花粉やPM2.5などから手軽に肌を守る方法ってないの?
IFSCC Conference 2017 ソウル大会 最優秀賞(口頭発表部門)
「大気汚染物質を寄せ付けないシールド技術の開発」
目に見えない花粉やPM2.5などの大気汚染物質が肌や髪にくっつかなくなり、手軽に健康を守れるようになった!
寒い冬が終わり、だんだんと暖かくなってくる初春は気分も上がってくるもの。ただし、一部の方を除いて・・・。そう、初春といえば花粉に悩まされる季節。また、近年では呼吸器 や循環器疾患などのリスクを上昇させると言われているPM2.5などの大気汚染物質も、 春には濃度が上がることをご存知でしょうか。
空気中に浮遊するこれらの微粒子は、目に見えないものの、健康に大きな影響を及ぼします。できればこうしたリスクから手軽に健康を守り、より美しくQOL(クオリティー・オブ・ラ イフ)の高い生活を送れる方法はないか、という想いから始まったのが、この受賞研究なのです。
花粉やPM2.5などが付着しないよう、肌や髪をつるつるにコート。さらに、付着の大きな要因「静電気」の発生を防ぎ、やさしく保護するポリマーを活用!
花粉やPM2.5の表面を電子顕微鏡で見てみると、凸凹していることが分かります。もともとモノとモノが「くっつく」のは互いの凸凹がひっかかるため。肌や髪の毛、そして衣服などの 表面も、ミクロレベルでは無数の凹凸があるため、付着しやすい構造になっています。
そこで考えたのが、肌や髪などを凹凸のないつるつるした状態にしてあげることでした。
コートする物質として探し出したのが、人の細胞膜を形成している「ホスホリルコリン」という物質。人の体内に 存在している物質のため、肌や身体に負担をかけるこ ともありません。これらをポリマーというひも状の化合物にすることで、肌や髪の表面を「ホスホリルコリン」で 埋め尽くし、表面の凸凹を抑えることに成功したのです。
しかし、もう一つ花粉やPM2.5などが「くっつく」大きな要因がありました。それが「静電気」です。静電気はモノとモノがこすり合わさる摩擦で発生し、肌や髪の毛、衣服にも帯電しています。こ の帯電した静電気に花粉やPM2.5が引きつけられていたのです。 つまり、モノの表面を帯電させないことが、大気汚染物質の付着を防ぐポイントになるわけです。 さらに研究を重ねると、前述した表面をコートする「ホスホリルコリン」には、帯電を防ぐ効果もあることが判明したのです。「ホスホリルコリン」の導電率を調べると、非常に高いことが分かりました。導電率が高いということは、電気を逃がしやすいということ。つまり表面の帯電を防ぐことができるのです。
こうして、安全で手軽な方法で、大気汚染物質などから健康を守ることが可能になったのです。今後もさらに研究を進め、手軽に、快適に日常生活を送るサポートができる商品に活用して参ります。
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