深い肌悩みにお応えする「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」

60年以上の実績を持つ「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」は、現在では4つの国と地域で「資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター」を拠点に展開しています。

資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター(日本)では、新型コロナウイルス感染防止の観点から、2021年7月より、オンラインによる外見ケアカウンセリングを開始しました。また、中国でもオンラインカウンセリングを2020年からスタートし、2021年は2,658名に実施しました。
2021年10月に全日本病院出版会から医療従事者向けに上梓された医学書「目もとの上手なエイジング―眼瞼下垂から非手術的美容医療、エイジング世代のメイクアップまで―」の1章で資生堂の美容技術者(ライフクオリティー メイクアップコンサルタント)が術後の腫れや内出血を目立たなくするカバー方法を解説しました。

中国では、2021年10月に「中国非公立医療皮膚専業委員会第5回学術会」に参加。この活動の理念を医療従事者に発表しました。また、医師向け講座を11回実施し、380名の医師が参加しました。
アジアパシフィック地域本社は、「資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター」をはじめとするサステナビリティへの取り組みにより「模範的な社会貢献活動を行い、関係者の協力を得ながら活動を広げている組織」として「Champions of Good」を2020年に受賞しました。

オンラインによる外見ケアカウンセリング
深い肌悩みに対応する資生堂 ライフクオリティー メイクアップ

がんとの共生を目指したがんサバイバーへの支援

資生堂は2008年から、がん治療の副作用に関する外見ケアを手がけてきました。2015年にはがん患者の方向けの小冊子を発刊、2019年には女性向け美容情報の小冊子「がん患者さんのためのBeauty Book」に改訂しました。2020年には男性のために簡単でわかりやすいテクニックや美容情報をまとめた「男の整容本」を追加発行しました。2021年には、これらの冊子を日本国内385のがん拠点病院に提供しました。
また、公益財団法人 日本対がん協会のがんサバイバー・クラブによる男性向けの外見ケア動画の制作にあたり、眉メイク、顔色メイク、頭髪ケア、肌ケア、唇ケア、手指ケアの簡単でわかりやすいテクニックを紹介しました。
資生堂美容室では、2020年、頭のサイズや髪の状態に合わせてカスタマイズできるオリジナルの医療用ウィッグを発売。ソーシャルビューティーケア アドバイザーがカウンセリングを行い、髪と頭皮のトータルケアを通じて、お客さまが心地よく毎日を過ごせるようにサポートしています。

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2021年、スペインでは、がん患者支援団体「Spanish Association Against Cancer」と連携し、オンラインでの外見ケアコースを12都市で実施し、187名のがん患者の方々が参加しました。また、イタリアでも、がん患者支援団体「La Forza e il Sorriso」と連携し、メイクアップ講座を実施するなど海外への展開を広げています。

公益社団法人 日本対がん協会における外見ケア動画の撮影の様子
「Spanish Association Against Cancer」と連携したオンラインによる外見ケアコース

がんになっても笑顔でいられる社会を目指す「LAVENDER RING」への参画

2017年から、がんになっても笑顔で過ごせる社会を目指す、をテーマに、がんサバイバーを支援する「LAVENDER RING」に参画しています。このなかで資生堂は「MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」を主導し、ヘアメイクとポートレート撮影を通して、がんになっても自分らしく生きていけるよう、社会への復帰の一助となるように後押しをしています。
2021年8月、「LAVENDER RING」は前年に続き、オンラインで開催。社員ボランティア14名が、日本全国のがんサバイバー57名の方々に、個別にメイクアップレッスンを実施しました。また、治療による頭髪の外見変化に対するサポート「ヘアドネーション」を取り上げたトークショーを実施。「ヘアドネーション」がつくる社会の絆を語りました。同年9月には、小児がんサバイバーのための「MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」を実施。8名の小児がんサバイバーが参加しました。これらの取り組みは、2021年11月に公益社団法人 企業メセナ協議会からメセナ優秀賞を受賞しました。

2021年2月4日の世界がんデーに、LAVENDER RINGフォトブック「自分らしく、を生きていく。」(ハースト婦人画報社出版)を発刊し、書店をはじめ、病院内の売店などで販売しました。がんサバイバー206名のポスターやエピソードは、がんサバイバーご本人やそのご家族、サポーターの方々はもちろん一般の読者からも、「勇気を与えてくれた」「がんは誰にでも起こり得る身近なものだと感じられた」など多くの反響が寄せられました。

メセナ優秀賞 受賞
オンライン「MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」参加者
「自分らしく、を生きていく。」(ハースト婦人画報社出版)

地域でのサポート体制づくりを目指したリテールパートナーとの協働

日本では、厚生労働省の指針により地域で住民の健康増進に資する取り組みが強化され、がんサバイバーや高齢者の方々を地域でサポートする体制づくりが進められています。資生堂は対象の方々に適した専用の美容コンテンツを提供しています。2020年11月に、スギ薬局伏見店(愛知県)において、パーフェクトカバーシリーズの導入に伴い専用プライベートルームを開設、がんサバイバー向け外見ケアサービスを地域で受けられる場を設けました。

2021年12月末のパーフェクトカバー取扱店は432店舗で、今後も導入店の拡大を推進していきます。また、高齢の方々のための資生堂化粧療法の研究知見を取り入れた「化粧健康法プログラム」を全粧協加盟の化粧品専門店459店が導入し(2021年12月時点)身近な場所で美容を通して健康を実現する機会づくりを始めています。

専用プライベートルーム(スギ薬局伏見店)
専用プライベートルーム(スギ薬局伏見店)

高齢の方に対する取り組み

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、高齢の方々に対するさまざまな活動を自粛してきましたが、2021年4月より化粧品専門店の店頭で開催する「美容で健康サロン」、オンラインでも開催可能な「心身リフレッシュ教室」を新たに企画し、資生堂ビューティーセラピストがそれぞれ実施しました。「いきいき美容教室」も11月より再開し、高齢の方々のQOL向上を目指して、元気と笑顔をお届けしました。
また、千葉県白子町役場と連携し、白子町健康づくりセンターと資生堂ジャパン株式会社 浜松町オフィスをオンラインでつなぎ、地元にお住まいの高齢の方々15名を対象にしたオンラインでの「いきいき美容教室(1回5名×3回)」を開催しました。この活動では、参加された高齢の方々の効果検証も行い、「自己に対する信頼感・有能感を示す自己効力感の変化」が確認され、その研究成果を第2回国際化粧療法医学会2021で発表しました。

リモートいきいき美容教室(千葉県白子町)

障がいのある方への取り組み

1980年代、資生堂は点字版美容テキスト、商品識別点字・墨字シール、使用量シールといった、視覚に障がいのある方をサポートするための美容教材の開発を始めました。資生堂企業情報サイトの「資生堂リスナーズカフェ」では、音声読み上げソフトを活用して化粧品の使い方の説明や、音声でも楽しめる季刊美容情報「おしゃれなひととき」を掲載しています。
2019年に資生堂が開発した、視覚に障がいのある方が自身で簡単にメイクができる「ガイドメイク」は、直接肌に触れて化粧方法をガイドするため、コロナ禍においては活動を自粛していましたが、2021年は、視覚障がい者団体の方々のご協力を得て、ご自身で実践できるスキンケア方法をメインとしたオンライン美容セミナーを開催しました。コロナ禍のお悩みをヒアリングしたうえで、少人数で参加いただき、資生堂ビューティーセラピストが画面上で参加者の顔や動きを確認しながら、動作を細かく言葉で伝えて進行しました。
また、同年、一般社団法人 日本視覚障がい者美容協会とのコラボメイクイベントを3回開催しました。視覚に障がいのある方3名に対して、美容師の資格をもつライフクオリティー メイクアップコンサルタントがガイドメイクを案内し、ヘアメイク方法やへアアレンジなどをレクチャーしました。12月に開催された最終回では、資生堂メイクアップアーティストが、クリスマスシーズンにあったメイクテクニック&ヘアメイクのトータルコーディネートを紹介しました。これらの取り組みは音声ラジオアプリVoicyで生放送され、約700名のリスナーが集まりました。

ガイドメイク

施設や里親のもとで暮らす子どもたちの自立・進学支援

公益財団法人 資生堂社会福祉事業財団は、社会的養護を必要とする子どもたちへの支援などさまざまな事業活動を行っています。
2005年からは「自立支援事業」として18歳で社会に出て一人立ちする高校3年生を対象に、資生堂ジャパン株式会社、株式会社AOKI、株式会社リクルートなどの企業・団体と協働して、身だしなみ講座をはじめとする社会人として必要なスキル習得のためのセミナーを開催しています。
また、高等教育への進学を支援する「奨学金事業」や、児童福祉施設職員向けの研修、情報誌発行なども行い、未来を担う子どもたちが誰ひとり取り残されることなく、自立して活躍することができる社会の実現を目指しています。

身だしなみ講座

紫外線過敏の難病「色素性乾皮症(XP)」患者への支援

資生堂は、2000年から日光に当たることができない紫外線過敏の難病「色素性乾皮症(以下XP)」の患者の方々への支援策として、日焼け止め製品の寄付や、研究員・ビューティーコンサルタントによるセミナーなどを行っています。
セミナーでは、XP患者の方々も屋外活動を楽しむことができるように、日焼け止めを使って効果的に肌を保護する方法を伝えています。2021年は、XPのお子さまを持つ保護者に対して日焼け止めブランド「アネッサ」より、紫外線や日焼け止めの基礎知識および正しい日焼け止めの使い方についての勉強会をオンラインで開催しました。また、2005年から資生堂社員の給与積み立てによる募金「資生堂カメリアファンド(花椿基金)」を用いたXP患者交流会の開催支援などにも取り組んでいます。