1. Home
  2. 企業情報
  3. Shiseido Talks
  4. 成長に向けて、舵を切る。2030年に向けた中期経営戦略に込めた藤原CEOの想い

成長に向けて、舵を切る。
2030年に向けた中期経営戦略に込めた藤原CEOの想い

2026年2月6日

腕を組み微笑む資生堂社長CEOの藤原憲太郎

株式会社資生堂 取締役 代表執行役 社長CEO 藤原憲太郎

世界は、変化のスピードと不確実性が常態化する時代に入っています。
社会や経済の前提が揺らぐ中で、人々の価値観や消費行動もまた、大きく変わりつつあります。価格や機能だけで選ばれる時代から、共感できるか、自分らしくいられるか、長く信頼できるか──。
生活者は、商品やブランドに対して、より本質的な意味や姿勢を求めるようになりました。

企業にとっては、「何をつくるか」以上に、「なぜ存在するのか」「どのような価値を社会にもたらすのか」が問われる時代です。こうした変化の中で、資生堂は改めて自らの原点と向き合い、次の成長に向けた歩みを進めています。
その先頭に立つ藤原憲太郎CEOは、この時代をどのように捉え、資生堂をどこへ導こうとしているのか──。
CEO自身の言葉で、その想いと展望を語ります。

プロフィール

藤原 憲太郎(ふじわら けんたろう)

株式会社資生堂 取締役 代表執行役 社長CEO
1991年、資生堂に入社。95年に国際事業本部ヨーロッパ担当、2004年資生堂ヨーロッパ欧州物流通センター所長に就任。その後、11年に韓国資生堂社長、18年に資生堂執行役員中国地域CEOなどを経て、2023年1月に社長 COO(最高執行責任者)。25年1月から現職。

覚悟をもって臨んだ改革、その先に見据える成長

2005年に掲げたスローガン「一瞬も 一生も 美しく」。 この言葉は、私たちにとって単なるコーポレートメッセージではありません。人の人生に寄り添い、さまざまな瞬間に美しさを届け、心を癒し、豊かにするということを叶えたい。そのために、「高品質、本物志向、先進性」を追求し、世の中の役に立つものを生み出そうと挑戦を続けています。この姿勢は、創業以来大切にしてきた価値観そのもので、揺らぐことはありません。

アルティミューンとオイデルミンを前に、座って和やかな雰囲気でインタビューに答える資生堂社長CEOの藤原憲太郎の斜めカットの画像

変わらない信念がある一方で、変化する世の中や生活者のニーズに合わせて提供する価値は進化させていく必要があると考えています。新しい価値を届けるために選んだのが、「変わらないために変わり続ける」という経営のあり方です。

こうした考えのもと、今後もたくさんの価値を生み、届け続けるために、2021年からの中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」を皮切りに構造改革を行ってきました。
その中でも2025年は、資生堂にとって構造改革の大きな節目となる年でした。
2カ年計画「アクションプラン 2025-2026」をスタートさせ、安定的に利益を生み出せる事業構造へと転換するため、抜本的な改革に踏み切りました。そこには厳しい意思決定も伴いましたが、私たちが目指したのは単なるコスト削減ではありません。ブランドが本来の力を発揮し、将来に向けた投資を継続できる健全な構造をつくることでした。

その結果、グローバル全体で改革が着実に進み、日本事業では2桁のコア営業利益率を計上するなど、成果が表れ始めています。注力ブランドへの選択と集中により、集中的に投資したブランドが上向き始めたことは、2026年以降の成長に向けた確かな手応えにつながっています。

こうした改革の先に見据えているのが、2030年に向けた中期経営戦略です。 先行きが不透明な時代だからこそ、生活者は共感や納得、信頼といった本質的な価値を求めています。希少性や相対的な優位性だけでは、ブランドは生き残れません。揺るぎない「絶対的な価値」を確立することが不可欠だと考えています。

人を中心に、価値を創り、市場をつくる

この戦略において特に重視しているのが、研究開発を成長の軸に据えるという考え方です。
資生堂は創業以来、科学的な探究心を原動力に、新しい美の価値を生み出してきました。生活者の変化や社会課題を起点に、人の肌や身体、こころを深く理解し、その知見を商品やサービスとして具現化する。その積み重ねこそが、資生堂の競争力であり、他社には容易に真似できない強みだと考えています。
2030年に向けては、R&Dを単なる技術開発の機能にとどめず、ブランド戦略や事業構想と一体で進化させていく。研究の成果が、よりスピーディーに、より広く価値として届く仕組みを整えることで、持続的な成長につなげていきます。

資生堂はこれまでも、人を「一生」という時間軸で捉え、肌悩みを点ではなく線で捉えてきました。そうした考え方に立てば、メディカル&ダーマ領域への進出は必然だったと考えています。これまで優れた技術がブランドごとに分散して見えていた部分もありましたが、今後はコアブランドやコーポレート横断での技術活用を戦略的に進め、価値を最大化していきます。

頬にSHISEIDO ビオパフォーマンス マイクロクリック コンセントレートをクリックしているイメージ画像

SHISEIDO ビオパフォーマンス マイクロクリック コンセントレート

ただし、どれほど明確な戦略や優れた技術があっても、それを現実の価値として社会に届けるのは、常に人です。 だからこそ私は、人と組織のあり方を経営の中核に据えています。専門性を深めながらも、地域や職能の枠を越えて経験を積める環境を整えること。異なる視点や考え方に耳を傾け、他者の声に学び続ける姿勢を育むこと。そうした積み重ねが、変化に強い組織をつくると信じています。

人の一生に寄り添い、未来へ進む

2030年には、日本の総人口の3人に1人が65歳以上になるといわれています。
資生堂が長年培ってきたエイジングケアの知見を生かし、シニア層に向けて「美の健診」という考え方を広げていきたい。将来起こりうるトラブルを早期に発見し、予防につなげる。生涯にわたって一人ひとりに寄り添う存在であり続けることは、私たちの使命だと考えています。

こうした新たな挑戦を支えているのもまた、人の力です。
異なる専門性や経験を持つ人財が集まり、互いを尊重しながら同じ方向を見据えて進む。いま資生堂に最も必要なのは、一人ひとりが力を発揮しながら、組織として前に進む一体感だと感じています。資生堂は過去からも、「異なる価値観に共感し、かけあわせる」ということをしてきました。その積み重ねが、新しい文化や価値観を育んできたことにつながります。そうした組織文化を、今一度強化し、次の成長を支える基盤として根づかせていきたいと考えています。

2026年は、成長に向けたギアが一段上がる年になります。
ブランド、RHQ、サプライチェーンが一体となり、バリューチェーン全体を俯瞰したオペレーショナルエクセレンスを進化させることで、市場環境に左右されず、安定して価値を生み出せる体制へと進化していきます。

美の力で、よりよい世界へ

正面を向いて座り、アルティミューンとオイデルミンを前に、和やかな雰囲気でインタビューに答える資生堂社長CEOの藤原憲太郎の画像

1897年に資生堂初の化粧水として誕生した「オイデルミン」の画像。赤色の化粧水が入った瓶に、資生堂を象徴する椿のイラストが描かれたラベルが貼られている。

1897年 オイデルミン

1917年に資生堂が発売した「着色福原粉白粉七種(七色粉白粉)」の画像。7色の白粉が、1色ずつ正方形の四すみを直線で切った八角形の容器に入っている。

1917年 着色福原粉白粉七種(七色粉白粉)

私たちが掲げるミッションは、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」。
美の力で、人の心を動かし、人生を前向きにし、よりよい世界へとつなげていく。そのために、資生堂はこれからも、技術を磨き、人を育て、価値を創り続けます。

その想いを共有する仲間とともに。資生堂はこれからも美の可能性を信じ、未来へ向けて歩みを進めていきます。