メニューを開く
メニューを閉じる

過去の展覧会 2007年

「高山辰雄展」

2007年9月28日(金)― 11月25日(日)

日本画壇の最高峰として活躍した 山辰雄画伯は、1912年大分市に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、日本画家としての道を一筋に歩んでこられました。資生堂主催の「第3次椿会美術展」では創設メンバーとしてご参加いただくなど、資生堂ギャラリーにおいて 山画伯が発表された作品は現在分かっているだけでも58点を数えています。
この展覧会では、資生堂ギャラリーに関連のある作品を中心に37点を展覧。70余年におよぶ 山画伯の画歴をふり返れば、本展で語りつくせるものではありませんが、およそ皮層的な事物に重きが置かれる現代において、この世の理を絵画によって解明しようと試み、たゆまぬ創作を繰り広げてきた 山画伯の業績は芸術がもつ力とその未来を確信させてくれるものです。
本展に展示された作品をご覧いただくことで、絵画という表現様式が 山画伯を得たことによって、いかに喚起力に満ち、いかに芳醇な成果を勝ち得たかを知っていただく機会になったと存じます。

「美のかたち 身近な美術-工芸に親しむ」

Part1. 5月11日(金)― 7月8日(日)
Part2. 7月12日(木)― 9月24日(月)

収蔵品の中から工芸品による展覧会を開催しました。
資生堂は芸術文化支援を目的に銀座の資生堂ギャラリーで展覧会を主催し、出品作を蒐集することによって美術品コレクションを築いてきました。1975年から1995年にかけて開催した「現代工藝展」は工芸諸分野の作家に制作を依頼したもので、20年に及んだ同展に参加した作家は延べ19名、その内12名が会期中に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されるなど、その質の高さにおいて衆目を集めるものでした。この展覧会は会期を前後に分け、「現代工藝展」に参加した人間国宝の作品を中心に、18名の作家による60余点を展覧しました。
Part1は加守田章二、十三代 今泉今右衛門、藤本能道、松井康成(陶芸)。染川鐵之助、内藤四郎、西 大由(金工)。岩田久利、岩田藤七(ガラス)。Part2は赤地友哉、磯井正美、田口善國、増村益城(漆芸)。八木一夫、清水卯一、鈴木 蔵、田村耕一(陶芸)。飯塚小 齋(竹工)。用途を目的に制作され発展してきた工芸は私たちの身近にある芸術です。この展覧会は、現代におけるその頂点ともいえる数々をご覧いただける貴重な機会となりました。

「椿の花の展覧会」

2007年2月2日(金)― 5月6日(日)

椿は長い時代を通じて日本人に愛されてきた花樹で、古くは万葉集によまれ、人々の生活とも深くかかわってきました。また、迎春や結縁を象徴する縁起の良い花として、さまざまな分野の美術品にとり上げられてきました。
この展覧会は収蔵品の中から、山口蓬春や伊東深水などの日本画、中川一政や林武などの油彩、北村昭斎、田村耕一らによる漆芸や陶芸、椿百余種を描いた「百椿図」など、椿を題材にもとめた美術品を展示しました。
花椿は資生堂の商標でもあり、資生堂と椿のイメージは分かちがたく結び付いています。そこには、常に緑をたたえ、年毎に新たな花を咲かせる椿に託して、衰えぬ美しさを願う心が込められています。