小村雪岱展 ―挿絵、装幀、雪岱版画―
2014年10月1日(水)― 12月14日(日)
資生堂アートハウスでは秋の特別展として、「小村雪岱展 -挿絵、装幀、雪岱版画-」を開催しました。
小村雪岱は1887年埼玉県川越市に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科選科を卒業。在学中より泉鏡花の知遇を得、1914年に『日本橋』の装幀を手掛けて以降、数多くの鏡花本の装幀を手掛けました。在学中は下村観山教室で学んだ雪岱ですが、日本画のみならず、小説の挿絵や書籍の装幀、舞台芸術の分野では装置や衣装、時代考証にも優れた才能を発揮し、昭和初期から太平洋戦争前夜の1940年に急逝するまで、幅広い活動を精力的に繰り広げ、時代を代表する創作者として活躍しました。
また、1918年から1923年にかけては弊社宣伝部の前身である資生堂意匠部に所属し、和風のデザインを手掛けるほか、現在まで受け継がれている「資生堂書体」の基礎を築きました。
今回の展覧会は、資生堂アートハウスと資生堂企業資料館のコレクションの中から、新聞小説や単行本の挿絵原画、装幀本に加え、雪岱版画の数々、さらには資生堂に関連する出版物や商品など約80点で構成し、小村雪岱の多彩な魅力を紹介しました。