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感覚・心理

私たちは、お客さまに心地よく化粧品を使っていただくために、化粧品の「感触」を大切にしています。そのため優れた機能と心地よく使える感触の両立をめざし、製剤化技術の研究を深めてきました。 そして現在、「お客さまの感じる心地よさ」を高めるために、感性研究を通じて科学的にアプローチしています。例えば、世界中のお客さまの嗜好性を理解するために、触覚センサなどの感性機器や評価法の開発を行っています。さらに脳科学や心理学によって解明した、お客さまに満足していただける感触、香り、見た目などをマテリアルサイエンス研究へ活かすことで、化粧品の心地よさを追求しています。

「感触」に関する研究

高精度な触感評価を可能とする2種類のデバイスを独自に開発

2種類の触感評価デバイス「振動摩擦センサー」、「接触力センサー」を開発しました。お客さまが肌状態を確認する手の動作に着目し、さらに高精度に触感を数値化できるため、お客さまが手で感じている触感を客観的に数値で把握できます。

  • 接触力:物体と物体が接触することで生じる力。

独自開発した振動摩擦センサー

「脳科学」に関する研究

肌に触れることの意義を脳科学研究で解明

脳活動を測定するfMRIを活用し、自分の肌に触れることで安心感を得やすい状態が導かれること、他者から心地よく触れられることで皮膚感覚の入力が促されることがわかりました。

  1. functional Magnetic Resonance Imaging 機能的磁気共鳴画像法

脳血流反応測定を用いた使用感の評価法を開発

脳血流反応を測定する技術fNIRSを活用し、リアルタイムの測定を通じてお客さまが好む最適な使用感を客観的に評価する新たな手法を開発しました。

  • fNIRS=functional Near-Infrared Spectroscopy(機能的近赤外分光法) : 近赤外線光を生体に照射し、透過してきた光を解析することで、脳活動に連動した脳血流変化に伴う血中のヘモグロビン濃度の変化を脳活動としてとらえる方法。お客さまが自ら化粧品を塗布している最中の脳血流反応をリアルタイムで測定することが可能となる。

商品の価値づけには右背外側前頭前野(DLPFC)が関連している。

化粧品に対する気持ちの変化を脳科学で解明

脳科学研究により、愛用している化粧品に対する脳活動と、家族や恋人などの大切なパートナーに対する脳活動との間に共通性を見出しました。

  • 首都大学東京との共同研究

fMRI画像 水色部分:使い始めたばかりの化粧品に対する脳活動例

「香り・匂い」に関する研究

緊張によるストレスで皮膚から特徴的なニオイが発生することを発見

資生堂は、皮膚表面から放出される気体(皮膚ガス)に着目し、緊張による心理的ストレスが加わることで特徴的なニオイが皮膚ガスとして放出される現象を発見し、その成分として2化合物を特定しました。

GC/MS-ODP分析の様子