MESSAGE

財務戦略

不透明な経営環境の中でも、
将来の成長基盤への投資は緩めず、
キャッシュを最大化し、
資本効率向上を実現していきます。

取締役
エグゼクティブオフィサー
チーフファイナンシャルオフィサー(最高財務責任者)

横田 貴之

中長期経営戦略

KEY FIGURES

2023年
ROIC

14

2023年
ROE

18

2023年
EBITDAマージン

20

Q1.2021年の財務面での総括をお願いします。

2021年は、前年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大に伴う厳しい経営環境でしたが、スキンビューティーブランドの成長拡大、DXの加速、および各地域主導の構造改革の実行など「WIN 2023」の主要戦略を確実に実行しました。また、市場環境に合わせた迅速なコストマネジメント・固定費削減も進み、強固な収益基盤を構築できたと評価しています。
また、CFOに就任して1年間、構造改革に取り組むと同時に、厳しい経営環境の中でも、新工場やDX・IT投資といった将来に向けた成長基盤への投資は緩めることなく実施してきました。こうした投資原資を生み出し、資本効率を高めるために、在庫削減や市場の変化に合わせたコストマネジメントなどさまざまな戦略アクションを推進した結果、キャッシュを創出できる、強固な財務基盤を持つ会社へと進化できていると考えています。

(億円)
2019年
2020年
2021年
売上高
11,315
9,209
10,352
営業利益
1,138
150
416
親会社株主に帰属する
当期純利益(損失)
736
△117
424
EBITDA
1,693
714
1,726
ROE(自己資本利益率)
15.6%
△2.4%
8.2%
ROIC(投下資本利益率)
12.9%
1.3%
3.3%
在庫回転日数(DSI)
237日
269日
218日
フリーキャッシュフロー
△1,273
△60
1,866

Q2.「WIN 2023」で掲げたKPIの進捗(営業利益率、在庫削減、生産性向上)、具体的な施策(できたこと、今後の重点課題)、2022年の位置づけを教えてください。

2023年の営業利益率15%という目標に対して、計画したアクションは予定通り進捗しています。原価率については、スキンビューティーブランドの成長拡大に伴うプロダクトミックスの改善、各地域での需要予測精度向上による偏在在庫の削減等により改善しました。販売管理費については、デジタルおよびクロスボーダーマーケティングなどへの戦略的投資によるマーケティングROIの改善、構造改革に伴う固定費の適正化、市場変化に合わせたコストの最適化等により効率化が進んでいます。特に、米州・欧州で、全社の営業増益266億円のうち90%を超える貢献を両事業で実現するなど、構造転換の効果が着実に現れています。
在庫の効率性については、本社サプライネットワーク部門だけでなく、各地域でも在庫削減に係るKPIを設定・コミットし、AIを活用した需要予測精度向上や調達・生産・物流のリードタイム削減等により改善を進めました。その結果、在庫回転日数(DSI)は、2020年の269日から2021年は218日と大幅に縮減できており、「WIN 2023」目標の200日に対しても順調に進捗しています。これにより、運転資本の効率性も高まり、キャッシュ創出に確実に結びついています。
今後の重点課題は、2021年に実施した構造改革および成長投資の効果をしっかりと実現させることです。構造改革により、SKUおよび在庫削減、固定費の最適化、スキンビューティー領域へのフォーカスによるミックスの改善等が期待され、生産性も向上していくと考えています。こうした効果をさらに加速させるための必要なアクションを実務に落とし込み、目に見える形で効果を発現、さらなる増益、マージン改善を目指します。

Q3.資本戦略・キャッシュアロケーションの考え方についてご説明ください。

「WIN 2023」の財務目標であるROIC14%、ROE18%に向けては計画通りに進捗しています。
当社では過度なレバレッジによりROEを高めるのではなく、実質的な収益力とキャッシュ創出力を引き上げることを重要視しており、ROICを資本効率における最重要指標と定め、事業ポートフォリオの見直しや成長に寄与しない遊休資産の売却など、B/Sマネジメントを含めた資本効率向上へのさまざまなアクションを実行しています。
また、フリーキャッシュフローも重視しており、2021年は在庫回転日数の改善をはじめとした運転資本の改善に取り組み、事業譲渡関連の収入を除いても300億円以上のフリーキャッシュフローを生み出しました。キャッシュ創出能力は確実に向上しています。
創出したキャッシュについては、DX・IT分野、大阪茨木工場や福岡久留米工場など新設工場への投資など、中長期的な成長に向けた投資および有利子負債の削減に充足し、将来の成長投資を継続すると同時に強固な財務基盤を構築しました。
今後も引き続き「WIN 2023」の財務目標達成に向け、筋肉質な財務体質と、安定的なキャッシュ創出力を実現するための基盤構築に取り組み、資本効率のさらなる向上を図ります。

Q4.株主還元の方針をご説明ください。

株主の皆さまへの利益還元については、直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による「株式トータルリターンの実現」を目指しています。
配当金の決定にあたっては、連結業績、フリーキャッシュフローの状況を重視し、自己資本配当率(DOE)2.5%以上を目安とした長期安定的かつ継続的な還元拡充を行う方針としています。
2021年については、この方針に基づき、前期に対して1株当たり10円増配の年間で50円(中間20円、期末30円)の配当を実施しました。
2022年は創業から150周年の大きな節目の年となります。そこで、2022年の配当については1株当たり年間50円の普通配当に加え、株主の皆さまへの感謝の想いと、当社の未来の発展への決意を込めて、1株当たり50円の創業150周年記念配当を予定しています。

Q5.CFOとして「WIN 2023」に対するコミットメントを聞かせてください。

CFOとしての私の使命は、財務上のガバナンスとコンプライアンスを確保しながら、自らがカタリストとなり、「WIN 2023」を確実に推進し、利益率改善とキャッシュ創出の最大化に向けた変革を進めていくことです。新型コロナウイルス感染症の動向等、先行きの見通しが不透明な状況ですが、「WIN 2023」の目標は必ず達成し、安定的な財務基盤を構築し成長を確かなものとします。それと同時に、私自身がプロジェクトオーナーを務める全社横断プロジェクト「FOCUS」を2023年末までにすべての地域で導入を完了させ、データの標準化、自動化、効率化により高度な業務プロセスを実現していきます。
また、持続的な企業価値向上のためには、事業・ブランドの魅力や成長ポテンシャルが資本市場から理解されることが重要であると考えています。そのためには、お客さまや資本市場をはじめ、ステークホルダーの皆さまとの対話が欠かせません。また、こうした対話を実現するための積極的なIR活動は、資本コストの低減にもつながると考えています。だからこそ、CFOとして自ら先頭に立ち、ステークホルダーの皆さまに「WIN 2023」を実現する戦略や方針についてご理解いただけるよう、皆さまとの信頼を構築するための対話をこれまで以上に実施してまいります。同時に、これらに対する皆さまからのフィードバックは私たちにとって貴重な学びとなります。こうした学びを今後の成長の糧としながら、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

2022年4月