乾燥とひと言でいっても、顔の部位でこんなに違う!?
IFSCC Conference 2013 リオネジャネイロ大会 最優秀賞(口頭発表)
「高感度近赤外カメラシステムによる顔の水分分布可視化と化粧品効果の評価」
パッと撮影するだけで、肌の水分量を見える化するカメラシステムを2つも開発!
システム①全顔を写すタイプ → 顔の中でどこが水分が多い&少ないかがひと目で分かる
システム②肌表面をミクロに写すタイプ → 水分が肌に浸透していく様子が分かる
化粧品店に行くと、顔にスコープを当てて水分量やきめの状態などを測る機器があります。ご自身の現在の肌状態を知ることができ、今後のお手入れの参考になる、とても便利なものです。
これらの機器は電気抵抗を活用したり、きめの状態から顔全体の水分量を割り出しており、実際に水分量そのものを測っているわけではありません。しかし、肌に効果のある化粧品を開発する際には、より正確な水分量の分析が必要となります。それを可能にしたのが、これらのカメラシステムです。
特殊な光を捉えて水分そのものを撮影することに成功。そこから、顔の水分量を広範囲に撮影するカメラシステムと、肌のきめ一つなどミクロな領域の水分を撮影するカメラシステムの、2つを生み出したのです。
この技術は「近赤外線」という人の目には見えない光を捉えるカメラを活用しています。普段、私たちが目にしているのは「可視光線」です。しかし、光には私たちが見えないものがあり、「紫外線」や「赤外線」、「遠赤外線」などもその一つ。それらの中でも可視光より少し光の波長が長い、「近赤外線」を捉えるカメラを使用しているのです。
実はこの「近赤外線」カメラは、撮影しただけでは水や油が黒く映るだけ。それを濃度に合わせて色をつけ、より見やすい分布図まで行うのが、今回開発した「カメラシステム」です。
肌になじみやすい化粧品の開発や、美容法の開発に貢献。
その結果、肌がもっとうるおう&キレイなる!?
これらのシステムは、新たに開発した製品の効果を調べたり、肌の乾燥状態を正確に知ることで新たなお手入れ法を生み出すのに役立っています。例えば、化粧水は手で塗布するよりもコットンを使った方が浸透しやすいことや、1年でいちばん肌が乾燥しているのは、冬ではなく秋だったということがこれらのシステムで実証・証明されています。
残念ながら、これらのシステムはとても高額です。今後、技術革新が進んでコストが下がれば、店頭でご自身の水分分布図を目にすることもあるかもしれません。それまでは、より保湿効果が高く、肌になじみやすい商品の開発に役立てていきます。
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