世界で取り組む、社員による社会貢献活動
資生堂は、美の力を通じて、人々が幸福を実感できるサステナブルな社会の実現を目指し、社員一人ひとりが社会および環境問題に対して意識を高め、その解決に向けて、みずから考え、行動することを重要と考えています。資生堂ではサステナビリティ戦略に沿って、重要課題である「社会」「環境」の領域で社員が自発的に社会貢献活動に参加できる社内体制を整えています。日本をはじめ欧州や米州、アジアパシフィック、トラベルリテールの地域本社では、社員が平日に取り組む社会貢献活動を業務時間と認めています。
2021年は、前年に引き続きコロナ禍の状況にあったため、インターネットを活用した非対面でできる活動を強化し、オンラインによるヘアメイクアップのアドバイスなど資生堂ならではの化粧を通じた活動などを実施し、世界中で社員が地域に根差したさまざまな社会貢献活動に参画しました。
資生堂は、2017年より毎年、欧州地域本社で社員による社会貢献活動の日「Shiseido Camellia Day」を実施し、その取り組みを2021年に地域本社すべてに拡大しました。アジアパシフィックおよびトラベルリテールの地域本社では、第1回目の「Shiseido Camellia Day」を共同で実施し、NPOが提示した社会課題に対して社員が解決に向けてアイデアを出し合うオンラインワークショップ(Ideathon)に参加しました。そのほかにも、2021年は世界の各地域で、意識啓発を目的としたジェンダー平等と女子教育支援の取り組みに関するオンラインセミナーの開催や、マイボトルの使用を推進するキャンペーンの実施、使用済み化粧品容器の回収とそれら容器のアップサイクルなど、幅広い活動に取り組みました。また、感染対策を入念に行いながらオフラインでの活動も一部開催し、川岸や海岸の清掃活動、植林活動なども実施しました。
米州地域本社では、「THE BEAUTY OF HELPING OTHERS」の名称のもと、環境保全活動、ジェンダー平等に向けての支援、文化・ヘリテージにおける啓発活動など、年間を通じて社員が社会貢献活動のプログラムに参加しました。
世界で展開する「資生堂カメリアファンド」
「資生堂カメリアファンド」は資生堂社員および退職した社友の寄付金により、社会課題の解決に取り組むNPOやNGO 団体を支援する社会貢献活動です。「資生堂カメリアファンド」は、2005年から日本でスタートし、2020年に欧州や米州、アジアパシフィック、トラベルリテールの地域本社にも拡大し、「社会」および「環境」の領域を中心に、女性活躍推進、子どもの教育、環境保全、災害支援など、各地域で必要とされる取り組みを支援しています。
次世代を担う若者への支援
資生堂は、社員による社会貢献活動のみならず、学生の社会科見学やインターンシップの受け入れ、学校での講義などさまざまな形で次世代を担う子どもたちや若者を支援しています。2021年は、中国やアジアパシフィック地域本社でアートを通じた若者の支援を行いました。
資生堂の中国地域本社では、中国での事業開始40周年を記念して、中国で青少年の成長環境の改善に努めている「中国青少年発展基金会」と、未来をつくる青少年をサポートする「Future Innovation Project」を実施しました。このプロジェクトでは、中国の200以上の学校と協力し、小・中学生からアート&サイエンスにちなんだ作品を募集し、選ばれた作品をスマートフォン向け特設サイトや、資生堂中国の公式サイトおよびソーシャルメディアにて発信するなど、未来に向けて希望で満ちあふれる青少年の想像力と創造力を発揮する機会を創出しました。
アジアパシフィック地域本社では、「社会」および「環境」のサステナビリティの推進のため、NPO「Rainbow Centre」と共同で「Beauty of Art」プロジェクトを実施し、口紅、ファンデーション、アイライナーなど、廃棄予定の化粧品を活用した38品の絵画を同団体のアートアビリティプログラムに所属する障がいのある若手アーティストに制作いただきました。
これらの絵画は絵画展で販売され、売上はアーティスト本人および「Rainbow Centre」と障がいのある若手アーティストを支援する同プログラムに寄付されます。
このような活動を通して、廃棄予定の化粧品を有効活用するとともに、障がいのある若手アーティストの才能を発揮する機会をつくりました。
新型コロナウィルス感染症に関連した活動
コロナ禍における地域コミュニティを支援するため、資生堂ではボランティア活動、金銭の寄付および化粧品の提供などを行い、カンボジア、タイ、ベトナムでは、NPOおよび行政などを通して予防接種を受ける機会を支援しました。
日本では、新型コロナウィルス感染症拡大の状況で献身的に医療に従事する方々に敬意と感謝の意を伝えることを目的に、「資生堂 Hand in Hand Project」を実施しました。このプロジェクトは、正しい手指の消毒による感染予防と、手洗いや消毒による手荒れを防ぐハンドケアを実施する「手守り習慣」を、広告などを通して多くの方に伝え、プロジェクトの期間中、資生堂が販売する対象商品のハンドソープ・消毒液・ハンドクリームの利益などを医療現場のサポートのために寄付する取り組みです。
資生堂は、2021年7月に公益社団法人 日本看護協会に寄付を行い、医療活動の支援に役立てられました。このプロジェクトを通じて、対象商品をご購入いただいたお客さまやご賛同いただいた 1,600 社を超える取引先企業とともに資生堂が、「医療従事者の力になりたい」と心を1つにして感染予防に取り組みました。
さらに、資生堂は医療に従事する方々を支援するため、一般社団法人RCF、オイシックス・ラ・大地株式会社、ココネット株式会社(セイノーホールディングスグループ)が連携して運営する「WeSupport」を通して50を超える病院の医療従事者の方々へスキンケア、ボディケア、ヘアケア、アイメイク製品など3万個以上の化粧品を寄付しました。