「牛島憲之・森芳雄 回顧展」
1999年9月30日(木)― 12月24日(金)
1997年に相次いで逝去した洋画界の重鎮、牛島憲之と森芳雄の回顧展を開催しました。
この回顧展は、資生堂が主催した「第三次椿会美術展」の第1回展からのメンバーであった二作家の業績をしのび、同展への出品作、牛島16点、森12点によって構成しました。
牛島憲之は1900年熊本県に生まれ、東京美術学校(現在の東京藝術大学)西洋画科で学びました。長い生涯にわたって風景画の制作を続け、絵という西洋の技法を用いながらも、我が国ならではの風土の美しさを細やかな叙情に満ちた作風で表現しました。
牛島の描いた静謐で夢幻的な作品世界は多くの人々の心をとらえ、1983年には文化勲章を受章するなど、我が国を代表する洋画家として活躍しました。
森芳雄は1908年東京に生まれ、慶應義塾普通部を卒業後、本郷絵画研究所に入所。23歳から26歳にかけてはパリに遊学しヨーロッパの芸術に広くふれました。戦後の1950年に発表した「二人」によって広く認められ、重厚な画風によるヒューマニティにとんだ人物画を中心に数多くの作品を発表し、高い評価を得ました。