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過去の展覧会 2006年

「館蔵日本画銘品展 2」

2006年10月6日(金)― 2007年1月28日(日)

前年開催し好評をいただいた「館蔵日本画銘品展」の第2弾を開催しました。
資生堂は芸術文化支援を目的に銀座の資生堂ギャラリーで展覧会を主催し、出品作を収集することによって美術品コレクションを築いてきました。「椿会美術展」は資生堂主催の展覧会を代表するグループ展で、1947年に始まり現在まで6期にわたって継続されています。
この展覧会には、奥村土牛、上村松篁、岩橋英遠ら「第3次椿会美術展」(1974-1990)のメンバー8名による風景画、花鳥画、人物画25点を展示。また、同時期館内の別会場では、田口善國ら4名の人間国宝による漆芸展を開催。日本画と漆芸、いにしえから育まれた日本人の美意識を堪能していただける機会になったとなりました。

「香水瓶の100年」

2006年7月7日(金)― 10月1日(日)

20世紀初頭から現代に至る約100年間に作られた香水瓶60余点による展覧会。
20世紀は香水が飛躍的に普及、発達した世紀でもありました。フランスにおける香水製造は産業に結び付き、さまざまな香水が欧米を中心とした幅広い階層の人々に浸透していく大きな要因となりました。
それに呼応するように香水を入れる容器にも工夫が凝らされるようになります。ことに、アール・デコの時代(1920〜1930年代)には一つの黄金期を迎えることとなり、この時代に制作された香水瓶の芸術性の高さ、幅広いバリエーションはルネ・ラリックに代表される傑出したガラス工芸家の活躍もあり、他の時代の追随を許さないものがあります。
出品された香水瓶は資生堂企業資料館のコレクションによるもので、同館の蒐集の傾向からルネ・ラリックの作品が中心となっています。およそ一世紀前に始まった近代香水瓶の幕開けと、各々の時代の美術様式に密接に結び付きながら発展してきたその歴史を知っていただく機会となりました。

「鈴木治作品展-抽象陶芸と用の器」

2006年4月7日(金)― 7月2日(日)

前衛陶芸の旗手として活躍した鈴木治(すずきおさむ・1926-2001)の作品展を開催しました。
暮らしの道具として私たちの身の回りで用いられてきた陶磁器ですが、1950年代から少数の作家により、用途を目的としない焼物が創作されるようになりました。土と火を用いた純粋な自己表現としての鈴木の仕事は、焼物を実用という目的から解き放ち、芸術の世界に新しい一分野を築いたものであり、工芸の分野にとどまらない高い評価を受けました。
この展覧会では、資生堂が主催した「現代工藝展」(1975-1995)への出品作と共に、器の制作においても名手であった鈴木が手がけた、皿や壺などの実用的な陶磁器をあわせた60余点を展示。
抽象性の強い造形物としての焼物はもとより、使いやすく多様な日々の器を自ら作り続け、暮らしの中で楽しんだ作者の、焼物に対する真摯な情熱を感じ取っていただく機会となりました。

「油彩で描く風景画の世界」

2006年1月11日(水)― 4月2日(日)

わが国において名所や旧跡、山水画の伝統、あるいは文学的な主題から離れた「ただの風景」が絵画の主題となったのは、それほど古い時代ではありません。「風景画」という言葉は、1897年(明治30)に創刊された『美術批評』誌に初めて用いられ、その後1899年開催の「白馬会展」より、作品のタイトルに「風景」の語彙が多用されるようになりました。この時期を境に、絵画のジャンルに風景画が取り入れられたといえるでしょう。あらためて考えてみれば、「風景」はすでに存在しており、その空間に眼差しを向けた者によって初めて価値が認められることになったのです。
資生堂アートハウスでは、風景表現として、さまざまに発展、確立していった近現代の「風景画」に焦点を絞り、収蔵品の中から20余点の油彩による風景画を展覧。
画家の眼差しによって切り取られ、キャンバスの上に再現された、風景画の世界を鑑賞いただきました。