事業基盤の再構築と位置づけた中長期戦略「VISION 2020」の前半3カ年を終え、さらに成長を加速するための新たな3カ年計画がスタートしました。これまでは、投資強化、プロダクティビティ強化をはじめ、サステナブルな成長に向けたさまざまな改革を実行しました。その結果、3カ年CAGRで9%の売上成長を実現すると同時に、2017年は営業利益も過去最高を更新し、9期ぶりの増配を実現できました。
安定的なキャッシュ創出で
重点領域への投資を強化
2020年以降も持続的な成長を確かなものとするため、人材、サプライチェーン領域、研究開発、ITなどの重点領域に対して、2018年からの3カ年累計で3,000億円超の成長投資を行います。この投資を支えるには、潤沢なキャッシュ・フローの創出が求められますが、2017年のEBITDAは、1,000億円を超えるなど、キャッシュ創出能力は着実に高まっています。2017年から2020年までの4年間で、累計3,500億円超の営業キャッシュ・フロー創出を見込んでいます。
コスト構造とバランスシートの
変革で資本効率を向上
資本効率の向上にあたっては、トップラインの拡大とコストストラクチャーのさらなる変革を通じて、営業利益率10%超を実現します。また、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)100日以下となる適正在庫管理の徹底などを通じて、バランスシートマネジメントも同時に進めます。ROEは、株主資本コスト5%を上回る14%超を、投下資本利益率(ROIC)は、加重平均資本コスト(WACC)4%を上回る12%超の実現を目指します。
中長期視点で株主の
皆さまへの還元を拡充
株主への利益還元については、配当による直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による「株式トータルリターンの実現」を目指しています。配当金の決定にあたっては、連結業績やフリー・キャッシュ・フローの状況を一層重視するとともに、2018年より資本政策を反映する指標の1つとして、自己資本配当率(DOE)を採用し、会社業績の向上に伴う長期安定的かつ継続的な還元拡充を実現します。
企業価値向上への取り組み
- ※1 ROIC(投下資本利益率)=営業利益×(1-実効税率)/(有利子負債+自己資本)
- ※2 CCC:キャッシュ・コンバージョン・サイクル(日)=売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-仕入債務回転日数(各指標の期中平均を使用)
- ※3 株主資本コストおよびWACC(加重平均資本コスト)については当社試算