肌あれ・老化を加速させる原因は? 半世紀にも及ぶ謎を遂に解明!
IFSCC Congress 2006 第24回 大阪大会 優秀賞(口頭発表・基礎部門)
「ケラチノサイトの脱核における制御因子の同定とバリア機能との関連性」
肌あれ・老化を加速させる原因が、悪玉タンパク質「セルピンb3」であることを世界で初めて発見!その後の研究で、対応する成分を開発!
肌の老化といえば、シミやしわ、たるみを思い浮かべる方も多いはず。これらの肌老化はさまざまな要因が絡み合って引き起こされるものですが、その中でもいちばん広く知られている要因は、紫外線による「光老化」や乾燥による「肌あれ」でしょう。
肌表面の「角層」には、これらの外的刺激から肌の内部を守るバリアの機能が備わっています。表皮層のいちばん下で生まれた細胞が角層になる段階になると、中心にある「核」を分解して固いタンパク質で埋め尽くすことで、バリアを形成しています。
しかし、肌があれると核が残ったままのすかすかした角層細胞ができてしまい、バリア機能が弱まってしまいます。すると、外からの刺激が肌内部にまで影響を与え、老化を早めてしまうのです。この現象は50年ほど前から知られていましたが、「なぜ核が残ってしまうのか」という謎を解くことはできませんでした。
今回の受賞は、この半世紀にも及ぶ謎に挑み、世界で初めて悪玉タンパク質「セルピンb3」こそが核の分解を阻害していることを突き止めたというものです。
「バリア機能」が低下して、紫外線や乾燥などの影響が
肌内部へダイレクトに伝わってしまう。その結果、老化が一気に加速!!
「セルピンb3」はタンパク質の一種。肌あれしていない肌にはほとんどいませんが、肌があれると急激に増えることが分かりました。そのため、あまり紫外線に当たらないようなお腹や腕の内側などの肌には少なく、顔などの紫外線や乾燥に常にさらされている肌では、たくさん生まれていたのです。さらに、肌表面で細胞の核が分解するのを阻害するだけではなく、肌に悪影響を与える因子をたくさんつくり、周りの細胞も悪化させてしまうことが分かりました。
また、世界18ヵ国の約2,500名の方々の角層細胞を調べ、悪玉タンパク質「セルピンb3」が世界共通の悪玉因子であることも確認しました。
その後の研究では、この悪玉タンパク質「セルピンb3」の発生を抑えるアミノ酸誘導体を開発しています。
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