資生堂では社員の個の力を発揮し、イノベーションを生み続ける組織風土づくりのためにダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営戦略の柱と位置づけ、なかでも日本における女性活躍を積極的に推進しています。
資生堂グループの80%以上が女性社員です。グループ社員のうち女性管理職はグローバルで58.3%を占めます※。また、取締役・監査役の女性比率は46.2%(2022年4月時点)、日本国内の女性管理職比率37.3%※となっています。女性のエンパワーメントがイノベーションを創出し、資生堂のさらなる成長と社員の自己実現につながると考え、2030年までに日本国内のあらゆる階層における女性管理職比率を機会均等の象徴である50%にすることを目指しています。
日本国内では、1990年代初めから育児・介護休業法に先駆け、育児休業制度、育児による短時間勤務制度を導入するなど、長きにわたり、女性のライフイベントを支援するさまざまな制度や支援策を推進してきました。具体的には、事業所内保育所「カンガルーム汐留(2003年)」「カンガルーム掛川(2017年)」を開設し、いずれも近隣企業や近隣住民にも開放しています。また、2008年には育児による短時間勤務制度を利用する美容職社員の代替要員体制として「カンガルースタッフ制」を導入し、2021年は全国で1,606名の育児期の美容職社員の両立を1,090名のカンガルースタッフが支えています。このような取り組みの結果、国内資生堂グループにおける育児休業からの復職率は99.3%であり、高い水準を維持し続けています。
資生堂は女性リーダー育成塾「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」を開催しており、2021年は48名の女性社員が参加しました。この育成塾は、幹部候補の女性社員がマネジメントや経営のスキルを学びながら、自分らしいリーダーシップスタイルを見つけるプログラムです。リーダーシップを発揮する際に陥りやすい壁に対処する方法を学び、女性リーダーによる講演や社員同士のネットワーキング、コーチング等などを組み合わせています。同プログラムの開始から5年経ち、受講した133名の女性社員のうち44%(59人)が昇格を遂げました。2021年からは同プログラムに女性役員と女性社員のメンタリングを組み込みました。女性役員との対話が、女性社員にとって自分らしいキャリア形成を考えるきっかけとなっています。あらゆる階層における女性リーダー比率を50%に引き上げるためには、女性シニアリーダーを強化しなければなりません。そこで部門・事業所の責任者を務める女性社員をメインターゲットとした新しいコース「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN advanced」を新設し、15名が受講しました。参加者は社長になったつもりで自社のビジョンを設定し、CEOと討議します。10日間かけてさまざまな場面における経営者の意思決定を自分事として考えることで、自身の判断基準を明確化し、重大な意思決定へのプレッシャーに対処するスキルにつながっています。
女性役員と女性社員によるメンタリングプログラム「Speak Jam」では、2020~2021年にセールス、生産、R&Dなどさまざまな領域の30代女性を中心に67名の社員が参加しました。ライフイベントや自己成長とキャリア形成に悩む女性社員に対して、役員がこれまでの自身の経験をもとに対話を実施しました。女性社員はキャリアに対して前向きに考え、役員にとっては女性活躍推進のための課題をクリアにする重要なプログラムとなっています。
女性役員によるメンタリングプログラム「Speak Jam」
その他にも社員の健康や安心・安全、働きがいと、さらなる生産性の向上を通じた事業成長を目指し、「コアタイムのないフレックスタイム制度」への改定や「テレワーク制度の国内グループ全社への展開」、業務の目的に合わせてリモートワークとオフィスワークを柔軟に組み合わせる「資生堂ハイブリッドワークスタイル」を導入するなど、女性に限らずさまざまな属性の社員が働きやすい職場環境の整備を推進しています。
また、2021年からはワークプレイスコンセプト「想像力の交差点」を掲げ、海外、国内を含めた事業拠点となるオフィスのリノベーションを行いました。オフィスでのワークスタイルについて、所属組織の枠を超え、新たなコミュニケーションによるイノベーションの可能性を引き出し、最大限の成果を出す働き方を目指すハード面からのアプローチです。
イノベーションの可能性を引き出す汐留オフィス11F新価値創造フロア
また、2022年5月には、これらの社内における女性活躍推進の取り組みが評価され、『日経WOMAN』(日経BP社)と日本経済新聞社グループの「日経ウーマノミクス・プロジェクト」が実施した「企業の女性活用度調査」において2022年度「女性が活躍する会社BEST100」の「総合ランキング1位」に選ばれました。当社の「総合ランキング1位」は、2016年以来4回目となります。2017年に女性リーダー育成塾「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」を立ち上げ、育成強化を推進。女性管理職比率が37.3%まで向上するなど、女性活躍先進企業して高く評価されました。
日経WOMAN「女性が活躍する会社BEST100」2022表彰式に登壇する日経WOMAN発行人、資生堂代表取締役 常務、日経WOMAN編集長
資生堂のダイバーシティ&インクルージョンに取り組みは、さまざまな団体から表彰を受けました。
今後も、女性に限らず外国人やキャリア採用者など多様なバックグラウンドを持った社員の活躍を支援し、ダイバーシティ&インクルージョンをさらに加速させていきます。
資生堂では、3月8日の国際女性デーを機に、グローバル全社員のジェンダー平等、ダイバーシティ&インクルージョンへの理解を高め、自分事として自発的に改善をすすめることを目的に毎年さまざまな取り組みを進めています。2022年は「文化を通じてジェンダー問題に気づこう」をグローバル横断アクションの共通テーマとして、社内イントラネットに各国・各地域で話題になっている女性の生き方やジェンダーをテーマとした内容の映画、本、アートなどの文化を紹介するジェンダーカルチャーリレーを展開しました。
シンガポールに拠点を置くアジアパシフィック地域本社では、「ジェンダー平等」の啓発を目的に、国際女性デーをテーマに社員一人ひとりの取り組みを社内で宣言するキャンペーンを実施しました。ポートレートや動画の撮影なども呼びかけ、社員の一体化に努めました。また、資生堂のジェンダー平等推進の歴史などをニュースレターにして社員に共有しました。
トラベルリテール地域本社でも、国際女性デーにちなんでブランドのジェンダー平等への取り組みなどをニュースレターにして社内に配信。合わせて、グローバル横断アクションのジェンダーカルチャーリレーへの社員参加をコンテスト形式で募集し、施策を盛り上げました。
米州地域本社では、国際女性デーをテーマにした社員一人ひとりのポートレート写真を社内イントラネットに掲載。社内の自主活動グループ「Women Empowering Women」主導で、社内の女性リーダーとのパネルディスカッションを行いました。
さらに、欧州地域本社では、日本の女性の生き方を描いた映画の社内上映会を実施。映画を通して、異なる地域の多様な女性の生き方を学びました。
資生堂では今後もジェンダーが障壁とならず、誰もが幸福や自由を感じることができ、多様で個性にあふれた世界の実現に取り組みます。
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