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過去の展覧会 1998年

「志村ふくみ展」

1998年12月1日(火)― 25日(金)

1924年滋賀県に生まれた志村ふくみは、植物染料による染色と手繊紬の制作に長年にわたり取り組んできました。木漆工芸家・黒田辰秋、陶芸家・富本憲吉らの薫陶を受けつつ、紬織における新しい可能性を追求し、自己の内的感情を濃やかに織りだした作品により染織工芸に新しい世界をもたらしました。1990年には「紬織」の技法によって重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、現代を代表する染織作家の一人として活躍しています。
この展覧会では1986年から1995年にかけて、資生堂主催の現代工藝展に出品された作品10点に加え、写真家・井上隆雄氏によるポートレートや作品写真、インタビューパネルなどを展示し、志村ふくみの紬織の世界を紹介しました。

「資生堂ゆかりの作家たち展 / 資生堂意匠部展」

1998年9月1日(火)― 11月29日(日)

資生堂意匠部は1916年、宣伝制作物やパッケージデザイン、店鋪設計などを担当するセクションとして発足しました。当時のメンバーには、矢部季、小村雪岱、高木長葉などの画家が名を連ね、写真家としても知られた初代社長・福原信三の陣頭指揮の下、現在まで続く資生堂のデザインポリシーが生まれました。
この展覧会ではアートハウス開館20周年を記念し、資生堂デザインの基礎を築いた当時の部員による作品に加え、資生堂意匠部やその周辺との関わりの深かった作家たち、梅原龍三郎や富本憲吉などによる絵画や工芸品を展示しました。

「上村松篁展」

1998年6月2日(火)― 8月30日(日)

上村松篁は1902年京都に生まれました。女流作家・上村松園の長男として、豊かな美術的環境のもとに育ち、1930年、京都市立絵画専門学校研究所を修了。帝展や文展において将来を期待されながらも、1948年「創造美術」を結成し、96歳の現在まで旺盛な創作活動を繰り広げています。透徹した自然観察を礎に描かれた繊細優美な花鳥画の世界は、多くの人々を魅了し、1984年には文化勲章を受章するなど、現代を代表する日本画家の一人として活躍しています。本展では、資生堂アートハウスが収蔵する作品16点に加え、インタビューパネル、写真家・飯島幸永氏によるポートレートなどを合わせて展示し、さまざまな角度から上村松篁の芸術を紹介していきました。

「館蔵絵画と具象彫刻展」

1998年3月17日(火)―5月31日(日)

資生堂アートハウスが収蔵する絵画18点、彫刻12点による展覧会。
銀座の資生堂ギャラリーは、1919年に開設されました。近代画廊の揺藍期にあたるこの時期、無名の若い画家たちに、作品発表の場を無償で提供することから始まった同ギャラリーでは、現在までに3000回を越える展覧会が開催されています。
この展覧会は、資生堂の主催により資生堂ギャラリーで開催された展覧会に出品され、現在アートハウスに収蔵されている作品を中心に構成されました。