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爪が欠けたりひび割れするのは、水分が足りないことが一因。

ネイルエナメルをつけながら、爪をケアできる!?

IFSCC Congress 1990 第16回 ニューヨーク大会 最優秀賞

「新規なw/o乳化型ネイルエナメルの開発」

賞状

何ができるようになったの?

乾燥しやすい爪の健康に必要な、水分を配合する技術を開発して、
爪に優しいネイルエナメルをつくった!

肌にとって水分が必要なように、爪でも水分が大切です。爪が欠けたり割れたり、または爪の先が薄く二枚に分かれる二枚爪になることがありますが、その要因の一つは水分が足りなくなって爪がもろくなるということ。また、お風呂に入った後は爪が柔らかくなるので切りやすいのですが、寒くて乾いたところで切るとひびが入ったりするのも、爪の中の水分量が関わっていたのです。もともと爪は水を吸収しやすい分、蒸発しやすいという特性があります。

今回の受賞技術は、75名もの女性の爪を調べ、爪と水の関わりの重要性を一つひとつ検証した上で、ネイルエナメルの中に水を配合する新たな技術を開発したというもの。これによって、水分蒸発を抑えて水分を与える、爪に優しいネイルエナメルの開発が可能になったのです。

どんな技術なの?

スキンケア化粧品でも難しい「油に水を分散させる技術」。
それを、色材も入ったネイルエナメルで実現!

一般的なネイルエナメルは、主に油分と溶剤成分、膜をつくる皮膜剤と色材でつくられています。爪に塗ると溶剤が揮発して皮膜剤が固まることで乾くという原理です。
一方、この技術はネイルエナメルの主成分である油の中に水分を配合するというもの。本来、水と油は溶け合わないので、こうした場合はどちらか一方を微粒子にして、もう一方に均一に分散させる「乳化技術」を使います。通常、スキンケア化粧品で使われる乳化技術には大きく分けて2つのタイプがあり、今回は水を微粒子にして油の中に拡散させるw/oタイプの乳化方法の方です。

化粧品に使われる成分は水に溶けやすいものが多いため、w/oタイプの乳化技術の開発は非常に難しいとされています。しかも今回はスキンケア製品ではなく、ネイルエナメルなので色材も入れなくてはなりません。
ネイルエナメルは爪に色みを加えることで、華やかさや美しさを楽しむもの。当然、色あせたり変色することはもちろん、つやがなくなったり乾くのが遅くなっても、ネイルエナメルの基本要素を満たせなくなります。また、油に水を均一に分散させる乳化には、油の性質が大きく影響します。ネイルエナメルに使用される油(溶剤)は、化粧品に配合される一般的な油とは性質が大きく異なるため、この点も乳化タイプのネイルエナメルの実現を難しくしていました。
こうした難問を試行錯誤の上、一つひとつ解決し、水分を配合した全く新しいネイルエナメルをつくる技術を開発したのです。さらに、この新技術でつくられたネイルエナメルを、30名の女性に実際に塗ってもらい、さまざまなテストを行いました。その結果、これまでのネイルエナメルに比べて塗ったときの圧迫感が少ないこと、爪からの水分蒸発が抑えられたこと、爪への水分補給機能を持っていることが確認されたのです。この技術はその後、「クレ・ド・ポー トリートメントエナメル」に応用されています。

一般的なネイルエナメル

主な乳化の種類