価値創造の歩み
資生堂の価値創造において、「多様なプロフェッショナル人財」や「ビューティーイノベーション」は、特に重要な経営資源です。これらは、長い歴史の中で進化と研鑽を積み重ね、資生堂ならではの価値創造の源泉となるとともに、今後も成長を続けるための「価値創造ドライバー」となっています。

EVOLUTION OF
OUR INNOVATION

取り組みの変遷

研究体制

資生堂は、創業間もない頃から科学的なアプローチを取り入れ、研究活動を化粧品の研究開発の礎としてきました。その体制も時代とともに進化を果たし、2021年からは新たなR&D体制をスタートさせています。

  • 1916
    • 研究開発部門の草分けとなる「試験室」開設
  • 1939
    • 試験室が発展し「資生堂化学研究所」を開設
  • 1968
    • 横浜に「資生堂研究所」を開設
  • 1989
    • 「マサチューセッツ総合病院/ハーバード医科大学付属皮膚科学研究所(CBRC)」をアメリカ・ボストンに開設。皮膚・毛髪科学領域の共同研究を開始
  • 2000
    • 資生堂研究所が「資生堂リサーチセンター」に改称
  • 2001
    • 北京に研究所を設立。中国の化粧習慣・肌・毛髪の研究や商品開発に着手
  • 2014
    • 神戸に「資生堂細胞加工培養センター(SPEC)」開設
  • 2019
    • 「多様な知と人の融合」をコンセプトに、横浜に「グローバルイノベーションセンター(GIC)」開設
    • GIC主導のオープンイノベーションプログラム「fibona」取り組み開始
  • 2021
    • 「ブランド価値開発研究所」と「みらい開発研究所」による新R&D体制に移行
    • 中国・上海で美容・健康産業特区「東方美谷(The Oriental Beauty Valley)」に、新研究開発拠点を設置し、本格的な研究活動開始

基礎研究

お客さまのライフスタイルや社会の変化に伴い資生堂の研究領域は拡大しており、中でも100年以上にわたる基礎研究で「感性研究」「マテリアルサイエンス」「皮膚科学」といった領域では確たる競争優位を有しています。

  • 1948
    • 資生堂化学研究所再開に伴い、安全性テストの採用をはじめ化粧品開発を近代科学領域に発展
  • 1960s
    • 従来の物理化学研究に加え、皮膚科学、毛髪研究に注力(安全性や有用性、心理学的研究、色彩・色材、化粧品の分析技術、容器材料研究など総合的なアプローチを開始)
  • 1983
    • 加齢とともに、減少する肌のコラーゲンに着目した技術を開発
  • 2000
    • 化粧品開発と医薬品、食品、安全性、環境、感性など幅広い分野で統合的に研究を開始
  • 2014
    • 真皮幹細胞に着目しコラーゲンを産生させる技術を開発
    • 水・汗に触れても紫外線防御効果が落ちずに高まる技術を世界で初めて開発
  • 2018
    • シワやたるみを瞬時に隠す人工皮膚形成技術「Second Skin」取得
      化粧品ビジネスの新領域の開拓
  • 2020
    • AIを活用した皮膚解析の新技術「デジタル3Dスキン™」を開発

製品開発関連

資生堂では、自社の基礎研究にて強み領域を確立するとともに、外部の先端技術を融合させることで、お客さまへの提供価値を高めています。近年では、人工知能(AI)、デジタル(アプリなど)、美容機器や再生医療、サステナビリティなどとの融合を図ることでビューティーウェルネス領域の開拓・強化を加速しています。

  • 1926
    • つめかえ可能な粉白粉を発売
  • 1956
    • 戦禍などによる、やけど跡をカバーするファンデーション「資生堂スポッツカバー」を発売
  • 2017
    • スマートフォンでの肌測定と肌の状態に基づく美容アドバイスにより、生活者の美肌づくりをサポートする、アプリケーションソフト「肌パシャ」を公開
  • 2019
    • 紫外線防御剤のサンゴへの影響評価について共同研究を開始
  • 2020
    • 独自に手荒れに配慮した手指消毒液(指定医薬部外品)を新たに生産
    • 日本の素材メーカー (株)カネカが独自に開発した「カネカ生分解性ポリマー Green Planet™」を容器素材に100%使用した製品を発売
  • 2021
    • 非接触で肌内部の状態の測定を行う店頭機器「Beauty Alive Circulation Check(ビューティー・アライブ・サーキュレーションチェック)」を開発、グローバルにてサービス提供を開始
    • 紫外線を、肌に良い作用をもたらす可視光(美肌光)へと変換し、環境と共生しながら美へ導く革新的技術を開発
    • 特許技術「Second Skin」を取得後3年の研究開発を経て「ビオパフォーマンス セカンドスキン」を商品化

研究実績

資生堂は、世界最大の化粧品研究発表会「国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)」において、受賞回数は合計29回(うち最優秀賞は25回)となっており、他社の追随を許さない受賞実績は技術力の高さの証といえます。
これまでの受賞技術は積極的に製品開発に応用しています。資生堂は、今後も研究開発力を強みとして、革新的な価値を提供し続けていきます。

  • 1976
    • 第9回IFSCCボストン大会にて最優秀賞を初受賞
  • 2017
    • 有効成分純粋レチノールによるしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて取得
  • 2020
    • 第13 回中国化粧品学術研討会にて、優秀論文として「1等賞」、「2等賞」、「3等賞」をトリプル受賞
  • 2021
    • IFSCCカンクン中間大会2021 にて最優秀賞受賞(資生堂の受賞は通算29回)

R&D理念の制定

2021年には、基礎研究や製品開発で発揮される独自のR&Dの理念として、DYNAMIC HARMONYを制定しました。

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