1~12月)

「お客さまの声情報」を収集・活用する仕組み

日本の「お客さまの声情報」を集約・解析するシステム「ミラー※1」を活用し、商品やサービスへ生活者・お客さまの声を反映できるよう、日々の活動に取り組んでいます。
「ミラー」に集約した「お客さまの声情報」はテキストマイニングシステム「VOICE(ボイス)」に連携し、お客さまの声を可視化することで、全社員が目的に応じて容易に分析・活用できる環境を整えています。また、ソーシャルリスニングを通じて、企業には直接届かない生活者・お客さまの声も企業活動に反映しています。さらに、世界のお客さまから寄せられた品質に関するお申し出を集約する品質情報管理システム「GQS※2」とも連携し、グローバルでの品質向上にも努めています。

  • ※1:お客さまの声を通して、そこに映し出された資生堂の活動の実態を見つめ直す・姿を映し出す「鏡=ミラー」という思いが込められています。

「お客さまの声情報」を収集・活用する仕組み

さまざまなお客さまとの接点拡大

多様化するお客さまに合わせ、X(旧Twitter)、Yahoo!知恵袋の公式アカウントを開設し、チャット(LINE・ブラウザ)の導入など、幅広いお客さまとのコミュニケーションを強化しています。
当社ウェブサイトの「お客さまサポート」では、チャットを活用し、パーソナルなご相談にお応えするコミュニケーター(有人)対応と、24時間いつでも簡単なご質問に回答するチャットボット(AIみみちゃん)を連携し、お客さまに迅速に対応を行っています。Xでは、お問い合わせ対応やお褒めに対するお礼、お困りの方へのサポートなどに取り組んでいます。また、FAQページでは化粧品の輸送におけるアルコール濃度や引火点に関するご質問などにチャットボットで回答するなど、さまざまなチャネルを通して、お客さまの満足度の向上を目指しています。

お客さま・生活者起点を学ぶ社員への研修

お客さまの気持ちや背景を深く知って商品・サービスを向上させ、お客さまから信頼いただける企業になるべく、社員への研修にも力を入れています。
日常的に、イントラネットや社内のデジタルサイネージ、社内SNS、メールなどを通じてお客さまの声情報の配信や、お客さまの声を直接確認のできるアーカイブを展開し、社員全員がお客さまの声に触れる機会を創出することで、お客さまに対する意識の向上を図っています。

さらに、新入社員・キャリア採用社員研修でのマインドセットをはじめお客さま対応やものづくりに関わる部門に対しても、それぞれの部門に合わせたお客さまの声を共有し、個々の意識・行動を振り返る「お客さまの声セミナー」を実施するなど、社員一人ひとりの日々の業務に「生活者・お客さま起点」の気づきを促し、すべての企業活動にこの着想を根付かせる活動を行っています。

新入社員研修

お客さまの声を反映した商品事例

マキアージュ ドラマティックスキンセンサーベース NEO
限定品から定番化(2024年)

肌の赤み補正効果を求めるお客さまからの「定番化してほしい」という声に応え、限定品だった「ドラマティックスキンセンサーベースNEO」ミントカラーを定番化いたしました。

エリクシール レチノパワー リンクルクリーム
開封方法のわかりやすさを追求した表示に刷新(2023年)

「チューブ容器の開封方法がわかりにくいため手間取る」というお客さまの声を反映し、パッケージ裏面の開封方法の表示をよりわかりやすく刷新し、お客さまが商品を手に取った瞬間からスムーズにご使用いただけるようにしました。

ベネフィーク リュクス リブルームナイトクリーム
機能性とデザイン性を高次元で両立したスパチュラ自立格納容器を開発(2022年)

「スパチュラ(クリームなどを容器からすくい取るへら状のもの)を清潔に保管したい、置き場に困る、なくしてしまう」というお客さまの声を反映し、使ったスパチュラをそのまま容器に入れて、キャップを閉めることができる新容器を採用しました。

エリクシール エステティックエッセンス AD
美容液を塗布しながら顔のマッサージができるオリジナルのチューブ容器を採用(2022年)

「マッサージローラー部分を繰り返し使えないか」とのご要望が寄せられたことを受け、「つけかえ用」を配置。お客さまの継続購買のハードルを下げるとともに、環境負荷を軽減しました。

エリクシール リフトモイスト ローション SP・
リフトモイスト エマルジョン SP
持ちやすく、使い終わりまで安定感のある容器形状に改良(2022年)

リニューアル前は「中味が少なくなると倒れやすい」という声が一部の方から寄せられていました。リニューアル後は、お客さまの生活シーンになじむ、シンプルで美しい容器のデザインを追求しながら、容器を丸みのある四角に変更することでつかみやすくしたり、キャップを軽量化することで使い終わりまで倒れにくくしました。

ベネフィーク リセットクリア N
ディスペンサーを採用(2021年)

毎回正しい使用量を簡単に出せるよう、リニューアルに合わせてディスペンサーを採用し、レフィルも配置しました。