~資生堂 Hand in Hand Projectへ
込めた思い~
2021年04月09日
資生堂ジャパン プレミアムブランド事業本部 副事業本部長 柳内清隆とチーフマーケティングオフィサー 石川由紀子
新型コロナウイルス感染症の拡大をうけ、資生堂は独自に手荒れに配慮した手指消毒液(指定医薬部外品)を日本で新たに開発し、2020年4月より国内4工場で生産を開始しました。関係省庁を通じて日本医師会へ提供するほか、8月からは消毒液の一般発売を開始しました。当時、消毒液の不足が深刻化していた日本市場の供給の一助になりました。またグローバルでも医療機関での消毒液不足を支援するため、いちはやく米州や欧州で生産を行うなど、世界中でさまざまな取り組みを行ってきました。
そして新たに、2021年2月1日より「資生堂 Hand in Hand Project」をスタートしました。これは日々、新型コロナウイルス感染症の治療や予防の最前線で尽力している全国の医療従事者の方々に、敬意と感謝の意を伝えることを目的としています。私たち資生堂社員が心をひとつにして「手守り習慣」を自ら実践することはもちろん、お客さまやお取引先さまとともに感染予防に取り組み、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことで、医療現場の手助けにつなげる活動です。
そこで、このプロジェクトの全体総括を務める資生堂ジャパン チーフマーケティングオフィサーの石川由紀子と、お取引先さまへの呼びかけなどをリードする資生堂ジャパン プレミアムブランド事業本部 副事業本部長の柳内清隆に、本プロジェクトにかける思いを聞きました。
正しい手指の消毒による感染予防と、手洗いや消毒による手荒れを防ぐハンドケアを実施する「手守り習慣」をより多くの方に伝え、ご賛同いただける取引先企業の方々やお客さまとともに感染予防に取り組むことで医療従事者の力になることをめざしています。
プロジェクト期間中、対象商品であるハンドソープ・消毒液・ハンドクリームの利益※1を医療現場のサポートのために寄付します※2。さらにオンライン上でのアクション数を、感染予防意識の広がりとプロジェクト賛同の証と捉え、アクション1回あたり10円を資生堂から寄付します。
プロジェクト実施期間:
2021年2月1日〜2021年6月30日
(※当初の2021年4月30日終了予定から延長)
※1 2021年2月1日~6月30日の対象商品の売上から、売上に連動して発生するコストを除いたもの。
また本プロジェクトの浸透のための活動コストは、別途当社が負担しています。
※2 寄付金額や寄付先団体などの詳細はプロジェクト終了後に開示予定です。
本プロジェクトは、2021年6月30日で終了しました。
2021年7月26日に総額503,771,457円を公益社団法人 日本看護協会に寄付しました。
―プロジェクトがスタートしたきっかけを教えてください。
石川 資生堂は「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」をミッションとしている会社です。美の力で少しでもよりよい世界を実現していく、そして社会に貢献できる企業でありたいといつも思っています。
ちょうど新型コロナウイルス感染症が再拡大しはじめた12月下旬ごろ、当社CEO魚谷から「医療従事者への思いを形にできないか」という一言がありました。そこですぐに「医療従事者に感謝と敬意を伝えたい、そのために資生堂にできることは何かないだろうか」と考えたことが出発点です。まずは、医療従事者が真に望んでいることを知ることが重要と考え、ヒアリングやアンケート調査を行いました。医療従事者は人の命を守るプロフェッショナルとして、「1人ひとりが健康でいること、新型コロナウイルスが収束して再び人と人が触れ合う世の中が訪れること」を願っていることがわかりました。
―どのように推進していったのですか?
石川 医療従事者の願いをプロジェクトメンバーと共有し、物的・金銭的な寄付だけではなく、生活者・取引先企業・資生堂が一体となって、それぞれが感染予防に貢献することが医療現場をサポートすることにつながるのではないかと考えました。そこから、プロジェクトコンセプトは「1人ひとりが健康でいるために、資生堂が発起人となり、お客さまやお取引先さまとともに自分たちで取り組めることがある。それが『手守り習慣』であり、まずはみんなで行動に移し、感謝の証として、医療現場にお届けしよう!」というものとなりました。企画・展開まで短期間でしたが、全メンバーが本プロジェクトの意義を理解し、自主的に動いたことで、限られた時間の壁も乗り越えることができました。
―かなりの短期間でプロジェクトを実行されたそうですね。
柳内 私自身、世の中のために何かやりたいとずっと思っていたので、医療従事者のサポートは絶対にやるべきだと強く思いました。ただ進めるにあたり、最初に3つの課題が頭に浮かびました。
まず1つめは、この短期間でお取引さまにいかに賛同いただくか。2つめは、本プロジェクトを店頭で展開するために、お店さまに売り場などのご協力をいただけるか。
そして3つめが、店頭でお客さまに本プロジェクトのことを知っていただくために、どう伝えたらよいだろうかという点です。この3つを解決するためにすぐに社内の多岐にわたる部門と連携したのですが、今回うれしかったのは、関わったメンバーそれぞれが心からこれはやるべきだと賛同してくれたことでした。そして同じ思いを胸に、それぞれが自発的に動くことで、共感が共感を呼び強い推進力につながりました。
―営業やビューティーコンサルタント、またお客さまやお取引先さまからの反響はありますか?
柳内 日常生活の中で医療現場のひっ迫を実感している方は多くいます。小売店も厳しい市場環境の中で奮闘されながら、何とかして新型コロナウイルスが収束してほしいと強く願っていらっしゃいます。それぞれ動機は違うけれど、その思いをカタチにしてアクションを起こしたいという気持ちはみなさん心のどこかにお持ちでした。
お客さまも現状をなんとかしたいと思い、本プロジェクトに賛同してくださる方が本当に多くいらっしゃいます。その強い賛同が、自分たちの活動に誇りを持てた、この会社で働いてよかった、という営業やビューティーコンサルタントの声につながっています。お取引先さまからも資生堂らしい活動だねと言っていただいています。2021年3月末時点では、賛同いただいたお取引先企業は1,539社にもなっています。
また、賛同いただいた多くのお取引先さまへ感謝を伝えたいという声がプロジェクト内で自然とあがり、感謝レターを送付しました。お取引先さま含め、関わってくださっているすべての方が自分にできることを考え、アクションを起こしています。本活動をサポートいただいた社内外のすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。
―最後に、このプロジェクトに込めた思いを教えてください。
石川 新型コロナウイルス感染拡大のなか、毎日が初めてのことばかりで試行錯誤をくり返す日々でした。この困難な状況でも今まで通り生産ラインを動かした工場の社員、店頭のビューティーコンサルタントや営業は細心の注意を払いながら、できるかぎりいつもと変わらない活動を心がけ、不安な日々を過ごすお客さまの心を支えたいという思いでやってきました。場所や仕事は違えども、化粧や美の力を信じ、それぞれが今こそできることを考え、私たちはいつも心をひとつに「美を届ける仕事」を続けていきます。
本プロジェクトに対しても、感染予防に取り組むことが医療従事者の手助けにつながると願い、大事な家族、お客さま、世の中の方々といっしょに、社員それぞれが心を込めて取り組んでいます。プロジェクトが終了したあとも「手守り習慣」の実践や呼びかけを継続していきたいと思っています。
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