原材料の調達

サプライヤーアセスメントプログラム

持続可能なサプライチェーンの構築とサプライチェーン全体におけるリスクを可能な限り排除することを目指し、資生堂はサプライヤーアセスメントプログラムの実施を進めています。
2021年は、日本と欧州においてアセスメントを実施するとともに、前年度ハイリスクに該当したサプライヤーの是正活動をグローバルで推進しました。2022年以降は改定した「資生堂グループ 調達方針」に基づき、サステナビリティ評価の高い取引先とのビジネス機会を増やしていきます。また、直接取引のある取引先だけでなく、2次サプライヤー以降の取引先のリスク確認も行います。

サプライヤーアセスメントプログラム

資生堂は、新規の取引先に対しては、まずSedex/EcoVadis/資生堂SAQのいずれかの評価法でサステナビリティ(人権・労働安全衛生・環境・ビジネス倫理)の基準に対してセルフアセスメント(自己評価)を実施しハイリスクでないことを確認したうえで、「資生堂グループ サプライヤー行動基準」に合意いただいてから取引を行います。

既存の取引先に対しても、前述の評価法を用いてサプライヤーを評価することで「資生堂グループ サプライヤー行動基準」の遵守状況を継続的に確認しています。リスクの程度に応じてローリスク・ミドルリスク・ハイリスクの3種類にサプライヤーを分類し、ハイリスクに該当する場合は第三者監査を実施します。第三者監査では、現場視察に加え、労働者インタビューや必要書類の検証などが行われます。監査により発見された課題については、課題の是正を要請します。重大な課題が見つかった場合は、再度第三者監査により是正状況を確認し、一定期間内に是正されていない場合は、取引の停止を検討します。

実績

2020年に特定したハイリスクサプライヤーの是正をグローバルの最優先課題とし、該当したサプライヤー132社の是正活動をグローバルで実施しました。
具体的な活動としては、全サプライヤーに対し結果をフィードバックし、是正を要請するとともに、一部のサプライヤーに対しては当社社員によるオンラインでの是正結果の確認、セルフアセスメントによる再評価、第三者監査(対象:2社)などを実施しました。これらの是正活動により、ハイリスクサプライヤーは、132社から40社まで減少しました。
また、2021年はリスクの内容やサプライヤーの重要性を鑑み、日本と欧州においてサプライヤーアセスメントを行いました(1次サプライヤー279社、2次戦略サプライヤー5社)。その結果、ハイリスクサプライヤーは1次サプライヤーで17社が該当し、2次戦略サプライヤーは0社でした。
ハイリスクサプライヤー17社に対し、結果のフィードバックとセルフアセスメントツールによる再評価、第三者監査(対象:3社)などを実施した結果、8社がミドルまたはローリスクに改善しました。
2022年以降は、是正継続中の残りのハイリスクサプライヤー44社に対し、新しい調達方針に基づきアセスメントを行い、是正を推進していきます。

ハイリスクサプライヤーの是正状況

アセスメント
実施年
ハイリスクサプライヤー
是正活動結果
ミドルまたはローリスクに改善
継続中
2020
132社
92社
40社 ※
2021
17社
8社
9社 ※

※重複を除くと44社

2021年サプライヤーアセスメント実績

1次サプライヤー
279社
2次戦略サプライヤー
5社

サプライヤー向けの通報・相談窓口

近年、人権問題やコンプライアンス違反などへの適切な対応が重要視されていますが、資生堂では、2013年よりサプライヤー向けに書面やeメールによる通報・相談窓口「ビジネスパートナーホットライン」を設置しています。2021年は、コンプライアンス違反に相当する案件はありませんでした。

CDPサプライヤーエンゲージメント評価

資生堂は、国際的な環境NGOのCDPから、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の管理やリスク軽減に向けた取り組みが高く評価され、2021年の「サプライヤーエンゲージメント評価」において、最高評価である「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」 に選出されました。今後も、サプライヤーとの協働を通じて環境負荷軽減活動を積極的に推進していきます。

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