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毛穴の開き・目立ちを何とかしたい!

女性の肌悩みNo.2の「毛穴の目立ち」は、解消できる!?

IFSCC Congress 2006 第24回 大阪大会 最優秀賞(ポスター発表)

「どのようにして顔の毛穴目立ちを改善するか」

賞状

何が分かったの?

女性の肌悩みNo.2の「毛穴の目立ち」。毛穴が目立つ原因を解明し、
対応する薬剤を発見。毛穴を目立たなくしてくれる化粧品をつくるきっかけとなった!

現在でも女性の肌悩みランキングで上位に入る、「毛穴の目立ち」。受賞当時のアンケートでも、シミ・ソバカスに次いで2位にランクインしていました。毛穴が目立つ現象は小鼻に黒いブツブツができる「黒ずみ」や、ほおに発生しやすい縦長状の「たるみ毛穴」、そして毛穴そのものが大きくなって目立つ「毛穴の開き」などがあります。「毛穴の開き」に関しては、どうなっているのか、どうしてそうなるのかといった基礎的な研究さえされていませんでした。

この受賞は「毛穴の開き」の実態を明らかにし、毛穴目立ちを改善する方法を導き出したものです。毛穴の開きとはどんな状態なのか、研究を始めるととても意外なことが分かりました。目立つ毛穴は毛穴自体が大きくなっているわけではなく、毛穴の周りの肌が削られたかのように「すり鉢状」になっていたのです。
上から目立っている毛穴を見ると、確かに毛穴が大きくなったように感じます。しかし、毛穴部分の断面を見てみると、周りの肌が斜めに開いた「すり鉢状」になっていました。光が当たると肌のへこんだ部分も影になってしまうため、毛穴自体が開いたように見えていたのです。

目立つ毛穴 すり鉢状になっていた

どんな技術なの?

毛穴の周囲は肌あれを起こしている状態だった!
肌があれる原因を調べて、正常な状態に戻す薬剤を開発

どうして毛穴周りの肌はすり鉢状になっているのでしょうか。目立つ毛穴周りの肌を調べてみると、肌あれと同じ状態になっていることが分かりました。そこで、20~30代の女性を毛穴が目立たない人、目立つ人、その中間の人の3つのグループに分け、肌を比べてみることにしたのです。その結果、毛穴が目立つ人は皮脂の量が多いことが分かりました。皮脂にはさまざまな成分が入っていますが、中でも毛穴が目立つ方は「不飽和脂肪酸」という成分の比率が高い。不飽和脂肪酸を肌に塗ってみると、やはり肌あれが起きたことから、不飽和脂肪酸こそが毛穴周りの肌に悪影響を与えていることが証明されたのです。
その後の研究で、不飽和脂肪酸は表皮細胞に急激な変化をもたらすことが分かりました。表皮細胞には、外部と物質をやりとりする出入口がたくさんあります。これらの出入口はいつも開かれているわけではなく、スイッチのように「オン」と「オフ」で制御されています。不飽和脂肪酸は、プラスの電荷をもつカルシウムイオンという物質を通す出入口のスイッチを「オン」に変えてしまうのです。すると細胞内のカルシウムイオン濃度が高まり、これを合図に細胞が別の炎症を起こすシグナルを分泌させ、その結果、肌あれが起きてしまいます。

不飽和脂肪酸がプラスの電荷をもつカルシウムイオンの出入口のスイッチを「オン」に変えるなら、細胞内のプラスの電荷を中和させるマイナスの電荷をもつ物質が流入する出入口を「オン」にする成分を配合したらどうかと考え、「グリシルグリシン」を探し出しました。グリシルグリシンを配合した溶液を2ヵ月間使用する試験を行ったところ、実際に毛穴の目立ちを改善する効果が認められたのです。また、グリシルグリシンはアミノ酸がつながったもので、高い保湿効果を発揮することも分かりました。
この受賞技術はその後も研究が進められ、現在ではグリシルグリシン自体もさらに進化を遂げるなど、毛穴の目立ちで悩む方に向けたさらなるソリューション研究へと発展しています。

原因の不飽和脂肪酸と対応成分のグリシルグリシン