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美の力による自己効力感の醸成

資生堂は、戦禍によるやけど跡で苦しむ方に向けた日本初のメイクアップ製品の発売(1956年)をきっかけに、あざや傷跡などの外見の変化に対応する化粧品の開発や美容技術の向上に取り組むなど、科学的なアプローチで「美には心を豊かにし、生きる喜びや幸せをもたらす力がある」ことを解明してきました。美の力を通じ、さまざまな悩みや困難を抱える人の心身および社会的な満足を実現する活動を、各種支援団体をはじめ、医療機関、地方自治体などをパートナーとして継続的な取り組みを推進しています。

  • 「社会的な満足」社会や人とのつながりが維持できている状態

がんとの共生を目指したがんサバイバー※1への支援

「外見ケアBOOK ~自分らしく、心地よく。~」

2023年6月、資生堂は「第8回日本がんサポーティブケア学会 学術集会(奈良県)」にて、聖路加国際病院との共同研究によるオンライン形式のがん外見ケアアドバイスが、がん患者の QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)向上のための心理社会的支援として有用であることを研究成果として発表し、優秀演題賞を受賞しました。

日本では、資生堂ジャパンに所属する高度な技術を持ち、地域で専任的に活動している7名のソーシャルエリアリーダーと38名のソーシャルエリアパートナー※3が中心となり、地域の特性とそれぞれの社会課題に対し、「化粧のちから」を通じた社会活動の企画、実行をリードしています。
2023年、資生堂ジャパンは地方自治体との取り組みとして、山形市と「健康の保持・増進に関する協定」を締結しました。本協定は両者が相互に連携し、山形市民のがん対策および健康づくりの推進に向けた取り組みを通じて、市民のより一層の健康的な生活の実現を目的として定めたものです。同年には栃木県とも「がん対策に係る連携協定」を締結し、がん外見ケアセミナーを開催しました。栃木県と資生堂ジャパンは相互に連携し、栃木県民のがん対策を推進し県民のより一層の心身の健康的な生活の実現を目指しています。

2024年3月、島根県松江市で開催された「第34回全国椿サミット松江大会」では、松江市との初の共同取り組みを実施しました。この大会では、松江市立病院、松江赤十字病院とともに、「がんを正しく知って正しく向き合う」をテーマに一般市民、医療従事者、がん患者の方約70名に対して「がん外見ケアセミナー」を講演し、「メイク体験」には約40名の方が参加しました。
同月には、名古屋市の「AICHI AYA WEEK 2024」において、AYA世代※4のがん患者の方が、いつどんなときでも、自分らしく毎日を過ごせるように「がん外見ケア個別相談会」や、資生堂トップヘアメイクアップアーティストによる「ヘアウィッグを楽しむヘアメイクショー」などを開催、2日間で資生堂のビューティー体験には494名が来場しました。
また、福岡市で開催された「AYA WEEK 2024 大交流会」に参加し、資生堂癒しのタッチケア®※5、パーソナルBカラー診断🄬※6などを実施しました。

  1. ※1:がんと診断された方、治療中、経過観察中、寛解されたなど、がんに罹患したことのあるすべての方々を「がんサバイバー」と表記
  2. ※2:日本をはじめ、中国、シンガポール、台湾の各国・各地域(2023年12月時点)
  3. ※3:資生堂ジャパンにおいて、各エリアならではの社会活動を「化粧のちから」を通じて行う専門職のチームの構成メンバー
  4. ※4:AYA(アヤ)世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の略。15歳から39歳までの年齢層の人を指す
  5. ※5:心、体の緊張感を、背中をなで・さする行為でときほぐす、資生堂オリジナルのケア
  6. ※6:生まれながらの肌、髪、瞳の色 からのお客さまのパーソナルカラーを紹介する資生堂オリジナル診断方法

山形市と資生堂ジャパンによる連携協定の締結式

栃木県と資生堂ジャパンよる連携協定の締結式

「LAVENDER RING MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」をグローバルで展開

「自分らしく、を生きていく。-がんとともに生きる206人の笑顔と想い- 」(ハースト婦人画報社出版)

台湾のイベントの様子

台湾のイベントでのメイクアップの様子

第31回日本医学会総会 博覧会での展示

深い肌悩みにお応えする「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」

オンラインによる外見ケアカウンセリングの様子

「資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター(日本)」のカウンセリングルーム

「資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター(中国)」でのコンサルテーションの様子

「資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター(台湾)」でのメイクアップアドバイスの様子

「パーフェクトカバー」の進化

1995年、「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」の専用製品として、光の技術を応用し、青あざ(太田母斑)・赤あざ(血管腫)・濃いシミなどをカバーする「パーフェクトカバー」を発売し、その後、白斑や傷跡などの凹凸の悩みなど、幅広く深い肌悩みに対応できる製品へ進化させてきました。
2022年、グローバルでの展開強化に向け、処方・パッケージを含めて全面リニューアルしました。がん治療の副作用による外見上の変化(強いくすみや色素沈着など)へのカバー機能を強化し、自然な仕上がり感、化粧持ちを実現しました。主力製品の「パーフェクトカバー ファンデーション MC」は、なめらかな感触で肌へフィットし、あらゆる色悩みや凹凸のカバーに対応します。白斑のカバーに特化した「パーフェクトカバー ファンデーション VC」は、白斑の周りの肌の色に合わせて自然にカバーすることができます。コロナ禍を経て、メイクアップニーズの高まりとともに、カバーすることで自分らしくいたいという方にお応えしています。

深い肌悩みに対応する資生堂 ライフクオリティー メイクアップ

「パーフェクトカバー」製品

リテールパートナーをはじめ各種団体との高齢の方々に対する取り組み

現在、高齢化率※129.1%を記録し※2、世界で最も高齢化が進む日本では、厚生労働省の指針により地域で住民の健康増進に資する取り組みが強化され、がんサバイバーや高齢の方々を地域でサポートする体制づくりが進められています。
資生堂ジャパンは、高齢の方々の心豊かな社会生活の支援を目指し、日本各地域でリテールパートナーをはじめ、各種支援団体、医療機関、地方自治体などと連携を深め、健康寿命の延伸につながる活動「高齢者向け美容講座」を展開しています。2023年、埼玉県では、地域包括支援センターとウエルシア薬局株式会社と協働し、同薬局が提供するコミュニティスペース「ウエルカフェ」にて高齢の方々を対象に、18カ所56回の美容講座を開催しました。

ウエルカフェ川口領家店での講座の様子

さらに、高齢の方々に対しての「資生堂化粧療法」※3の研究知見を取り入れた「化粧健康法プログラム」を開発し、全粧協加盟※4の化粧品専門店497店※5に導入しています。身近な場所で美容を通して健康を実現する機会づくりを実施しています。

医療の分野では、高齢者のオーラルフレイル※6の問題が顕在化しています。「資生堂化粧療法」の研究によると、化粧をする動作には唾液腺に触れる動きが含まれ、口腔機能の向上にもつながることがわかっています。この研究結果から、歯科医や歯科医院と連携し、地域住民を対象としたセミナーを開催しています。

  1. ※1: 高齢化率とは、 総人口に占める65歳以上人口の割合のこと
  2. ※2:2023年総務省発表
  3. ※3:資生堂化粧療法:化粧行為を通じて心身機能やQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)の維持向上など健康寿命の延伸を目指す療法
  4. ※4:全粧協:全国化粧品小売協同組合連合会
  5. ※5:2022年12月時点
  6. ※6:かんだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能の衰え。早期の重要な老化のサインとされている

障がいのある方への取り組み

ガイドメイクポスター

名古屋市視覚障害者協会でのガイドメイク
の様子

「資生堂リスナーズカフェ」ロゴマーク

アネッサ、子どもの心と身体の成長を支援する「ANESSA Sunshine Project」

2024年、資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」は、太陽のもとでの活動を通じて、子どもたちの心と身体の健全な成長を支援する「ANESSA Sunshine Project(アネッサ サンシャイン プロジェクト)を開始しました。この取り組みは、「アネッサ」が初めてアジア12の国と地域※1で横断的に行う社会貢献活動です。
世界保健機関(WHO)が5~17歳の子どもおよび青少年に1日60分以上(週7時間以上)の運動を奨励※2している一方で、現代社会において子どもたちが外で遊ぶ時間が減少しているといわれており、「アネッサ」がアジア4カ国(中国、日本、タイ、ベトナムの都市部)で実施した独自のアンケート調査※3結果では、すべての国において週7時間以上の外遊びが確保できている子どもが50%に満たないことが明らかになりました。外で遊ぶことは、子どもの発育・発達における5つの側面(身体・情緒・社会・知的・精神)をバランスよく育み、特に自律神経機能向上により、意欲や自発性といった生きる力を形成する※4ことから、「アネッサ」はこの社会課題に取り組みます。

また、この社会課題を達成するための活動の一環として、公益財団法人日本サッカー協会のパートナーシップ制度「JFA PARTNERSHIP PROJECT for DREAM」において、化粧品ブランドとして初めてJFAソーシャルバリューパートナー契約を締結しました。アネッサはJFAソーシャルバリューパートナーとして、JFAと共同で子ども向けの体験イベントを開催し、太陽光の恩恵を受けながら安全に太陽のもとで遊ぶための親子紫外線対策講座と、太陽のもとで心と身体を動かすアクティビティを実施します。

  1. ※1:以下の国と地域:中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マカオ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム
  2. ※2: WHO身体活動および座位行動に関するガイドライン(WHO Guidelines on physical activity and sedentary behavior)
  3. ※3:「子どもの外あそびに関するアジア4カ国調査」対象:上海、東京、バンコク、ホーチミンに住む子どもをもつ保護者、各100名(オンライン調査)期間:2024年2月15日~3月1日、「アネッサ」調べ
  4. ※4:子どもの健康福祉学の専門家である早稲田大学 人間科学学術院 前橋 明教授(医学博士)による

ANESSA Sunshine Project

ANESSA Sunshine Project、JFAとの連携

ANESSA Sunshine Project「専門家インタビュー:外遊びと子どもの成長」編(日本語版)

紫外線過敏の難病「色素性乾皮症(XP)」患者への支援

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