会社は社会とともにあり、社会の中で生かされています。社会が困難な状況にあるときに、会社は社会の一員としての役割を果たしたいというのが、私たちの思いです。未曾有の被害を被った地域の復興は長い道のりになります。私たちは、人・もの・情報・技術・文化など当社の資源を生かして、被災された方々が自立されることにお役立ちできるよう、支援してまいります。
資生堂グループ従業員および退職した社友からの寄付金を、世界中で発生した自然災害に対する災害義援金として被災地にお届けしています。社員と社友一人ひとりの気持ちが大きな力となっています。
資生堂にとって「椿」はもともとゆかりが深く、岩手県の気仙地区、大船渡市・陸前高田市の市の花も「椿」です。 震災以降、椿の花のご縁から資生堂がお役に立てることを街の人々と話し合ってきました。その過程で、気仙地区では数10年前まで各家庭で椿の実から油を搾り、食用や髪のお手入れなどに使っていたことから、椿を街の新しい産業にしたいという希望や、大船渡市では震災前から椿を観光資源として扱ってきた基盤があることもわかりました。街が大切にしてきた「椿」が新しい産業となり、観光資源としても活用できるよう、資生堂は2012年以降毎年、大船渡市で椿の植樹活動を行ってきました。大震災から10年となる2021年までに、資生堂提供分と長崎県新上五島町提供分を合わせ、合計889本の椿の苗木と成木を大船渡市の人々とともに植樹しました。
資生堂がサポートしている三陸地区の地産品を集めて社内で販売する「復興支援マルシェ」を2011年から2020年まで開催しました。
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2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、例年資生堂汐留本社で開催してきた対面販売の「復興支援マルシェ」を見直し、本社以外の全国の社員も参加できるようオンラインでの「バーチャルマルシェ」を実施しました。オンラインならではの被災地のさまざまな地産品を取り揃え、多くの社員が賛同し参加しました。新しい支援の形として水産業の方々も加わり、社員もそのご家族もみんなが笑顔になれたバーチャルマルシェとなりました。
2012年から6年目を迎える2017年は、例年の苗木の植樹と、新しいまちのシンボルツリーとしての植樹を行い、活気づく大船渡のまちづくりを応援しました。資生堂からは社員15名が参加し、社会福祉法人大洋会、大船渡市役所、一般社団法人日本ツバキ協会の皆様とともに植樹を行いました。
2017年5月25日(木)、資生堂と社会福祉法人大洋会が共催し、大船渡市福祉の里大洋会敷地内において「椿の植樹会」を実施し、32本の苗木を植樹しました。「資生堂リラクシングナイトミスト」の売上の一部と資生堂アメニティグッズ株式会社が通販カタログで大船渡の特産品を販売した売上の一部が役立てられました。
2017年5月26日(金)、商業施設「キャッセン モール&パティオ」内に、新しいまちのシンボルツリーとして9本の成木を植樹し、まちづくり会社キャッセン大船渡㈱との共同により記念セレモニーを行いました。
2016年6月11日(土)、資生堂と社会福祉法人大洋会が共催し、岩手県立福祉の里センターで「椿の植樹会」を開催しました。資生堂からは20名が参加し、社会福祉法人大洋会、大船渡市役所、一般社団法人日本ツバキ協会の皆さまと共に植樹を行いました。
椿油の原料となる実の収穫を早期に行えるよう、椿の成木20本を植樹しました。昨年に続き、今年も日本ツバキ協会の方に樹齢30年程の成木を寄贈いただきました。
大きく、たくましく育ってほしいという想いを込めて、大船渡市長 戸田公明様、当社代表取締役執行役員副社長 岩井恒彦、大洋会理事長 木川田 典彌様と日本ツバキ協会 仲村清彦様による記念植樹を行いました。
今回の苗木の植樹には、「資生堂 リラクシングナイトミスト」の売上の一部と資生堂アメニティグッズ株式会社が通販カタログで大船渡の特産品を販売した売上の一部が役立てられました。
2015年6月12日(金)、資生堂と社会福祉法人大洋会が共催し、岩手県立福祉の里センターで2通りの「椿の植樹会」を開催しました。
資生堂から16名が参加し、社会福祉法人大洋会、大船渡市役所、一般社団法人日本ツバキ協会、RCF復興支援チームの皆さまと共に植樹を行いました。
椿油の原料となる実の収穫を早期に行えるよう、樹齢30年程度の椿の成木30本を植樹しました。植樹した成木は、この活動に賛同いただいた、日本ツバキ協会会員により寄贈されたものです。
椿の苗木40本を植樹しました。
この苗木の植樹には、2014年当社が発売した「資生堂 リラクシングナイトミスト」の売上の一部と当社の関連会社である資生堂アメニティグッズ株式会社が通販カタログで大船渡の特産品を販売した売上の一部が役立てられています。
香りは気持ちを和らげたり、リラックス感をもたらします。被災された方に、よい香りで心地よい眠りをお届けしたい・・・そのような思いから、当社のアロマコロジー研究を活かした商品開発に取り組みました。大船渡市末崎町「中森 熊野神社」にある樹齢1400 年の日本最古のヤブツバキ「三面椿」の香り成分を配合し、性別・年代を問わず、安らぎを感じていただける新しい香りを開発しました。大船渡の方々にもご協力いただき、就寝前にボディーだけでなく、空間や寝具にも使用できるフレグランスウォーター「資生堂
リラクシングナイトミスト 椿の夢」を開発しました。
当商品は2014年10月1日(水)に資生堂 Webサイト 「ワタシプラス」にて限定発売し(2017年1月に再販売)、2016年3月9日(水)に(株)三越伊勢丹の4店舗※にて数量限定で発売しました。売上げの一部は、「椿の里 大船渡」の街づくりに活かされました。
資生堂パーラーは、椿を軸にした街の復興をお手伝いする資生堂の復興支援活動に参画し、気仙地区の椿の実を原料とした椿油“気仙椿”を使ったドレッシングを11月10日に数量限定で発売しました※。
この椿油“気仙椿”は、原料となる椿の実からとれる種を焙煎し、搾油機を使い、人の手で丁寧に搾り作られています。焙煎した種を使うからこそ、香りが豊かで黄金色のきれいな椿油になるのが特長です。
10月4日(土)、岩手県大船渡市のリアスホールにて、「椿を軸とした街づくり」を支援する活動の一環として、当社が主催する『椿の夢 フェスティバル』を開催しました。
このフェスティバルは、産業資源・観光資源としての「椿」の可能性を、地元の若い世代を中心に体感していただくことを目的に行いました。
イベントは『五感で椿を体感する』をテーマに構成し、香りの効用や発売直後の「資生堂 リラクシングナイトミスト」の効果を解説する「香りセミナー」、椿のデザインをモチーフとした当社の商品・ポスターなどを展示した「ミニギャラリー」、椿油を使用したお料理やお菓子を紹介する「椿の食体験」などを行いました。
「椿の食体験」には、大船渡東高等学校の生徒が参加し、椿油を使った手作りのお菓子を紹介しました。
また、復興を担う地元の若者たちの当フェスティバルへの興味喚起を目的に、高校生を対象とした「ヘア&スキンケアセミナー」を男女別に開催し、ヘアアレンジの方法やきれいな素肌作りのポイントをご紹介しました。
イベントの終盤には、事前公募により選出した地元の若者がモデルとなり、当社のヘア&メイクアップアーティストによる「ヘア&メイクアップショー」を開催。
渋谷109で若者に人気のブランド「CECIL McBEE」「SLY」にコスチュームで協力をしていただき、それぞれの「なりたい私」の実現を行いました。
震災後商品化された食用の椿油の認知を拡げ、椿の産業化に向けた後押しとなるよう、椿の「食文化」に着目、椿の食体験を通じて、椿の可能性を地元の皆さまとともに体感する機会をつくりたいと考え、「椿の恵 まつり」を企画しました。
このイベントでは、椿油を使った新しいお食事やお菓子のメニューを地元のレストランや和洋菓子店につくっていただき、メニューコンテストを行いました。資生堂からは資生堂パーラー銀座本店の調理長が参加し、資生堂パーラーの看板メニューである「ミートクロケット」を椿油で揚げたものを特別メニューとして提供しました。
そして地元で昔から椿油を使ってつくられていた「けんちん汁」を地元の女性につくっていただき会場で提供し、椿油を知らない子どもたちへの伝承をあわせて行いました。
また、別会場(大船渡の椿の観光地:碁石地区)では、産業化を行う上で重要な椿の実の収穫を体験するイベントも行いました。
大船渡の観光地である碁石地区の皆さまと一緒に行い、54kgの実を収穫しました。
収穫した実は、産業化に向けて実の収穫が課題となっている陸前高田の製油所、社会福祉法人 大洋会 青松館に寄贈しました。
また、地元の皆さまからご要望いただいたお化粧教室も開催させていただきました。
お花だけではない「椿」を地元の皆さまとともに大いに感じた一日となりました。
岩手県大船渡市立日頃市(ひころいち)中学校では、市の花「椿」の理解を深めるべく「椿の学習プログラム」を全校で実施しています。資生堂では日頃市中学校の要請を受け、未来の街づくりの主役となる生徒に「椿の可能性」を体感してもらうため協力しています。
8月28日(月)、生徒たちは資生堂パーラー指導の特製オムライスづくりや大船渡市の椿油で揚げたクロケットの食べ比べに挑戦しました。
まず、パーラーの総調理長が実演しながらオムライスの作り方を指導。チキンライスを卵で優しく包んで作るポイントを生徒に伝授しました。生徒たちはおいしそうなオムライスが出来上がる様子を真剣に見つめていました。
生徒による実習では、最初は緊張気味でぎこちない手つきでしたが次第に笑顔が多くなり、チキンライスを卵で包む難しい作業も無事成功、見事なオムライスが完成しました。
実食では、自分たちでも作れるんだとの自信と共にオムライスのやさしい味に笑顔があふれました。また、椿油とサラダ油でそれぞれ揚げたクロケットの食べ比べも行われ、生徒たちは地元の椿油で揚げたクロケットの味や香りを楽しみました。
岩手県大船渡市立赤崎中学校との出会いは2012年9月11日。
津波で被災した赤崎中学校の仮設校舎前に、資生堂の社員が赤崎中学校の全校生徒と一緒に3年生の生徒数の椿の苗木の植樹を行いました。
苗木の横には「椿の里 大船渡」「ふるさとの復興」をテーマに詠んだ俳句のプレートを立てました。この活動がきっかけとなり、赤崎中学校の生徒さんと植樹した「椿」を共に育てる活動を行なってきました。
植樹した椿がやがて大船渡の新しい産業の芽となる可能性があることをお伝えしながら、生徒さんの間で代々受け継ぎ、大切に育ててきました。
赤崎中学校の3年生の生徒さんが詠んでくれた俳句を紹介します。
その他の俳句を見る [ PDF : 133KB ]
その他の俳句を見る [ PDF : 135KB ]
その他の俳句を見る [ PDF : 254KB ]
その他の俳句を見る [ PDF : 742KB ]
その他の俳句を見る [ PDF : 844KB ]
2013年6月より、整備安全委員の生徒さんとWEB会議を始めました。この「椿ミーティング」では、生徒さんが椿のケアをしている中で気づいたことや、疑問に思ったことを持ち寄り情報共有しています。
椿の育成に必要なことを一緒に考え、専門家からのアドバイスをいただきながら、育成のプログラムを作成しました。
2013年度より赤崎中学校では、椿を育てる係として「整備安全委員」の生徒さんが担当することに決まりました。
そして顧問の高橋隆先生から椿のレポートが届くようになりました。
私たちはこれを「椿日記」として記録に残すことにしました。
「椿を育て」⇒「実を収穫し」⇒「実から油を搾る」
産業化に向けて重要なこの一連の活動を生徒さんと共に体験することを通じて、より一層「椿」に関心を深めていただき、「椿」で産業化を目指す大船渡市の後押しとなることを目的に椿の実から油を搾る体験会を開催しました。
当日は、30名ほどの生徒が参加し、大船渡の伝統的な搾油機による搾油を見学した後、実際に家庭用の搾油機で搾ってみる体験を行いました。搾油後には、椿油を活用した事例を知ってもらうために資生堂パーラー「気仙椿ドレッシング」の試食会も行いました。
参加した中学生たちは、「椿の実にさわって搾ったりするのが初めてだったので、とてもおもしろかったです」「実際に搾ってみると、思ったより力がいるし、ほんの少しの油しかでてこないとわかりました」「椿オイルが、いろいろなものに使われているというのを、初めて知りました」と楽しそうに語ってくれました。
この度は、本校において椿の搾油体験会を実施していただきありがとうございました。
資生堂とは「椿」の縁で交流してはや4年の月日が流れ、震災の記憶も記録も薄らいでいく昨今において、震災後に植えた椿がすくすく育つように、WEB会議や俳句集の贈呈式など以前と変わらず、いやそれ以上に温かく大船渡・赤崎中を見守っていただいた事を感謝しております。
今回の搾油体験に参加した生徒は、本当に楽しそうに活動しました。
そして、大船渡の誇りであった「椿」を再発見する機会ともなりました。
今私たちはいつも支援をされる側にいますが、この子ども達がいつか支援する側、大きくいうと世界貢献する側になってくれることを期待しております。
災害非常時におけるお手入れの方法や、化粧品の効果的な使用方法について、幅広い情報を発信しています。
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