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サステナブルな成長を目指して
サステナビリティ戦略
サステナブルな成長を目指して
サステナビリティ戦略
サステナビリティ戦略 の考え方
資生堂は、100年先も持続的に成長し続ける企業であるために、世界中のお客さま・社会から信頼され、必要とされる企業になることを目指しています。そのためには、資生堂に関わる全てのステークホルダーに対し、中長期的な視点で価値を提供し続けることが重要です。「世界で最も信頼されるビューティーカンパニーへ」を経営ポリシーとし、ESG経営を重視しながら、本業を通じた美のイノベーションによる社会課題の解決に挑戦し、将来にわたって輝き続ける資生堂を実現していきます。さらには、国連が主導する「持続可能な開発目標(SDGs)」にも積極的に取り組み、グローバル社会の一員として、長期的な視点で持続可能な世界の実現に貢献していきます。
資生堂のサステナビリティ戦略は、社会課題の解決と、事業の拡大の両立を目指す成長戦略です。全てのステークホルダーが持続可能であるためにも、「Person(お客さま)」、「Community(社会)」、「Planet (地球環境)」の3つを重点領域と定めました。これらの領域の中で、特に社会からの期待、事業への影響が大きい重要項目を抽出し、優先的に取り組んでいます。この重要項目については、市場環境の変化などを考慮し、定期的に見直しています。
サステナビリティ戦略の重要領域
サステナビリティ視点での重要項目
人材の育成、人権への配慮および透明性のある情報開示は、資生堂グループのバリューチェーンを下支えする重要な取り組みという位置づけのため、上記チャートには含まれていない
本業による社会価値の創造
資生堂の事業活動は、「ビューティーイノベーション」を中心に据えています。美は人々に、自信やエネルギー、健康、幸せなど多くのベネフィットを届けることができ、それ自体が非常に重要な社会価値を有しています。また、私たちが有する独自の技術や活動は、世界中の人々が抱える課題や、さまざまな悩みに対するソリューションを提供することができます。美を通じて、よりよい社会の実現に貢献するビジネスに取り組むことは、資生堂に与えられた使命です。そして、その使命を果たす中心にいるのは「人材」です。資生堂は、人材への積極的な投資を通じて、本業による社会価値の創造や社会課題の解決を実現します。
ビューティーイノベーションを中心に据えた本業による社会価値の創造
SDGsへの取り組みをはじめとする 国際社会との連携
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、国連が主導し、2030年までに持続可能な世界を実現するための17の目標と169のターゲットを定めたものです。国連に加盟する全ての国に対し、目標達成に向けて尽力することを求めています。資生堂は、2004年9月に国連グローバル・コンパクトへの参加を表明、4分野10原則を支持しています。2010年9月には、UN Womenと国連グローバル・コンパクトの共同イニシアチブである「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」にも署名し、UN Womenやさまざまなステークホルダーとともに取り組みを進めています。今後もSDGs 達成に貢献すべく、さらに取り組みを強化していきます。
主要な活動領域
中長期的に、当社の強みを活かして貢献できる主要な活動領域を、以下の通り設定しています。
ダイバースビューティーの実現
資生堂は、美しくありたいというお客さまの想いに寄り添い、安全・安心な製品やサービスの提供を通じて、お客さまを美しく輝かせ、世界中を笑顔で満たすことを目指しています。一方世界には、外見の悩みや固定観念、偏見などのさまざまな理由で、自分らしく生きることを選択する難しさを感じている人がいます。私たちは、長年培ってきたノウハウを用いて、世界中の全ての人が多様な価値観や生き方を選択でき、自分の人生を自分らしく美しく彩ることのできる社会の実現を目指します。
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アピアランスケア
がん治療の副作用などによる外見上の変化や、あざ、濃いシミ、白斑、肌の凹凸(傷あと、やけどあとなど)は、QOL(Quality of Life=生活の質)に大きな影響を及ぼす場合があります。資生堂は、肌や外見上の深い悩みを化粧によって解決する方法を「ライフクオリティー メーキャップ」と称し、アドバイスを行っています。世界中の人々が幸せになれる社会を目指し、「ライフクオリティー メーキャップ」のグローバル展開を推進しています。
パーフェクトカバーファンデーション
資生堂が開発した「パーフェクトカバーファンデーション」は、赤み、青み、茶色み、強いくすみ、白斑、肌の凹凸など通常のファンデーションではカバーしづらいお悩みや、治療による副作用の肌色変化をカバーするファンデーションです。2017年10月には、「化粧もち」、「衣服などへのつきにくさ」、「使いやすさ」の機能を強化したシリーズ「パーフェクトカバーファンデーションMV」を発売しました。現在は日本国内のほか、アジアの一部地域でも展開しています。2020年までに、世界中に「カバーメーキャップによるQOLの向上」の活動を広げるべく、より多くのエリアでの展開を目指し、研究・情報開発を進めています。
資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター
「資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター」は、「ライフクオリティーメーキャップ」の方法を伝え、アドバイスを行うための専門施設として、2006年に東京・銀座に設立されました。プライバシーが保たれた個室で、専門のスタッフが、肌の悩みを伺いながらそれぞれに適した化粧品を選んでいきます。その後、お客さまご自身でも効果的にお使いいただけるよう、アドバイスを行っています。
ライフクオリティー事業
資生堂は1949年、高校卒業予定者を対象に社会人の身だしなみとしての化粧法を知っていただくことを目指し、「整容講座」をスタートしました。以来、60年以上にわたり、全てのお客さまに美しくなっていただきたいという想いのもと、対象者や目的に応じてQOLの維持・向上をサポートするセミナー活動を全国で実施してきました。
2013年7月からはその活動を事業化し、社会人としての身だしなみを学んでいただくセミナーや、超高齢社会の抱える課題を「化粧のちから」で解決するセミナー活動を有償で展開しています。また、障がい者施設・学校での身だしなみ講座も実施しています。
女性活躍支援・UN Womenと連携したジェンダー平等啓発活動
多様性が受け入れられる社会の実現は、重要かつ喫緊の課題です。資生堂は、特に当社の事業と関わりが深い女性のエンパワーメントに注力しています。ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関であるUN Womenと連携し、若年層に向けてジェンダー平等に対する啓発活動を推進しています。
「“Happy Women’s Day”あしたのわたしへ」を共催
トークイベントの参加者
2018年 3月8日の国際女性デーを記念して、女性も男性も自分らしく生きることを応援するトークイベント「“Happy Women’ s Day” あしたのわたしへ」を Buzz Feed Japan 株式会社と共催しました。スペシャルゲストの滝川クリステルさんによるトークショーや、イベントのシンボルカラーとして取り上げたピンクという色が持つ力についての資生堂研究員によるレクチャーなどを行いました。資生堂はこのようなイベントを通じ、女性が女性であることに誇りを持ち、全ての人が生きいきと活躍できる社会の実現を目指します。
ジェンダー平等啓発ワークショップ
UN Womenと連携し、これからの未来を担う若年層(主に高校生)を対象とした「ジェンダー平等啓発ワークショップ」を開催しています。本ワークショップは、若い世代が、社会におけるさまざまなジェンダー課題を知るとともに、自らの視点で考え、問題提起から解決策までを社会に提言するプログラムです。2年目となる2018年は、参加高校の募集規模を全国に拡大し、より多くの生徒の参加を促進します。エリア選考会で選抜された代表校は、2018年10月に東京で開催される成果発表会で、行政や民間企業、 NPOなどに対し提言します。
バングラデシュ女性自立支援
2011年よりバングラデシュ農村部の女性を対象に、社会的地位向上や活躍を支援する活動を推進しています。この活動では、現地専用に開発したスキンケア製品「Les DIVAS(レ ディーバ)」を販売するとともに、保健や衛生、栄養に関するワークショップなどの啓発活動をあわせて実施し、彼女たちの自立や生活習慣の改善を支援しています。当社が保有するノウハウを活かし、現地の女性が抱える悩みや社会的な課題の解決と、ビジネスとの両立を目指し、取り組みを進めています。
2018年は、これまでの農村でのワークショップに加えて、新たな取り組みとしてバングラデシュ国内7地域で、現地女性の自立を応援するショートムービーの上映会を実施しています。「Les DIVAS」のブランドコンセプトである「Shining Original Beauty」の世界観を映像で伝えることを通じて、バングラデシュ女性が自身の本来持つ美しさを認め、自らの生き方について考えるきっかけ作りになることを目指します。
エシカルなサプライチェーン
英国現代奴隷法が2015年に制定され、その他の国でも同様の法律が検討されるなど、近年では、「ビジネスと人権」がクローズアップされています。資生堂は、自社内だけではなく取引先も含めたサプライチェーンで、環境的・社会的にエシカル(倫理的)であることが、ビジネスを継続させる上で欠かせないことだと認識しています。私たちは、以前よりビジネスに関わる環境や労働問題に注力してきました。2017年には新たに人権方針を策定するなど、地域社会や地球環境により配慮した、エシカルな事業活動を進めています。
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パーム油課題への取り組み
食品や化粧品の原料でもあるパーム油は、近年急速に需要が増加しています。原料となるアブラヤシの大規模な農園開発のために熱帯雨林が違法に伐採され、野生動物の絶滅危機や森林減少による地球温暖化への影響が問題視されています。さらに近年では強制労働など人権課題もクローズアップされてきています。資生堂は2010年から、環境保全と持続可能なパーム油産業の振興や運営を行うことを目的として設立された「持続可能なパーム油のための円卓会議 (RSPO:Roundtable on Sustainable Palm Oil)」に参加し、認証された持続可能なパーム油の生産を支持してきました。2018年、新たに「資生堂グループ 持続可能な原材料調達ガイドライン」を定め、2020年までに資生堂の商品に使用する全てのパーム由来原料について、原産地の環境保全に配慮し、人権を尊重した調達(RSPO認証原料の調達)を実現します。
Sedexへの参加
Sedex(サプライヤーエシカル情報共有プラットフォーム)は、グローバルサプライチェーンにおけるエシカルで責任あるビジネス慣行の実現を目指し、エシカルなサプライチェーンデータを管理・共有する世界最大のプラットフォームを提供する非営利団体です。資生堂は2017年8月にSedexに加入し、掛川工場を本プラットフォームに登録しました。今後は順次、自社工場の登録を進めていきます。自社のサプライチェーンにおける社会・環境への取り組みについて客観的に評価し、向上させていくことで、エシカルなサプライチェーンの実現を目指します。
地球環境の保全
人々の暮らしを支える地球環境の保全と持続可能なものづくりの推進は、美しい地球を次世代に引き継ぐための取り組みだと考えます。資生堂は、環境に配慮しているだけでなく、使いやすさや美しさも追求した容器の開発など、バリューチェーンにおける環境負荷の最小化と事業における成長を目指します。また、魅力ある商品やサービスを提供するとともに、環境に負荷を与えない消費行動の啓発と定着にも取り組んでいきます。
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持続可能なものづくり
資生堂は、2010年に商品設計における環境基準「モノづくりエコスタンダード」を制定し、単に環境に配慮するだけでなく、デザインや使いやすさも重視したものづくりに取り組んでいます。環境に配慮した容器開発を進める中、メカニカルリサイクルペット※ に着目しました。厚みがあり、形状が複雑な化粧品容器ならではの課題を解決し、メカニカルリサイクルによって再生されたペット樹脂を、2015年より「シーブリーズ」のボディソープの容器に採用しています。今後も、持続可能な容器や紙の使用などに引き続き取り組んでいきます。
※ 使用済みペットボトルを選別・粉砕・洗浄した後に熱・真空などで除染し、純度が高く高品質なペット樹脂に戻したもので、従来のリサイクル方法と比較して、容器製造に伴うCO₂排出量を削減することができる
※ 以下の「サステナビリティ」サイトをご覧ください。