「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」。これは資生堂の存在意義であり、「美」によって人の心を豊かにし、生きる喜びやしあわせをもたらすことを通じて、美しく健やかな社会と地球の持続に貢献することを示した企業使命です。この理念の実現には、社員が健康で豊かでしあわせな生活を送り、その健やかな美を体現していなければなりません。そして、その社員を支える基盤として、安心・安全に働く環境が必要です。これをかなえるため、資生堂は資生堂健康保険組合と協力し、社員が健やかに美しく生活することへのサポートを明確にするために「資生堂健康宣言」を策定しています。そして、2022年には資生堂グループで働く人にとって安心・安全な職場環境を実現する「労働安全衛生マネジメントシステム体制」を構築しました。さらにすべての職場において休業災害ゼロを目指す「資生堂ビジョン・ゼロ宣言(安全宣言)」を策定しました。私たちは、今後もこれらの宣言に基づく活動を進化させ、労働安全リスクを最小限とすることはもちろん、健康投資を行うことで、社員がより健やかになり、結果として社会へ還元する、このような好循環を目指します。お客さまに美を提供する資生堂。100年先も輝きつづけ、世界中の多様な人たちから信頼される企業になるべく、健康経営および安全衛生施策に全力で取り組んでまいります。
資生堂は、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」を目指します。そのために、美と健康を活力の根源と捉え、社員やその家族がみずから美しく健やかに生活するための取り組みを推進します。
一人ひとりが美を提供する企業の一員として、心身ともに健やかに働くために自覚と知識を持ち、
積極的に行動します。
美しい生活習慣や健康について、お互いに語りあい高めあえるよう努めます。
資生堂はより安全で快適な職場環境の形成に努めるとともに、資生堂健康保険組合と協働し、社員や家族の取り組みを積極的にサポートしていきます。
推進にあたっては、代表執行役 会長 CEOが健康管理責任者となり、直属の人財本部ウェルネスサポートグループと資生堂健康保険組合が協働して各事業所(国内資生堂グループ)をサポートし、社員の健康保持・増進活動を積極的にけん引します。また、健康管理責任者より各役員・部門長・責任者へ働きかけ、社員の自主的な健康への取り組みを支援します。
社員が健やかで安心・安全に過ごせるような願いを込めて2023年に双子のマスコットキャラクターをつくりました。
それぞれ椿の花びらとハートをモチーフにしています。
社員の健康に対する取り組み状況を、KPIを設定して評価しています。分析した社員の健康データは、国内資生堂グループの健康施策実施に役立てています。
| 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|
対象者 | 1,382人 | 1,574人 | 1,416人 |
終了者 | 700人 | 837人 | 803人 |
終了率 | 51.4% | 53.2% | 56.7% |
終了率全国平均 | 27.4% | 26.9% | 31.2% |
【参加社員の声】
「短時間で多くを教えていただきありがたい」
「思ったよりも悪いところがあり、色々と考えさせられました」
【参加社員の声】
「健康と美はつながることを再度認識しました! なりたい姿の大切さを実感しました」
「一人だとあきらめてしまうが、みんなで取り組むことで最後までチャレンジすることができました」
資生堂は、経済産業省と日本健康会議が推進する「健康経営優良法人2024大規模法人部門(ホワイト500)※1」に資生堂グループ国内関係会社21社とともに認定されました。
近年、ウェルネスやウェルビーイングが注目され健康経営※2を目指す企業が増えています。
今回、健康経営度調査の参加企業数が3,523社と過去最多(昨年比10%増)のなか、資生堂グループは大規模法人部門で上位約10%に入り、ホワイト500の認定を受けることができました(今年で通算4回目)。
今後もさらなる高みを目指して、社員の健康と安全を保持・改善するための取り組みを行っていきます。
認定法人名 | 左記法人とともに認定された法人名 |
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株式会社資生堂 | 株式会社ジャパンリテールイノベーション |
KODOMOLOGY株式会社 | |
株式会社ピエール ファーブル ジャポン | |
資生堂アステック株式会社 | |
株式会社イプサ | |
株式会社エテュセ | |
株式会社エトバス | |
株式会社エフェクティム | |
株式会社ザ・ギンザ | |
株式会社資生堂パーラー | |
花椿ファクトリー株式会社 | |
資生堂インタラクティブビューティー株式会社 | |
資生堂ジャパン株式会社 | |
学校法人資生堂学園 資生堂美容技術専門学校 | |
資生堂企業年金基金 | |
資生堂健康保険組合 | |
公益財団法人 資生堂子ども財団 | |
資生堂美容室株式会社 | |
資生堂薬品株式会社 | |
資生堂労働組合 | |
資生堂クリエイティブ株式会社 |
国内資生堂グループでは社員の健康・安全を第一に考え、新型コロナウイルスへの感染予防・感染拡大予防を実現すると同時に、社員・組織のパフォーマンスや生産性を向上させる新たな働き方(資生堂ハイブリッドワークスタイル)を導入しました。コロナ禍で得た新しいノウハウを発展させ、今後も社員の健康管理に取り入れていきます。
社員への情報発信
リモート勤務を選択している社員へアンケート調査を行い、現状やニーズを把握しました。アンケート結果を踏まえ、食事や運動に関するコラムや動画、産業医やカウンセラーのコラム、リモート勤務中の過ごし方のポイントについて情報を発信しています。
ランチタイムセッション(LIVE配信)
社員のストレス軽減やコミュニケーションを目的として、腰痛、女性の健康、飲酒対策など様々な情報をLIVE配信しています。
オンライン面談の実施
リモート勤務を選択している社員に対する面談や、新型コロナウイルスへの感染予防策の一環で、ビデオ通話を用いた面談を実施しています。リモート勤務中でも産業保健スタッフとのコミュニケーションが取りやすくなり、迅速な対応が可能となりました。
健康管理室の感染対策
出社した社員が、健康管理室を来室した際の新型コロナウイルス感染対策徹底のため、消毒用アルコール設置、面談スペースへのアクリル板・パーテーション設置などを行い、感染予防・感染拡大予防に努めています。
新型コロナワクチン職域接種
2021年8月より、国内資生堂グループの各拠点にて、社員および社員の家族などを対象に新型コロナウイルスワクチン職域接種を実施。約1万名の方々に2回接種を完了することができました。また、2022年は4月より、3回目接種を実施しました。
資生堂は、資生堂グループで働く人※1が成果を出すことで社会へイノベーションを発揮する、その大切な経営理念であるPEOPLE FIRSTを追求します。そのために、資生堂グループで働く人が安心・安全に働くことのできる環境を整備し、すべての職場における休業災害※2ゼロを実現することをビジョンとして掲げます。
この指針は、国内外の資生堂グループに従事する役員・社員(派遣社員・協力会社社員含む)へ適用します。
<予防対策>
リスクアセスメント等※3の徹底や、労働災害データの分析をもとに、それぞれのビジネス領域の課題を特定し、改善策を立案・実施することで、誰もが健康で安全に働ける職場づくりを実践します。
<継続的教育・ルール順守>
自身の安全と周囲の人々の安全に責任を持ち、安全衛生に関する教育を定期的に受け、それを実践するとともに、決められたルールに従い行動します。
<改善活動>
資生堂グループ内で発生した、労働災害事例、並びにその改善策を、労働安全衛生マネジメントシステム委員会において、トップマネジメントおよび各ビジネス領域の安全衛生担当者、現場社員で共有・協議し、安全対策を積極的に実践します。
この行動指針は、「米国国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health)」の労働衛生のヒエラルキーコントロールを参照し作成しています
推進にあたっては、人事担当役員が安全衛生管理責任者となり、国内外のビジネス領域を管轄し、資生堂グループで働く人の健康・安全保持および増進を積極的にけん引します。また、労働安全衛生における重要なコミットメントについては、取締役会の管理監督を受けています。安全衛生管理責任者より各役員・部門長・責任者へ働きかけ、資生堂グループで働く人の自主的な健康・安全への取り組みをサポートします。
資生堂グループの国内拠点では、法令に従い衛生委員会および安全衛生委員会を設置し、調査審議を通じて安全で快適な職場環境づくりに努めています。研究所・工場では、労働安全衛生方針を定めるとともに安全衛生委員会を設置し、危険箇所や危険行為の改善・改良を行っており、国内工場では、休業災害ゼロを目標とし、重大事故の発生防止に努めています。
資生堂グループはグローバルでトップレベルの安全を推進する企業になることを目指します。そのKPIとして2030年までに休業度数率※4「0.1以下」達成を目標値として設定しました。安全衛生のリスクに対処するために、定量的な目標を伴うアクションプランと優先順位を組み入れています。安心・安全に働くことができる環境を整備し、すべての資生堂グループで働く人がいきいきと働くことは、事業リスクやコストの低減、収益拡大につながります。現在は、国内全産業および、化学工業・製造業と比較し、資生堂グループで働く人の安全を十分に確保できていますが、さらなる充実を図るため、さまざまな施策を実施していきます。
<2023年目標>
▼国内資生堂グループと国内全産業・化学工業・製造業界の休業度数率の比較
資生堂グループは労働災害データの分析をもとに課題を特定し、定量的な目標を伴うアクションプランと優先順位を策定しています。
資生堂グループの2022年の国内社員・派遣社員の労働災害発生件数は111件でした。そのうち、休業を伴う災害は26件であり、派遣社員が被災したケースは2件でした。
全111件の労働災害のうち、転倒・転落の事故は42件発生し、そのうち階段での事故が18件と多く発生していることをふまえ、「階段昇降時は手すりを持つ」ことを全社の共通ルールとしています。さらに転倒・転落での災害発生件数のうち、76%がパーソナルビューティーパートナーや、美容室勤務などの店頭で勤務し、発生する事業場の特徴も明確であるため、よりよい職場環境のためにはテナント側との日々の連携が重要です。まずは本社部門において効果的な取り組みを見極め、関係会社へも展開していく必要があります。
また、資生堂グループで働く人が日常的に安全に働く意識を高めていくことが、安全施策を効果的に導入するために必要な課題ととらえています。今後の適切な施策・行動を明確にするため、資生堂グループで働く人の安全認知度を図る指標として「安全文化診断」を安全衛生教育に取り入れていく予定です。
2030年までの安全衛生に関する目標を達成するには、各拠点のガバナンスに委ねるのではなく、全社共通の安全教育の実施や、ビジネス領域を超えた情報共有を通し、未来の事故を予防する必要があります。さらに、特に労働災害の多い50~60代への安全教育の強化、今後より規制が強まる安全衛生法規制への対応が必須であり、加えて、重篤な労働災害に伴う操業停止のリスクや、社会からの信頼を損なうリスクを低減する必要があります。
上記課題を考慮したうえで目標達成に向けて、2022年度より「労働安全衛生マネジメントシステム体制」を構築し、経営層が関与すべき取り組みとして位置付け、安心・安全に働く環境を守る活動を実践しています。国内資生堂グループの取り組みとしては、毎月の労働災害の発生状況や発生の要因、対策を分析し、四半期ごとに開催する労働安全衛生マネジメントシステム委員会において、安全衛生管理責任者に報告・共有しています。
7回目の開催となる2023年4月の委員会では、トップマネジメント・各ビジネス領域の安全衛生担当者が集い、掛川工場でキックオフイベントを開催しました。参加メンバーは、掛川工場で実際に労災が発生した場所を確認し、担当者から発生原因や事故後の対策について説明を受けることで、社内でも多く発生している「階段での事故について考える機会となりました。また、安全体感研修や同日に実施した労働安全衛生マネジメントシステム委員会では、労働組合も参加し、国内資生堂グループの健康と安全について意見交換しました。
今後も定期的に実際の現場を安全衛生担当者が直接確認する機会を設け、現場担当者の意見を聞き、資生堂グループで働く人が安心して働ける環境づくりを推進します。
さらに、安全衛生活動を通じた企業内における「安全文化」の醸成、過去に発生した労働災害結果および人間の行動特性を分析し、未来の事故を予防するための自衛策や、発生しやすい場所や条件などを網羅した安全教育トレーニングの実施も継続的に行っています。今後は業務災害のみならず、資生堂グループで働く人を守るため、通勤災害の削減も推進します。
各ビジネス領域における今後の取り組み内容は以下の通りです。
工場・物流センター
工場・物流センターでは、国内外共通の労働安全衛生基準を定めるGSMS(グローバル・セーフティー・マネジメント・システム)の展開を進めています。工場・物流センターでは、過去の労働災害の検証を含め、さまざまな教育訓練を実施していますが、掛川工場では、生産エリアの従事者全員(間接雇用や障がいのある社員を含む)を対象に、安全体感研修として、「危険を危険と感じる」訓練を行いました。2023年度からGSMSの運用を開始し、併せて2024年度末までに世界各国・各地域の生産拠点において、ISO 45001の認証を取得することを計画しています。(2023年4月時点で取得済みの自社工場:上海工場・北京工場・新竹工場・掛川工場・ジアン工場・バル・ド・ロワール工場)ISO 45001取得工場では、起こり得る緊急事態への準備および対応のために必要なプロセスを確立し、実施しています。また、そのプロセスの維持管理、継続的改善のため計画的な教育訓練、定期的な内部監査と評価を行っています。
研究所
研究所では、国内外の拠点ごとに安全衛生についての管理責任者を設定し、国内外で発生した労働災害やヒヤリハット(危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のこと)についての情報共有を行っています。また国内の研究所では保有する化学物質を独自のITシステムで管理しており、増加する化学物質に対するリスクアセスメントを厳格かつ効率的に実施することで遵法対応を実現し、将来にわたって研究員の健康と安全を守ることを目指します。
店頭・営業&オフィス
店頭・営業およびオフィスでは、毎月の安全衛生委員会を基軸とした労災事故の予防活動を推進しています。事故の発生状況や原因を分析し、その情報をエリア間で共有しています。ヒヤリハットの情報も継続的に収集して危険の予測に努め、多角的な視点で対策の検討を行い、わかりやすい表現で現場へフィードバックすることに努めています。近年はとくに、店頭などでの転倒事故の再発防止に力を入れ、安心・安全な職場環境づくりを一歩一歩進めています。
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