容器包装

処方/成分

容器包装

気候変動や海洋プラスチックゴミ問題などは、グローバルで喫緊に解決すべき環境課題であり、資生堂はサステナブルな容器包装の開発など対応を強化しています。
2020年に資生堂は独自の容器包装開発ポリシー「資生堂5Rs」を制定しました。また、サーキュラーエコノミーに賛同し、2025年までに100%サステナブルな容器を実現するという目標を開示しています。目標達成に向け、容器の軽量化や「つめかえ・つけかえ」容器、リサイクル可能な単一素材(モノマテリアル)容器の展開、生分解性樹脂の利用などに取り組んでいます。2021年は、日本で設計した製品のサステナブルな容器率は65%となっています。

リデュース/リユース

私たちは地球の資源が有限であるという前提に立ち、「資生堂5Rs」のポリシーに沿って、製品に応じた容器サイズの適正化、容器の軽量化や「つめかえ・つけかえ」容器によるプラスチック使用量の削減や環境負荷軽減を推進しています。

「つめかえ・つけかえ」容器は、使用する資源を削減するとともに、本体容器の再使用を促すことで、容器に使われるプラスチック総量を減らすことができます。さらに、LCA(ライフサイクルアセスメント)で評価すると、本体容器と比較して「つめかえ・つけかえ」容器に使用する資源の投入量や廃棄物量が減り、CO₂排出量が削減されることがわかりました。
私たちはスキンケア・メイクアップなど幅広いカテゴリーで「つめかえ・つけかえ」可能な容器を開発し、2021年では、グローバルで33ブランド、約800SKUの「つめかえ・つけかえ」容器を提供してきました。例えば、スキンケアブランド「エリクシール」では、2012年に化粧水・乳液の「つめかえ」容器を日本で発売し、現在では「つめかえ」容器使用をサステナビリティ活動の柱として推進しています。化粧水の「つめかえ」容器は本体容器と比較して約85%のプラスチック量削減を実現し、本体比で50%以上のCO₂排出量削減となります。また、同ブランドでは、2021年以降グローバルで「つめかえ」容器紹介活動を通じてプラスチックゴミの削減を目指すグローバルサステナビリティキャンペーンを行っています。

「つめかえ・つけかえ」容器は、企業の環境対応技術が、お客さまのひと手間を含めて環境課題の解決になることを示す好事例の1つです。こうした環境負荷軽減の取り組みを日本だけでなくグローバルで推進するため、中国やシンガポールなど、「つめかえ・つけかえ」容器使用の習慣がない地域にも「つめかえ・つけかえ」容器を展開し、お客さまへの普及や啓発活動に取り組んでいます。

さらに、2021年日本においては循環型ショッピングプラットフォームLoopの ECサイトにおいて再利用可能な容器を使用した製品を発売しました。プラスチック製容器ではなく耐久性の高いガラス製容器を採用し、容器を回収・洗浄して繰り返し再利用することで、サーキュラーエコノミーの実現を目指しています。また、国内の同業他社と協業し、小売店の店頭や売場で設置する販促物に使われる素材をプラスチック製から紙製へ順次変更し、プラスチック使用量削減への取り組みを開始しています。

資生堂では、素材や製造プロセスにおけるテクノロジー、サーキュラーエコノミーを成立させるビジネスモデルなど、多様な価値や技術から環境課題解決のイノベーションに取り組んでいきます。

左から本体容器・「つめかえ・つけかえ」容器:「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」、「エリクシール」

リサイクル

サーキュラーエコノミーの実現のためには、資源の再利用を想定した素材選択、製品設計が重要です。
資生堂は、使い捨てプラスチックを削減するため、使用後に分別と資源の再利用が可能になる単一素材(モノマテリアル)容器と、デザイン性を損なうことなく簡単に分別できる容器包装の開発とその展開を同時に推進しています。
環境への影響の大きさを考慮し、主要ブランドである「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」、「エリクシール」などのスキンケア容器において、リサイクルが容易な設計だけでなく、ふたやケースを簡単に分解でき、「つめかえ・つけかえ」を容易にする工夫などを両立させた対応を進めています。

店頭回収リサイクルの取り組み

資生堂は使用済み化粧品容器の店頭回収を実施し、廃棄後の容器を新たな素材としてリサイクルをしています。
2021年「IPSA」では中国、香港、台湾の国と地域でリサイクルプログラムを実施し、環境負荷軽減とお客さまへの啓発を行っています。中国では、95店舗の店頭において、約半年で、9,000人以上のお客さまに参加いただき、2万本以上の化粧品容器を回収しました。

リサイクルを確実に進めるには、企業1社だけでなく、製品を使用するお客さまや回収に携わる企業、同業他社など複数の関係者の協働が不可欠です。
日本では、2021年に、イオンリテール株式会社(以下イオン)とテラサイクルジャパン合同会社、ならびに同業他社とも協働し、イオン87店舗の店頭で使用済み容器を回収し、新たな資源として活用する取り組みを始めました。

「IPSA(イプサ)」のリサイクルプログラム容器回収箱

リプレース

資生堂では、気候変動や海洋プラスチックゴミ問題の対応策として、プラスチック代替素材や環境負荷の低いバイオマス由来素材、そして幅広い環境下でも生分解可能な容器の研究にも注力しています。
生分解性容器への取り組みとして、世界88の国と地域で展開している「SHISEIDO」では、100%植物由来の新素材カネカ生分解性ポリマーGreen Planet™の化粧品容器への応用を実現しました。さらに、同ブランドから発売した日焼け止めの製品には外袋に生分解性ポリマーを採用しています。
また、石油由来に比べCO₂排出量の少ないバイオマス由来素材の利用も拡大しています。「アクアレーベル」の新スキンケアラインでは、一部にサトウキビ由来のプラスチックを使用することで、石油由来のプラスチックを使用した場合と比べ、約31%に相当する約112.7tのCO₂排出量削減を実現しました。

カネカ生分解性ポリマー「Green Planet™」を使用した「SHISEIDO」、 アクアジェル リップパレット

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