1. Home
  2. 企業情報
  3. Shiseido Talks
  4. いつも、一緒に。一歩を踏み出す瞬間を支える存在として。 ~「マキアージュ」誕生20周年、新ブランドメッセージに込めた想い~

いつも、一緒に。一歩を踏み出す瞬間を支える存在として。

~「マキアージュ」誕生20周年、新ブランドメッセージに込めた想い~

2025年8月21日

榊原萌々

メイクアップブランド「マキアージュ」は、2025年に20周年を迎えました。2005年に誕生して以来、“一歩先のビューティーを提供し、高揚感と自信を与え続ける”ことを後押ししてきたマキアージュ。今回、コミュニケーションターゲットを20代に移行。新しいブランドメッセージは、「きれいは、みんなで進んでく。」。20代をどのように見つめ、彼らと何を共有し、「マキアージュ」はどう進化していくのか? マキアージュのブランドマネージャーである榊原萌々にお話を聞きました。

プロフィール

榊原萌々(さかきばらもも)

2016年大学卒業後、資生堂に入社。ブランドマーケティング職でキャリアをスタート。日本ローカルブランド・グローバルブランドおよびメイクアップ・スキンケアブランドのマーケティング職を経験し、2025年よりマキアージュのブランドマネージャーに就任。

マキアージュ

その時代を生きる人々の背景を捉え、新たなビューティーの提案を通じて、価値観の進化をけん引。

これまでの変遷

2005年:「ビューティ・クライマックス始まる」

キャリアやライフスタイルなど様々な価値観が登場し、世代の憧れは一人ではなくなった時代に、多様化する理想像を都会で生きる女性たちを軸に描く。彼女たちの日常のビューティ・クライマックス=自分史上最高の美の更新を発信し、新たな選択を後押し。

2014年:「いくよ、カワイイの先」

「カワイイ」が席巻した2010年代。年齢的な若さも含まれた「カワイイ」という価値観に対して、さりげない色っぽさが叶うルックなど大人の女性の日常を“ドラマティック”に演出する提案で、世の中の価値観の変化に貢献。

どんな時代でも。一歩踏み出す瞬間を支える存在に

―新しいターゲットである20代についてお聞かせください。

榊原 私の少し下の世代。似たような環境で育ってきたけど私の世代とは少し違う価値観を持っていると認識しています。若いころにコロナを経験するなど、社会の不確実性をリアルに体験しているからこそ、安定、安心が大切で正解に向けて1歩ずつ着実に成長したいというような思いを感じます。
また、個性を尊重しましょうという教育を受けてきた世代でもあります。だからこそ、自分らしさを見つけなきゃいけないという圧力を感じているような印象を受けています。例えば、パーソナルカラー・骨格診断・MBTIが非常に流行っているのも、その影響なのかもしれません。すぐに似合うものを見つけられるというメリットはありますが、反面、自分らしいものはこの範囲、という決めつけに捕らわれがちです。この、自分らしさはコレと答えを求めがちなことを、私たちは「らしさの鳥籠」と呼んでいます。

―新しいブランドメッセージ「きれいはみんなで、進んでいく。」には、どのような想いが込められていますか?

榊原 彼らの願いは一歩ずつ着実な成長。とは言いながらも、今ならもう少し頑張れそうな自分も感じている…でも不安、という揺れ動く感情があることに気づきました。マキアージュは新しい自分と出会うために、いつも背中を押す存在としてありたいと考えています。そして、20年間そうだったと思っています。このブランドのDNAは今の時代のターゲットにも求められているのではないかと思いました。新しいコミュニケーションターゲットに向け、知らず知らずのうちに決めていた制限を超える、新たな可能性を引き出して、いつもと”ちょっとちがう自分”に出会う楽しさを実感してほしい。という視点でメッセージを作成しました。

「みんなで」という言葉には、生活者同士、そしてマキアージュの繋がりを示しています。例えば話題になるオーディション番組では、一人では難しいけれど、 仲間との協力や絆が芽生えることで乗り越えられるというメッセージがありますよね。メイクにおいても、同じようなことが起きていると考えます。メイク界隈や美容垢という言葉が誕生し、SNSを通じたつながりでお互いにアドバイスし合いながら、それぞれの目指す美しさに向かって前に進むというトレンドがあります。生活者がお互いを高めあいながら、自分にとっての「きれい」を見つけることが、まさにメイクカテゴリの新たな文化だと捉えました。 マキアージュは、これをメイクの”エンハンス文化”と定義しています。

「きれいは、みんなで進んでく。」コンセプトムービー

―新たな生活者とコミュニケーションするために、どんな取り組みをされていますか?

榊原 SNSの普及により商品への接点が大きく変わっています。昨年、オムニPBP※1がSNS上でおすすめの使い方を投稿したのですが、その単色のアイシャドウに大きな反響がありました。
以前は商品への主な接点はテレビCMでしたが、生活者の情報収集経路が変化したことから、広告のデジタルシフトを行っています。今年からさらに加速させ、SNSの一般ユーザーがつい投稿したくなる、おすすめしたくなる商品紹介、メイク方法を展開しています。
オムニPBPが個人的に良かった情報を共有し、たくさんの生活者がリアルな世界でもSNS上でもマキアージュについて会話してくれることこそが、マキアージュが目指す「みんなと一緒に進んでいく」を体現できると思います。
  • ※1資生堂の「パーソナルビューティーパートナー(PBP)」のなかでも、SNSやWebカウンセリングなどデジタル上のオムニチャネルで活躍するのが「オムニPBP」

メイクが与える高揚感と、自信の積み重ね

―「使うたび、肌が美しく」というマキアージュの製品開発にいて、こだわりを教えてください。

榊原 マキアージュのDNAでもある常に一歩先のビューティーを提供するうえで、今捉えているのが、使うたび、美しくなる価値です。コロナ禍のスキンケア意識の高まりによるベースメイクへの影響は、コロナの影響が薄れた今も続いていると思っています。また、最近では美容医療が身近になったことやUVケア意識の高まりなどを受け、ベースメイクに求められていることが肌悩みを隠蔽し隠すことから、「肌そのものを美しく演出する」方向に変化しています。
私たちはこのような世の中の生活者の変化に素早く応える存在として、マキアージュならではの新しい価値にこだわっています。

そのこだわりが反映されている代表的な商品としては、「エッセンスリキッド EX」が挙げられます。ファンデーションに美容液を配合するのではなく、美容液の中にファンデーション成分を閉じ込めるという”逆転の発想”から生まれた”資生堂独自の「セラムファースト技術」を搭載し、つけるたび素肌そのものを美しくし、メイクする一瞬が未来の美しさを育んでいくという新しい体験を提供しています。シリーズ累計で累計出荷数は500万個※2を突破しており、たくさんの生活者から評価していただいています。

  • ※2マキアージュ エッセンスリキッドシリーズ 22年2月~25年6月累計出荷数量実績

―素肌を美しく見せるスキンケアを応用したメイクアップを展開(スキニフィケーション)することで、使う人にどのような影響をもたらすと考えていますか?

榊原 メイクは肌そのものに負担をかけるという印象は今でも根強く、最近では成分や使用感にこだわる方も増え、肌に良いものを使いたいというニーズも高まっています。
メイクアップ製品にスキンケアの技術を応用させることで、メイクをしている時だけでなく、メイクをすればするほど素肌にも自信を持てるようになる。そんな前向きな気持ちを引き出せることが、一歩踏み出す後押しになると信じています。

ポイントメイクにも美容成分を配合することで、色持ちを重視してリップを選ぶと唇が荒れてしまうという方にも、機能性と高揚感の両方を楽しんでいただけます。
資生堂の肌研究を生かしたメイクアップブランドだからこそ、使うたび美しさが育まれる。メイクに新しい世界が生まれます。

―特に思い入れのある商品はありますか?

榊原 私自身が商品開発を担当した、8月21日に発売したベース美容液「マキアージュ エッセンスベース EX」です。
みずみずしい使用感とトーンアップの両立という難しい課題を、さまざまな部門の協力があって挑戦することができ、使い心地にこだわった処方が実現できました。
今回発売のベース美容液も、先ほど紹介した「エッセンスリキッド EX」と同じ考えに基づき、下地成分を美容液で包んだ処方です。ですから「ベース美容液」という順番のネーミングなのです。多くの方に手に取っていただきたいです。

ベース美容液「マキアージュ エッセンスベース EX」<化粧下地・日中用美容液>

「人々の記憶に残るブランドに」マキアージュが目指す未来

―マキアージュのブランドマネージャーとして、今後目指していくブランドのあり方を教えてください。

榊原 ブランドマネージャーになって最初にチームのメンバーに伝えたのが、「人々の記憶に残るブランドを作りたい」という想いです。
情報化社会でさまざまな情報が日々インプットされていく一方で、多くのことが記憶から消えていく目まぐるしい時代です。その中でライフステージでの大きな決断をするときや、日常での小さなきっかけとなる場面に寄り添い、振り返ったとき「あの時マキアージュがあって良かった」「マキアージュに勇気をもらった」と思っていただけるような存在になりたいです。
そしてこの先の20年も、その時代を生きる人たちに自信と高揚感を与えられるブランドであり続けたいと考えています。

―最後に、今の時代を生きる人たちの未来とどう向き合っていきたいと考えていますか?

榊原 このブランドに向き合っていく中で、私自身、知らず知らずのうちに自分を枠にはめて、いろいろな可能性を狭めてしまっているということに気づくようになりました。私の思い込みのひとつが「経験がないから無理」ということ。今回「マキアージュ エッセンスベース EX」の開発担当になったとき、商品開発業務の経験がなかったことから、失敗を恐れて挑戦する気持ちを失っていることに気づきました。

とはいえ、マキアージュに評価をしてくださるみなさんの期待を超える商品はお届けしたいという気持ちもある。モヤモヤする中、1人のユーザーとしてマキアージュ商品を使う自分を見つめ、自信のない時や悩んだときは、過去のマキアージュが大切にしてきたことに立ち戻りながら、今の生活者の声を聞く。その後は、自信をもって納得できる商品開発に繋げることができました。一歩踏み出せたと実感した出来事です。
私たちは誰しも、自覚がないままに「らしさの鳥籠」に収まりがちなのではないでしょうか。コンフォートゾーンの一歩外に勇気をもって出たら、実は新しい自分との出会いがあります。マキアージュがその日常から一歩踏み出すきっかけとなれたらうれしいです。
ビューティーのトレンドも常識も変化するなかで、皆さんと一緒に歩んでいけるブランドであり続けたいです。