「人間国宝 磯井正美展 高松の漆芸 蒟醬の美と芸術」
2012年10月2日(火)― 12月16日(日)
現代の讃岐漆芸における代表的存在であり、蒟醬(きんま)の技法で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された、磯井正美(いそい まさみ・1926-)の展覧会を開催しました。
磯井正美は細やかな心配りの下にモチーフの多くを自然から採り、植物や生き物はもとより、陽炎や波など変転する自然現象までをも自在に表現する独自の作風を確立しました。また、彫りや塗り、素地についてもさまざまな技法を創始し、蒟醬の世界にこれまでには求め得なかった清新な表現をもたらしました。
磯井正美と資生堂の縁は、資生堂が1975年から95年にかけて開催した「現代工藝展」に始まります。
磯井は1978年の第4回展からメンバーとして参加し、作歴を代表する作品を次々に出品しました。
今回の展覧会は、国内最大の磯井コレクションを所蔵する高松市美術館をはじめ、美術館や個人所蔵家の協力の下、初期から近年までの代表作47点ならびに周辺資料を集め、人間国宝 磯井正美の芸術とその制作の歩みを紹介した回顧展となりました。