目もとの乾燥小じわをすぐに何とかしたい人に朗報!?
IFSCC Conference 2011 バンコク大会 最優秀賞(口頭発表)
「新たな形状を特長とした目元用パッチ製剤の有用性」
小さな針が1,000本以上もついた、目もとの小じわ用パッチを開発。
パッチ自体がヒアルロン酸だから、寝ている間に溶け込んで、翌朝ふっくら!
他の部位と比べて、皮ふが薄い目もとは乾燥しがちで、小じわができやすい部位です。今回の受賞技術は、非常に小さい針状の突起(マイクロニードル)が1,000本以上もついた目もと専用パッチを開発したというもの。針自体がヒアルロン酸でできており、角層内に入った部分から溶けていきます。針の長さは50ミクロン、太さは20ミクロンで、蚊の針の太さと同じくらいと、とても小さいものです。目もとに貼ると少しチクチクするような刺激を感じますが、10分もするとヒアルロン酸が溶けて肌になじむため、刺激感もなくなります。
また、ヒアルロン酸は水分を抱え込む保水力が高いことで知られていますが、1個1個の分子がとても大きいため、肌の内部には入りにくいのが特徴。マイクロニードル技術を使うと、角層内に直接注入したヒアルロン酸が水分を抱え込んで逃がさないため、寝る前に貼っておくだけで翌朝には目もとがふっくらとしているのです。
医療分野で開発が進んでいたマイクロニードル技術を美容医療に応用。
ヒアルロン酸で目もと用パッチをつくることに成功した!
小さな突起付きのパッチを貼って薬剤を注入するというマイクロニードル技術は、もともと医療分野で開発が進められていました。子どもにとって注射は、たとえ病気を治したり予防するとはいえ、苦痛なものです。マイクロニードル技術ならば背中などにパッチを貼るだけで、痛みをほとんど感じずにワクチンを体内に注入することができます。
また、糖尿病患者の方々は毎日インシュリン注射をするため、針を刺した部位が次第に硬くなってしまいます。こうした患者さんのクオリティー・オブ・ライフの向上に役立てるため、アメリカで最初に開発されたのがマイクロニードル技術なのです。今回の受賞技術は、この技術を美容医療分野で応用し、目もと用パッチとして実現させました。アイデアが先にあったとはいえ、商品化にはさまざまな困難が待ち受けていました。最初は直径1cmほどの丸くて硬いパッチを目もと用に大きくするだけではなく、顔の立体形状にもなじませるために、パッチ自体の厚みや貼付シートなどを工夫し、完成までに何十種類もの試作を重ねました。
これまでにない「チクチクする」商品であることも、議論が分かれた部分です。一時は開発自体が危ぶまれたほど。しかし、モニターテストで刺激スコアと使用意欲の関係を調べたところ、刺激スコアが高い方ほど継続意欲が高いという結果になりました。このデータのおかげで今回の受賞につながっただけでなく、美容医療分野の事業部が高い関心を寄せるようになったのです。
こうした紆余曲折を経て、この目もと用パッチは現在、美容医療のクリニック専用ブランド「ナビジョン」より発売され、美容意識の高い方々やクリニックの先生方から高い評価をいただいています。
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