ヒトの顔の肌を徹底解析してみたら…
IFSCC Congress 2014 パリ大会 最優秀賞(ポスター発表)
「顔の形状の老化メカニズムの解明」
これまであまりよく知られていなかった、顔の肌内部の構造を明らかにし、
老けた印象を与える「たるみ」の原因を突き止めた!
「フェースラインがぼやける」「目尻が下がる」「ほうれい線が深くなる」など、歳を重ねるにつれて目立ってくる肌のたるみ。近年では、シミやしわと並んで、女性の肌における大きな悩みの一つとなっています。
では、なぜ肌は加齢とともにたるんでしまうのでしょうか。たるみの要因に関しては、あまり明らかにされていないというのが現状です。また、全身を覆っている肌の中でも、特に顔の肌の内部構造はあまりよく分かっていませんでした。というのも、顔の肌は研究用とはいえ入手が非常に困難で、通常は腕などの身体の肌を用いるのが一般的だったのです。
聖マリアンナ医科大学や独立行政法人がん研究センターと共同で行った今回の受賞研究では、実際にヒトの顔の肌を調べて、たるみの原因を解明しようというもの。その結果、顔の肌には特徴的な構造があることが分かりました。
これまでに知られている肌構造は、大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下脂肪」という、比較的なだらかな3つの層が重なっているというものでした。しかし、顔の肌には真皮層の下に突起状の構造体が存在していたのです。
縦の線維からなる突起状の構造体が、顔の肌を支えるのに大きな役割を果たしていた!
加齢によってこの構造体が減少すると、肌を支える力が弱まり、たるみが発生
この突起状の構造体を詳しく解析してみると、通常の真皮層ではコラーゲン線維やエラスチンなどの弾力線維が横向きに張り巡らされているのに対し、縦方向に配列されていることが分かりました。このことから、この突起状の構造体は縦の弾力で、肌をしっかりと固定させる役割があることが分かります。この特殊な形とその役割から、水底にひっかけて船を固定させる錨にちなみ、「アンカー」と名づけました。
さらに、20代と70代の方のアンカーを比べてみたところ、70代の方のアンカーが減少していることが分かりました。加齢によってアンカーを形づくる細胞が減ってしまうことで、アンカーが失われ、たるみが引き起こされていたのです。
この研究で明らかになった顔の特徴的な肌構造とたるみのメカニズムを元に、今後はソリューションの開発や新たなスキンケア化粧品の開発に役立てていく予定です。
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