~自然環境と共生しながら、人の肌を美しくする~
2022年4月4日
資生堂は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」のもと、美の力を通じて社会課題に対して、さまざまなイノベーションに積極的に取り組み、世界中の人々を美しく、笑顔に溢れ、希望に満ちた日々の創出を目指しています。
今回のトピックは、その取り組みの一つとして進めている「海洋環境に配慮したサンスクリーンの開発」について。海の生態系への影響が大きい「サンゴ」に着目し、サンスクリーンの海への影響を調査。その上で、海洋環境と共生するサンスクリーンの商品開発を行っています。研究開発とブランド、それぞれの立場で考える「海洋環境との共生」とは?
ブランド価値開発研究所のアネッサ開発グループマネージャー永禮由布子、同研究所のSHISEIDO開発グループの渡辺百合香、そしてアネッサグローバルブランドユニットのグループマネージャー山崎まりえ、SHISEIDOグローバルブランドユニットのグループマネージャー高野美欧の4名に、話を聞きました。
―はじめに、研究員のお2人に話をお伺いします。資生堂の紫外線研究の歴史は長いそうですね。
永禮 はい。資生堂は100年以上前から紫外線研究をしており、日本で初めてSPFを表示したサンスクリーンを発売したのも資生堂です。目指すのは、太陽のもとで人々が豊かな生活を送れる世界。紫外線から肌を守る技術は、進化し続けています。
―それは、どんな技術なのですか?
―すごい!肌を守るだけじゃなくて、美しくしてくれるとは。
―「海に流れにくい」ことは、海を守ることにも繋がりますね。
―海洋環境との共生を考えるにあたり、サンゴに着目された理由は?
渡辺 以前より、サンスクリーンとサンゴとの関係性は社会的関心も高く、重要なテーマと捉えていました。きちんと実態を調査した上で海洋環境と共生できる商品を開発し、提供するべきだと考え、3年前から研究をスタートしました。
―実際にどんな研究をされたのですか?
―スキンケアもできて、環境にもやさしい。まさに、サステナブルとプレミアムな体験の両立ですね。
―次に、ブランド側のお2人にお伺いします。まずは「SHISEIDO」から。
サステナビリティへの取り組みを教えてください。
高野 海をもっと健やかで美しいものにするために「Respect Oceans, Protect Beauty.」をテーマに掲げ、大きく2つの活動をしています。
1つめは、世界プロサーフィン連盟の「WSL(World Surf League)」と、WSLの非営利団体であり、海洋保護の推進や啓発活動、実践を目指す「WSL PURE」と協同で立ち上げた「SHISEIDO BLUE PROJECT」として行う、ビーチクリーンや植樹活動などの海洋を守る活動。2022年もWSLが世界中で開催するチャンピオンツアーにおいて、ローカルコミュニティーやNGO団体と連携し、ビーチクリーンや植樹活動、サンゴ礁保全などの活動を実施します。
2つめは、自然環境と共生しながら、美しい肌を守るための革新的技術の開発や、サンゴ群体への影響懸念が極めて低い耐水性の高いレジャー用サンスクリーンなどの商品開発です。美を追求することで環境破壊に繋がることはあってはならない、と私たちは考えています。
―サーフリーグとのコラボとは……少し意外です!
―なるほど。納得です!「アネッサ」のサステナビリティへの取り組みはいかがですか?
山崎 「アネッサ」というブランド名の由来は、熱い砂と書いて「熱砂(ねっさ)」という言葉からきています。これには、「太陽のもと、この美しい地球の上で、すべての人が輝き続けられるように」という思いが込められています。
私たちのブランドと自然や環境というテーマは切っても切り離せませんし、ブランドが誕生したときから自然環境との共生を考えています。
サステナビリティという言葉が広く知られるようになってきた今、さらに私たちはこのテーマに真剣に向き合っていく使命があります。2022年からは「太陽のもと、人も地球も輝き続ける世界=SUNstainable
World(SUNステイナブルワールド)」をキーワードに、地球のために・人々のために、サステナビリティ活動を本格化します。
―具体的にはどういったアクションをされていますか?
―山崎さんはお子さんがいらっしゃるそうですが、母親の立場としても子供たちへの啓発活動に意義があるとお考えですか。
―高野さんは、いかがでしょう。
―最後に、今後の展望について聞かせてください。
山崎 資生堂が目指す自然環境との共生や今まで培ってきた技術の根底には、人々の不安を解消し、幸せやわくわくを与えることができるという価値があります。海やサンゴに配慮したサンスクリーンや太陽を味方につけたサンスクリーンなら、思い切り太陽の下での海水浴を楽しめる。私たちアネッサは「太陽のもと、人も地球も輝き続ける世界」を目指し、海洋環境や自然に配慮した活動をしっかり実践していきたいと思っています。
引き続き研究領域と連携し、「自然環境との共生」と「美」の両立を目指し、素晴らしい商品をお客さまにお届けしていきたいです。
高野 これまでは「ネガティブをゼロにする」のが、サンスクリーンの常識でした。でも、太陽は生命の源。これからは、サンスクリーンを通じて、使うほどに肌が美しくなるという既存のカテゴリーの概念を覆すポジティブな商品をどんどん提供できたらと思います。ただそれが人の美を追求するあまり、地球、海洋を傷つけることは絶対にあってはならない。それは、研究員もブランド担当も、全員同じ思いです。
「自然環境と共生」というテーマのもと、お互いにとってポジティブな世界を作り上げていき、美しさを届けていけたらと思っています。
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