資生堂企業理念を実現するため、私たちは「LOVE THE DIFFERENCES(違いを愛そう)」をスローガンに掲げ、性別や年齢、国籍といった属性や考え方の違いに関わらず、個々人の違いをお互いに認め尊重し合っています。職場でのダイバーシティ&インクルージョンを推進することで、新しい価値を創造します。
ジェンダー平等は、社員の活力を高め資生堂の成果を上げ続けるための経営戦略です。重要なステークホルダーである社員が自社への信頼を高めるために、女性の活躍を支援しています。
日本国内では、15年以上前から全社員の意識と行動の変革を促し、女性社員の人材育成を強化してきました。まずは社員が仕事と育児を両立できるよう、事業所内保育所や保育料の補助を開始し、有給が認められる子どもの看護休暇制度などを整備しました。同時に、女性活躍の壁である長時間労働を是正する目的で、全社で社員のワーク・ライフ・バランスの実現へ向けた働き方の見直しを進めました。2020年からは新しい生活様式に合わせた多様な働き方「資生堂ハイブリッドワークスタイル」を掲げ、業務の目的に合わせてリモートワークとオフィスワークを柔軟に組み合わせ、最大の効果を上げていく働き方を推奨しています。
日本国内の資生堂グループでは2020年に1,370名の社員が育児休業を取得し(うち男性67名)、職場復帰後の定着率は94.1%です。出産後に復職する社員に対して、育児と仕事の両立への不安を軽減するためのウェルカムバックセミナーを実施しました(26名参加)。2020年からは女性役員と女性社員が直接対話するメンタリングプログラム「Speak Jam」を開始しました(38名参加)。
事業所内保育所は現在、カンガルーム汐留(東京都港区)とカンガルーム掛川(静岡県掛川市)の2カ所あります。これらの保育所は資生堂社員だけではなく近隣企業や近隣住民の方へも定員枠の一部を開放しています。2017年には、資生堂グループに事業所内保育所の運営とそのコンサルティングを担う「KODOMOLOGY株式会社」を設立しました。自社の女性社員の活躍支援で培った実績をいかして、育児期の社員が活躍できる社会の実現に貢献していきます。
日本国内では女性リーダーを育成するために、管理職候補となる社員に対し「一人別人材育成」として、高いレベルの業務課題を与えてスキルを高め、マネジメントの経験を積ませています。また、将来を担う優秀な女性社員を支援する女性リーダー育成塾「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」を2017年から開催しています。この育成塾は、幹部候補の女性社員がマネジメントや経営のスキルを学びながら、自分らしいリーダーシップスタイルを見つけるプログラムです。リーダーシップを発揮する際に陥りやすい壁に対処する方法を学び、女性リーダーによる講演や社員同士のネットワーキング、コーチング等などを組み合わせています。こうした包括的なリーダーシップ育成により、受講者は経営にとって女性の活躍が欠かせないことを学び、自信を深め、さらなるリーダーシップを発揮する支援となっています。2020年はこのプログラムを管理職候補の女性社員24名が受講しました。
女性リーダー育成塾
「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」
欧州地域では、2017年から女性社員をエンパワーメントするプログラム「SHEseido」を実施しています。2019年は欧州地域8事業所の才能ある女性社員20名が欧州地域本社(フランス)に集い、リーダーシップやキャリア育成について相互に意見交換するなど、各自のネットワーク強化に努めました。
女性リーダー育成により、日本国内の資生堂グループの女性管理職比率は34.7%(2021年1月時点)、取締役会での女性比率は46.2%(2021年3月時点)となりました。海外地域事業所(中国、アジアパシフィック、米州、欧州、トラベルリテール)での女性管理職比率は既に60%を超えています。今後は、日本国内を含む6つのリージョンすべてにおいて、女性管理職比率を機会均等の象徴である50%に高めていきます。
多様な社員がその能力を発揮し、それぞれが主体的にキャリア構築しながら活躍するための風土醸成を強化しています。
性自認や性的指向による差別やハラスメントをなくし、社員がありのままの姿で職務にあたれるよう環境の整備や啓発に取り組んでいます。
日本国内では、2017年から社員の同性パートナーを異性の配偶者と同じように福利厚生等の処遇を受けられるように就業規則で定めています。人事部による社員向けのLGBTの理解促進も行っています。同年には企業のLGBT支援を評価する「Work with PRIDE」にて最高のゴールド認定を受けました。2020年には婚姻の平等(同性婚の法制化)キャンペーン「Business for Marriage Equality」に資生堂も賛同しました。
日本最大のLGBT支援イベント「Tokyo Rainbow Pride」へ当社が出展した際は、社員有志がLGBT当事者へメイクアップのアドバイスやサンプリングを行いました。また、性別適合手術をされた方へのメイクアップアドバイスも継続して取り組んでいます。オンラインでも、自治体や他企業と連携し、多様性支援活動を推進しています。店頭に立つ美容職8千名はLGBT応対研修を受講し、すべての人を受け入れ支える応対にいかしています。
誰もがいきいきと働くことができる職場づくりとして、私たちは障がいのある方の雇用に積極的に取り組んでいます日本国内の資生堂グループでは約350名の障がいのある社員が、さまざまな部門・職種で活躍しています。株式会社資生堂の障がい者雇用率は3.3%、日本国内の資生堂グループの障がい者雇用率は2.4%です(2021年6月時点)。特例子会社の花椿ファクトリー株式会社は東京・大阪・掛川の4カ所に拠点を持ち、主に知的障がいのある約50名の社員が働いています。
私たちは障がいのある社員に対して、職場の貴重な人材として成長を期待しており、以下の3つを約束しています。
1.「本気で期待する」:障がいの有無に関わらず、社員一人ひとりを貴重な人材として成長を支援していきます。
2.「必要な配慮はするが特別扱いはしない」:本人の成長を促すための大切な考え方だと認識しています。
3.「一生懸命働きたい情熱のある社員を積極的に応援する」:新入社員研修、各種eラーニング、OJT等を通じて人材育成を行っており、一人ひとりの成長を支援しています。
これら3つの約束を実現するために、採用の際は障がいを考慮した選考プロセスや障がいのある方専用のインターンシップを実施しています。営業やマーケティングといったさまざまな職務への配属も推進しています。障がいの状況に応じて、支援機器やオフィス設備の整備に取り組んでいます※。内定後には障がいへの必要な配慮のために人事部が配属先の部門と事前に打ち合わせ、入社後にはフォロー面談(本人と人事部、人事部と直属上司)を行っています。また、日ごろから障がいへの理解を促す研修を管理職に向けて実施し、今後も組織に多様性をもたらす人材の積極的な採用と活躍の推進に努めています。詳細は「障がい者採用」をご覧ください。
また、2021年に「インクルーシブ社会」の実現を目指す国際イニシアティブ「The Valuable 500」の考えや活動に賛同し、加盟しました。「The Valuable 500」は、障がい者がビジネス、社会、経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるような改革を、ビジネスリーダーが起こすことを目的とした取り組みです。今後も、障がい者の雇用や障がいのあるお客さまへのサービス提供など、本業であるビューティービジネスを通じて、障がい者インクルージョンへの取り組みをさらに進めていきます。
資生堂は、海外地域事業所だけでなく、日本国内においても多様な国籍・文化的背景を持つ人材を積極的に採用しています。人材の多様化を価値創造につなげるため、2018年より日本国内においても英語公用語化を推進しており、さまざまなバックグランドを持つ方がさまざまな部門で活躍しています。なお、本社における外国籍の方を採用する際は、在留資格など入国管理制度を遵守し、入社後は就業規則を遵守し、適切に処遇しています。
東京証券取引所は、「コーポレートガバナンス・コード」において、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を公表しており、その中で、上場会社は、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の多様性の確保に向けた考え方と測定可能な目標およびその状況を開示すべきとしています。
資生堂は、女性・外国人・中途採用者も含めて、個々の属性や考え方の違いに関わらず、個々人の違いをお互いに尊重し合い、「個の力を強くする」、「人の力を最大化する」ことで組織力を強化し、「強い会社」をつくること推進しています。それによって、中核人材も多様性が確保されるものと考えています。
女性・外国人・中途採用者の状況は、「社会データ」をご覧ください。また、女性活躍支援に関する測定可能な目標については上記のとおりです。外国人や中途採用者の中核人材登用については、㈱資生堂での2021年1月時点の管理職のうち外国人は約5%、中途採用者は約26%となっており、その他のバックグラウンドを持つ社員との差があると考えておらず、特段の目標設定は行っていません。
資生堂のベテラン社員が意欲と能力のあるかぎり働き続けられるよう、2006年より60歳で定年を迎えた後の再雇用制度を導入しています。2021年には、担う役割と処遇体系を強化した「ELパートナーズAdvanced制度」として改訂しました。人生100年時代の到来を見据えて、定年後も引き続き自己成長と会社への貢献に高い意欲を持つ社員が、年齢に関わらず積極的に活躍できるよう制度を転換しました。
日本国内の資生堂グループでは、労働関連法規に則り、有期契約社員を雇用し、法令で定められた各種の社会保険や休暇についても、就業規則や各種規程に則り、適切に処遇しています。法令に則り、2018年からは、契約期間が通算5年を超える有期契約社員から申し込みがあった場合には無期契約への転換を進めています。
国内資生堂グループでは、労働者派遣法に基づく派遣社員が就労しています。資生堂グループでの派遣社員の就労にあたっては、労働者派遣法や派遣先の講ずべき措置に関する指針、その他の法令に基づき、派遣会社との契約書の締結や台帳の作成・管理、管理責任者の設置などを行っています。今後も、法令の改正や解釈の変更に対して適切に対応していきます。
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