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グローバルでの女子教育と経済的自立支援

資生堂では、ブランドおよび海外地域本社が連携して、世界のジェンダー課題解決、女性のエンパワーメントを目的に社会的に厳しい状況にある女性と少女への教育支援、自立支援を行っています。

クレ・ド・ポー ボーテ 女子教育支援の取り組み

2023年4月にグローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」とユニセフ※1は、STEM教育※2や雇用、エンパワーメントプログラムを通じ、ジェンダー格差に取り組むためのパートナーシップを3年間延長すると発表しました。両者は2019年からこの問題に取り組んでおり、3年間のパートナーシップを通じて、350万人以上の少女や若い女性たちを支援してきました。

UNLOCK THE POWER GIRLS

この支援活動を広めるために、本パートナーシップの一環として、2022年においても、店頭を中心に美容液「ル・セラム」を用いたキャンペーン※3を実施しました。同商品の全世界での売上の一部をユニセフの活動に寄付し、バングラデシュ、キルギス、ニジェールなどの国や地域において、少女たちが教育とスキル開発の障壁を克服するための取り組みに活用されました。

2022年の支援活動及び実績の共有を目的に、クレ・ド・ポー ボーテのチームメンバーや資生堂の関係部署150名以上がバングラデシュへのオンライン視察に参加し、ユニセフとのパートナーシップによって実現した主要な取り組みについて学びました。代表的なものとして、ユニセフがバングラデシュ政府や市民団体とともに行った、教育におけるジェンダーに対応したスキルに基づくカリキュラム開発支援や、未就学の少女たちが教育と技能訓練を受けられることを目的とした地域社会での雇用機会につながる代替教育プログラム(ALP)※4などが紹介されました。このオンライン視察では、ALPを受講した生徒や少女たちの親、メンター、コーディネーターが参加し、クレ・ド・ポー ボーテの支援によって少女たちの人生がどのようにポジティブに変化しているかが共有されました。

バングラデシュへのオンライン視察の様子

バングラデシュへのオンライン視察の様子

また、資生堂は、2022年9月に、クレ・ド・ポー ボーテが日本ユニセフ協会への寄付を通じて、世界中の少女たちへの教育およびエンパワーメントの活動支援に対する功績が認められ、国より紺綬褒章に係る褒状を受章しました。

紺綬褒章に係る褒状授与の様子

紺綬褒章に係る褒状授与の様子
左) クレ・ド・ポー ボーテ チーフブランドオフィサー
右) 公益財団法人 日本ユニセフ協会専務理事

また、同ブランドでは2019年よりグローバルチャリティープログラム「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」※5を設立し、教育を通じて少女たちの社会的地位向上、女性のエンパワーメントを推進するため、毎年女子教育に貢献した女性を表彰しています。
第5回目となる2023年のアワードでは、ベトナムにおけるSTEM教育の過疎や貧困による機会格差や地域社会の男女差別をなくすために活動している生物学の教師でベトナム・ハノイ出身のダオ ティ ホン クエンさんを選出しました。クエンさんはジェネシス校の科学科の責任者として、科学プログラムの開発を担当。STEM教育における男女格差を解消し、ジェンダーに対する偏見に取り組むことで教育を普及させ、少女たちを支援しています。

これらのチャリティープログラムを支援するための寄付は、美容液「ル・セラム」のグローバル売上から拠出されます。

ダオ ティ ホン クエンさん

「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」2023年受賞者ダオ ティ ホン クエンさん

今後もクレ・ド・ポー ボーテは、社会にポジティブな影響をもたらす女性、そして外見だけでなく内面的な美しさや強さを目指す女性たちを応援し、彼女たちの輝く力を世の中に還元していきます。

  1. ※1:ユニセフは特定の企業やブランド、商品、またはサービスを推奨するものではありません
  2. ※2:STEM=科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)・数学(Math)の教育分野を総称した名称
  3. ※3:「ル・セラム」を1本購入するごとに、その売上の一部を少女たちの教育とエンパワーメントを促進するユニセフの活動へ寄付するCRM(Cause Related Marketing)キャンペーン
  4. ※4:代替教育プログラム(ALP)the Alternative Learning Program バングラデシュで、最も脆弱な立場にある未就学の青年期の少女たちを対象とした新しい進路のひとつで、教育と技能訓練を受けることにより、地域社会での雇用機会へとつなげるプログラムのこと
  5. ※5:「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」の寄付金は、受賞者が選定する女性の教育推進のために活動する慈善団体へ寄付されます

トラベルリテール地域本社 経済的に厳しい環境にいるカンボジアの女性の就労支援の取り組み

トラベルリテール地域本社では、2020年より「Friends-International」とパートナーシップを結び“Empower Her”プロジェクトの支援を行ってきました。このプロジェクトでは、教育とエンパワーメントを通じて貧困の連鎖を断ち切ることを目的に、カンボジアの経済的に厳しい環境にいる女性を対象とした美容訓練プログラムを提供し、美容業界への就労を支援してきました。資生堂は、寄付金や製品提供のほか、美容訓練のカリキュラム構築に関与するなど積極的な支援を行っています。2022年は134名の女性がトレーニングを受け、45名が就労の機会を得ました。

美容トレーニングの様子

美容トレーニングの様子

親と離れて施設や里親のもとで暮らす子どもたちの自立・進学支援

公益財団法人 資生堂子ども財団※1は、「すべての子どもが笑顔にあふれ、自分らしく輝く社会」の実現を目指し、社会に巣立つ子どもたちの未来を後押しする「⼦どもへの⽀援」、子どもを育む人に必要な情報を届ける「子どもを育む職員への支援」、子育てに関わる大人に役立つ情報を届ける「広く一般の方々に向けての情報発信」の活動に取り組んでいます。
なかでも、「⼦どもへの⽀援」として、資生堂ジャパン株式会社、株式会社AOKI、株式会社リクルートなどの企業・団体と協働し、社会的養護※2下で暮らす中高校生を対象として自立生活に必要な社会的知識を専門家から学ぶ「自立支援セミナー」を開催しています。これまで行った自立支援セミナーには、300名以上の子どもたちが参加しました。また、大学・短大・専門学校への進学支援として2007年に開始した奨学金事業では、2022年までに81名の奨学生を支援してきました。
その他にも、「子どもを育む職員への支援」として児童福祉施設職員向けの研修の開催や、「広く一般の方々に向けての情報発信」として日本各地の児童虐待防止啓発イベントや子育て家庭向けセミナーへの助成なども行っています。

資生堂子ども財団

2022年法人名称変更を機に刷新した
ロゴマーク

身だしなみ講座の様子

身だしなみ講座の様子

  1. ※1:2022年10月、設立50周年を機に、法人名称を資生堂社会福祉事業財団から資生堂子ども財団に変更
  2. ※2:「社会的養護」とはさまざまな理由で親と暮らせない子どもたちを、公的責任で保護し、社会的に養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うこと。日本では約4万2,000人の子どもたちが社会的に養護されています