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グローバルにおける女子教育と経済的自立支援

資生堂では、ブランドおよび海外地域本社が連携して、世界のジェンダーギャップ解消、女性のエンパワーメントを目的に社会的に厳しい状況にある少女たちへの教育支援・自立支援を行っています。

クレ・ド・ポー ボーテ 女子教育支援の取り組み

2023年4月にグローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」とユニセフ(国連児童基金)※1は、STEM教育※2や雇用、エンパワーメントプログラムを通じ、ジェンダーギャップ解消に取り組むためのパートナーシップを3年間延長すると発表しました。
このパートナーシップでは、2025年までにバングラデシュ、インドネシア、キルギス、中国、カザフスタン、ラオス、ペルー、ベトナムなどの国々で、570万人の少女たちを支援することを目指しています。パートナーシップの更新初年度である2023年には、300万人以上の少女たちへの支援を達成しました。

クレ・ド・ポー ボーテとユニセフの代表が、2024年3月にこのパートナーシップの主な支援地域の1つであるバングラデシュを訪れました。バングラデシュでは、ジェンダーに配慮したスキルベースのカリキュラムと教科書を導入した学校や、学校に通えない少女たちを支援するSkills4Girlsプログラムを通して技能訓練を提供する職場を視察してきました。
Skills4Girlsプログラム参加者からは 「私は子どもの頃からコンピュータースキルを学びたいと思っていましたが、経済的な理由で教育を中断せざるをえませんでした。しかし、Skills4Girlsプログラムのコンピュータートレーニングコースのおかげで、多様なスキルを身につけることができ、今ではトレーナーとして働いています。私は女性が才能を発揮できないという思い込みを打ち砕きました。今やどんな制限にも縛られることはありません」との声が寄せられました。

クレ・ド・ポー ボーテはパートナーシップを発表した2019年以来、ユニセフのジェンダー平等プログラムに対し、民間企業として世界最大規模となる累計1,740万米ドルの寄付を表明しました。この寄付は同ブランドの「CRM(Cause Related Marketing)※3 キャンペーン」を通じて行われ、ブランドを代表する美容液「ル・セラム」を購入するごとに、3米ドルが世界各地のユニセフのパートナーシッププログラムを支援するために寄付されます。

  1. ※1:ユニセフは特定の企業やブランド、商品、またはサービスを推奨するものではありません
  2. ※2:STEM= 科 学(Science)、技 術(Technology)、工 学(Engineering)・数学(Math)の教育分野を総称した名称
  3. ※3:「ル・セラム」を購入することで、少女たちの教育とエンパワーメントを促進するユニセフの活動へ寄付するCRM(Cause Related Marketing)キャンペーン。
    2023年1月1日から12月31日まで実施

UNLOCK THE POWER GIRLS

同じく2019年にグローバルチャリティープログラム「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」を設立し、少女たちの社会的地位向上とエンパワーメントを推進するために女子教育に貢献した女性を毎年表彰しています。第6回目となる2024年のアワードでは、STEM教育におけるジェンダーギャップ解消を目指すレシュマ・サウジャニさん(米国・ニューヨーク在住)を選出しました。サウジャニさんは、テクノロジー分野におけるジェンダーギャップの是正に取り組む国際的なNPO(非営利団体)「Girls Who Code」の設立を通じ、コンピューター・サイエンスにおける女性の地位向上に尽力してきました。

「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」の寄付金※4はブランドを代表する美容液である「ル・セラム」のグローバル売上から拠出されます。今後もクレ・ド・ポー ボーテは、社会にポジティブな影響をもたらす女性、そして外見だけでなく内面的な美しさや強さを目指す女性たちを応援していきます。

  1. ※4:「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」の寄付金は、受賞者が選定する女性の教育推進のために活動する慈善団体へ寄付されます

「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」2024年受賞者、レシュマ・サウジャニさん

トラベルリテール地域本社 経済的に厳しい環境にいるカンボジアの女性の就労支援の取り組み

トラベルリテール地域本社では、2020年より「Friends-International」とパートナーシップを結び“Empower Her”プロジェクトの支援を行ってきました。このプロジェクトでは、教育とエンパワーメントを通じて貧困の連鎖を断ち切ることを目的に、カンボジアの経済的に厳しい環境にいる女性を対象とした美容訓練プログラムを提供し、美容業界への就労を支援してきました。資生堂は、寄付金や製品提供のほか、美容訓練のカリキュラム構築に関与するなど積極的な支援を行っています。2023年は108名の女性がトレーニングを受け、57名が就労の機会を得ました。
また、2022年には「Un Village Sous Les Etoiles (UVSLE)」ともパートナーシップを結び、活動の範囲を広げています。UVSLEを通じて、4才から18才までのネパールの弱い立場にある少女たちに、安全な環境で住居、医療、教育、職業訓練を提供する「Opportunity Village」の建設や、マイクロビジネスの立ち上げなどのキャリア支援をしています。2023年までに、109名の女性がトレーニングを受け、10名がマイクロビジネスを立ち上げ、「Opportunity Village」の住居に33名が住む機会を得ました。

美容トレーニングの様子

親と離れて施設や里親のもとで暮らす子どもたちの自立・進学支援

公益財団法人 資生堂子ども財団※1は、「すべての子どもが笑顔にあふれ、自分らしく輝く社会」の実現を目指し、社会に巣立つ子どもたちの未来を後押しする「⼦どもへの⽀援」、子どもたちを育む人の学ぶ機会を創る「子どもを育む職員への支援」、子どもたちをみんなで支える社会をつくる「広く一般の方々に向けての情報発信・共有」の活動に取り組んでいます。
なかでも、「⼦どもへの⽀援」として、資生堂ジャパン株式会社、株式会社AOKI、株式会社リクルートなどの企業・団体と協働し、社会的養護※2のもとで暮らす中学・高校生を対象として自立生活に必要な社会的知識を専門家から学ぶ「自立支援セミナー」を開催しています。2023年度※3に開催した自立支援セミナーには、350名以上の子どもたちが参加しました。また、大学・短大・専門学校への進学支援として2007年に開始した奨学金事業では、2024年3月末時点で16名の奨学生が在籍し、通算では88名の奨学生を支援してきました。
その他にも、「子どもを育む職員への支援」として児童福祉施設職員向けの研修の開催や、「広く一般の方々に向けての情報発信・共有」として日本各地の児童虐待防止啓発イベントや子育て家庭向けセミナーへの助成なども行っています。

身だしなみ講座の様子

2022年法人名称変更を機に刷新した
ロゴマーク

  1. ※1:2022年、設立50周年を機に、法人名称を資生堂社会福祉事業財団から資生堂子ども財団に変更
  2. ※2:「社会的養護」とはさまざまな理由で親と暮らせない子どもたちを、公的責任で保護し、社会的に養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うこと。日本では約4万2,000人の子どもたちが社会的に養護されている
  3. ※3:2023年度とは、2023年4月~2024年3月を指す