動物を用いない安全性評価技術の信頼性を高めるためには、細胞や遺伝子、分子レベルの毒性学やコンピューターサイエンスに基づく専門的技術を日々アップデートすることが必要です。そのため、業界活動や外部専門家と共に様々な活動を続けています。これらの取り組みの一端を紹介します。
資生堂は、1963年に安全性の研究部門を設立して以来、60年以上にわたり、動物を用いない代替試験法の研究に継続的に取り組んできました。
2013年には動物実験を廃止※し、革新的なin silico(コンピューターを用いる方法)および in vitro(細胞などを用いる方法)による安全性評価に切り替えました。今後も社外のステークホルダーとも連携し、社会全体での動物実験代替評価法のさらなる進化に向けて活動を続けていきます。
感覚刺激、敏感肌、原料の皮膚からの吸収性(経皮吸収)、低刺激製剤の開発など安全性の基盤となる研究にも取り組んでおり、安心・安全な製品開発に役立てています。また、蓄積された化学物質のデータベースを用い、コンピューターサイエンス技術を活用して、皮膚から吸収された化粧品成分が血中に移行した場合に全身へ与える影響を予測する新しい全身毒性評価法の開発にも引き続き取り組んでいきます。
大学や公的研究機関での研修や国内外の専門学会、シンポジウムや教育セミナーなどに参加して、常に専門技術や知識のレベルアップを図っています。また、国内外の学会認定トキシコロジストなど、資格取得へのバックアップを行っています。安全性評価に関わる人材の専攻分野は薬学、理学、工学、農学、獣医学など多岐にわたるほか、博士の学位をはじめ各種資格保有者も数多く在籍しています。
第一線で活躍されている国内外の大学や関連機関の専門家と、安全性に関する議論や共同研究を行っています。また化粧品分野においては皮膚科医の先生方からのご意見を重視しています。化粧品科学に加え基礎医学、特に毒性学や皮膚科学、アレルギー学等の安全性に関連する幅広い学会活動にも積極的に取り組んでおり、研究成果はこれらの関連学会や学術雑誌に報告し、様々な賞を受賞しております。
世界の化粧品工業会(日本化粧品工業会(JCIA)、欧州化粧品工業会(CE)、米国化粧品工業会(PCPC)、 アセアン化粧品工業会(ACA)など)に参加し、積極的に安全性に関する情報交換を行っており、特に日本化粧品工業会(JCIA)や専門学会の運営にも携わっています。近年では化粧品メーカーや、業界団体、動物保護団体により構成される「化粧品の安全性に関する国際協力(ICCS)」の創設メンバーとして活動中です。これらの活動を通じて、動物を用いない試験法のさらなる普及に貢献していきます。
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