INNOVATION
KEY FIGURES
研究拠点
8
2021年
ブランド開発・研究開発投資
売上構成比
3.5%
IFSCC大会での受賞数
累計29回
ビューティーイノベーションに対する考え方
資生堂は、長い歴史の中で、高い機能性と安全性の両立を通じ、強力な研究基盤を構築してきました。そして、皮膚科学、マテリアルサイエンス、感性研究といった強みに加えて、エイジングケアや紫外線対策など、常に新しいカテゴリーや市場を創造してきました。
今後、社会や生活者のニーズがますます多様化し、テクノロジーはかつてないスピードで進化していきます。資生堂は、こうした環境下においても、変化に柔軟に対応しながら、お客さまインサイトに応えるR&D活動(研究開発)を価値創造ドライバーとして確立し、ビューティーイノベーションを起こし続けていきます。
その実現に向け、2021年には、一見相反する価値や両立が難しい価値を融合し、唯一無二の新たな価値を生み出すという独自の研究開発理念「DYNAMIC HARMONY」を制定しました。この理念のもと、5つの研究アプローチを柱に据え、社内外に資生堂R&Dの強みと独自性を可視化し、イノベーション創出を加速させていきます。
DYNAMIC HARMONY 5つのアプローチ
研究開発体制
資生堂は、より質の高い価値の提供・シーズ創出を強化するべく、2021年にR&D機能全体を整理・統合し、ブランドと一体となってスピーディーな商品開発を担う「ブランド価値開発研究所」と、中長期のシーズを積極的に生み出すとともに新領域における価値創造・事業開発を行う「みらい開発研究所」に再編しています。
グローバルにおいても、世界各地の研究開発拠点がそれぞれで異なる現地市場のニーズを収集・把握しながら、地域特性を活かした商品・サービスの研究開発を実施していく「マルチハブ体制」を敷き、「グローバルイノベーションセンター(GIC)」を含む世界8カ所の研究拠点が、それぞれの地域ビジネスへ貢献するイノベーションを生み出し、かつそれを他の地域でも活用し合えるようにしています。2021年10月には、上海・東方美谷の新研究開発拠点が稼働しました。
R&D機能の新組織(2021年1月~)
グローバルのマルチハブ体制
今後のR&D戦略概要
今後も、将来の成長を支える研究開発分野に、売上高比率で3%程度の研究開発費を継続して投資していきます。「DYNAMIC HARMONY」のもと、ブランドコンセプトとサイエンスを組み合わせ、注力領域へ資源を集中して投下し、製品化プロセスのスピードを向上させます。
注力領域としては、全体戦略と連動しながら、スキンケア、サンケア、ベースメイクアップ、クリーン/ナチュラル、美容機器といったスキンケア関連カテゴリーを盤石にしていきます。同時に、生活者の関心が高まっている食生活や睡眠など、インナービューティー領域の研究開発にも注力していきます。そして、これらの研究を支える基盤としてデータサイエンスを追加し、従来の基盤研究領域との融合を図りながら一層強化していきます。また社会・環境との共生を可能にするサステナビリティ技術の開発も加速していきます。
さらに、「DYNAMIC HARMONY」の理念に基づき、アカデミアやスタートアップ、異業種研究機関などとのオープンイノベーションにも積極的に取り組んでいきます。
関連データ
- IFSCC大会での受賞数累計
- 29回
- ブランド開発・研究開発投資
- 365億円
(売上構成比 3.5%) - 研究員数
- 約1,200人
IFSCC大会での受賞数比較
IFSCCの実績
2021 口頭発表部門最優秀賞
みらい開発研究所 堤 も絵研究員
「触感をつかさどるメルケル細胞が紐解く美しい肌」
本研究テーマは、触覚を担う細胞であるメルケル細胞に香り受容体が発現し、サンダルウッド様の香りを持つ合成香料により、香り受容体が活性化することを発見・証明したものです(モナステリウム研究所との共同研究)。さらに、メルケル細胞と接続して触覚を脳に伝える末梢神経がハリやたるみに関連する真皮の構造維持にも関与していることを発見しており、これにより、香りによって肌状態を改善できる可能性が示されました。