米州の売上高は、事業譲渡影響などを除く実質ベースで+4%の成長を実現しました。積極的なマーケティング投資により、「SHISEIDO」、「NARS」、「LAURA MERCIER」などのプレステージブランドが成長を継続、フレグランスブランドの「Dolce&Gabbana」も好調に推移しました。「bareMinerals」は、「THE POWER OF GOOD」をコンセプトとした新マーケティングをスタートし、ブランドの再生を開始しました。一方で、不採算店の閉鎖影響もあり、売上高は前年を下回りました。
営業利益は、積極的なマーケティング投資強化に加えて、将来の価値づくりに貢献する「センター・オブ・エクセレンス」の組織強化に伴うコスト増により、赤字幅が拡大しました。米州事業は販売事業、グローバルで展開するメイクアップのブランド開発等を負担するブランドホルダー機能、メイクアップ、デジタル、テクノロジーの価値創造の拠点となる「センター・オブ・エクセレンス」機能を持ち、これらの機能の戦略的投資も負担しています。販売事業では1桁半ばの営業利益となりましたが、ブランドホルダーの投資を吸収して収益化はできていません。
米州事業においては、引き続き「NARS」や「LAURA MERCIER」などのさらなる収益性向上と、「bareMinerals」の構造改革を推進していきます。
米国のプレステージ市場では、メイクアップ、スキンケアカテゴリーが市場の成長をけん引する見通しです。チャネルでは、デパートの市場環境が厳しくなる一方、Eコマースが大きく成長する見込みです。
米州市場では、強固なポジションを築くべく、引き続き「NARS」、「LAURA MERCIER」の成長を加速させるとともに、「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」の強化も進めます。既存チャネルに加えて、主要Eコマースサイトとの協業などにより、自社および小売サイトの販売を強化します。
また、売上成長に伴う粗利益の増加に加えて、固定費の見直しなどに取り組むことで、着実に収益化を進めていきます。「bareMinerals」では、不採算店舗の閉鎖が2019年中に完了する見込みです。