戦略の進捗

事業ポートフォリオの再構築

サプライネットワーク戦略DXの加速
TRANSFORMATION

事業ポートフォリオの考え方

資生堂グループは、2021年に策定した中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のもと、スキンビューティー領域をコア事業とする事業構造へと転換しながら、抜本的な経営改革を実行し、2030年までにこの領域における世界のNo.1企業になることを目指しています。

その中で、2021年から2023年の3年間は、「Skin Beauty Company(スキンビューティーカンパニー)」としての基盤を構築すべく、「事業ポートフォリオ再構築」、「収益性改善」、「デジタル変革」を柱とするグローバルトランスフォーメーションに取り組んでいます。
事業ポートフォリオについては、資生堂が強みを持つとともに高い市場成長が期待できるプレミアムスキンビューティー領域をコア事業として、それらに経営資源を集中させ、グローバルで独自の価値を有するブランドの育成や美容機器やインナービューティーカテゴリーをはじめとした新たな事業開発を進めていく方針です。

この経営方針に基づき、2021年は、「変革と次への準備」の年と位置付け、事業・ブランドの譲渡などの困難な判断も先送りをすることなく実行しました。2月にパーソナルケア事業の譲渡・合弁事業化、4月に「Dolce&Gabbana」グローバルライセンス契約の解消、8月にプレステージメイクアップブランド「bareMinerals」、「BUXOM」、「Laura Mercier」の譲渡を発表しました。いずれも、これらのアクションが、対象事業・ブランドのポテンシャルを最大化することにより今後のさらなる成長を実現し、ひいてはお客さまや取引先の皆さまへの貢献につながるものと判断しました。

構造改革に関しては、グローバルトランスフォーメーション委員会で100回以上の議論を行ったほか、これらの事業譲渡等の意思決定に至るまでには、取締役会で複数回にわたり、さまざまな観点からの意見が出され、いくつもの可能性を十分に検討するなど活発な議論がなされました。また、構造改革は各地域本社がそれぞれの責任、オーナーシップのもと主導的に実行力をもって推進すると同時に、グローバルトランスフォーメーション委員会が議論・承認・サポートを行うことで、スピード感をもって改革を実現してきました。

なお、これら3案件にかかわる、2021年業績への直接的な財務影響(特別損益)は以下のとおりです。

(億円)
2021年
パーソナルケア事業譲渡・
合弁事業化
853
「Dolce&Gabbana」
グローバルライセンス契約解消
△365
※うち、商標権減損△156
プレステージメイクアップブランド
「bareMinerals」
「BUXOM」
「Laura Mercier」の譲渡
△82
※うち、のれん減損△74

パーソナルケア事業譲渡・合弁事業化

ヘアケアブランド「TSUBAKI」やスキンケアブランド「SENKA」などを展開するパーソナルケア事業は、付加価値の高いブランド・商品を、日本をはじめ中国、アジア各国・地域に展開し、長い間多くのお客さまからのご支持をいただいてきました。一方で、パーソナルケア事業はプレミアムスキンビューティー領域とは競争環境やビジネスモデル、研究領域なども異なります。従って、さらなる成長・発展のため、戦略的オプションを幅広く検討した結果、パーソナルケア事業を独立させ、マスビジネスに特化した柔軟な戦略や迅速な意思決定・価値創造力の高い人財の育成等、成長投資の強化を可能にする事業環境を整えることこそが、対象事業・ブランドおよび社員のさらなる成長・発展、ひいてはお客さまやお取引さまへの貢献につながるものと判断しました。
具体的には、同事業を、投資先企業の中長期的な企業価値向上に豊富な実績を有するCVC Capital Partnersに譲渡するとともに、当社は同事業の運営会社への35%の出資を通じて合弁事業化しました。今後も資生堂は、同社と協力して同事業を運営していきます。本件の進捗概要は以下のとおりです。

2021年2月
当該事業譲渡に関する基本契約を締結
5月
国内事業の承継先となる株式会社ファイントゥデイ資生堂を設立
(代表取締役 社長 兼 CEO 小森哲郎)
7月
日本・中国の事業譲渡完了
9月
香港・アジアパシフィック(ベトナムを除く)の100%子会社の資産譲渡完了
2022年以降順次
アジアパシフィックの合弁会社およびベトナム子会社における当該事業の資産譲渡(予定)

詳細は下記東証開示および本件に関するCEOメッセージを参照ください。

「Dolce&Gabbana」グローバルライセンス契約解消

資生堂は、欧州地域本社においてフレグランス事業を担うBeauté Prestige International S.A.S.を通じ、2016年10月1日にDolce&Gabbana社とグローバルライセンス契約を締結し、フレグランス、メイクアップ、スキンケア商品の開発、生産および販売・マーケティングを行ってきました。

「WIN 2023 and Beyond」における事業ポートフォリオの再構築を検討する中、資生堂とDolce&Gabbana社は協議を重ね、2021年4月、グローバルライセンス契約を解消することについて合意しました。
本契約の解消に伴い、すべての市場での本ライセンス契約に関する事業展開が2021年12月31日を効力発生日として終了しました。また、本ライセンス契約解消以降、2022年末までグローバルでの生産・販売を継続する契約を締結しています。

詳細は下記東証開示を参照ください。

プレステージメイクアップブランド「bareMinerals」、「BUXOM」、「Laura Mercier」の譲渡

「WIN 2023 and Beyond」を推進し、ブランドの優先順位付け、ポートフォリオの最適化および競争優位性の強化を図る中、2010年に買収した「bareMinerals」と「BUXOM」、2016年に買収した「Laura Mercier」のメイクアップ3ブランドについては、従業員の雇用を優先事項としながら、外部パートナーへの事業譲渡を選択しました。

複数の候補企業について検討を進めた結果、1984年に設立され、消費財メーカーへのグローバルでの投資実績のある大手プライベートエクイティファンドAdventグループに譲渡することとしました。同社は、これら3ブランドへのマーケティング投資を強化でき、かつ事業拡大にかかる豊富な実績で、グローバルな成長を実現できると判断したためです。具体的には2021年12月、当該3ブランドに関連する資産(Shiseido Americas Corporationの100%子会社で、「bareMinerals」の日本での運営会社であるベアエッセンシャル株式会社の全株式を含む)を、Adventグループが本件のために設立したAI Beauty Holdings Ltd.に譲渡しました。

詳細は下記東証開示を参照ください。

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