ガバナンス

基本方針

当社を含む資生堂グループは、企業理念 THE SHISEIDO PHILOSOPHY の中で、OUR MISSIONとして「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」を定め、コーポレートガバナンスを「OUR MISSIONの達成を通じ、持続的な成長を実現するための基盤」と位置付けています。
コーポレートガバナンスの実践・強化により経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上を図り、すべてのステークホルダー(社員、お客さま、取引先、株主、社会・地球)との対話を通じて、中長期的な企業価値および株主価値の最大化に努めます。併せて、社会の公器としての責任を果たし、各ステークホルダーへの価値の分配の最適化を目指します。

コーポレートガバナンス体制

2023年1月1日以降の当社のコーポレートガバナンス体制は、以下の通りです。

コーポレートガバナンス体制

現在の体制を選択している理由

当社は、業務執行に対し、取締役会による監督と監査役による適法性・妥当性監査の二重のチェック機能を持つ監査役会設置会社の体制を選択しています。そのなかで、コーポレートガバナンスの基本方針に掲げた経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上を図るために、指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社の優れた機能を取り入れ、取締役会の監督機能の強化を進めています。
資生堂グループは6つの地域とブランドカテゴリーを掛け合わせたマトリクス型の組織体制のもと、当社はグローバル本社としてグループ全体を統括し、必要なサポートを行う機能を担う一方、当社が保有していた権限の多くを、日本、中国、アジア、米州、欧州およびトラベルリテールのそれぞれを統括する地域本社に委譲することで、責任と権限の現地化を進めています。この経営体制下での取締役会の構成や運営も含めた当社のコーポレートガバナンス体制のあるべき姿について議論を重ねた結果、資生堂グループ全体への監督機能を十分に発揮するためには“モニタリングボード型”で進めることが適切であるとの結論に至り、監査役会設置会社の体制の利点をいかしながら“モニタリングボード型のコーポレートガバナンス”を実施しています。

取締役および監査役の多様性

当社の取締役会は、業務執行の監督と重要な意思決定を行うために、多様な視点、多様な経験、多様かつ高度なスキルを持った取締役で構成されることが必要であると考えています。また、監査役についても、取締役会に出席し、必要に応じて意見を述べる義務があることから、取締役と同様、多様性と高いスキルが必要であると考えます。
候補者を選定する際には、ジェンダー平等の実現や、年齢・国籍等の属性や人格に加え、経営に関連する各分野の識見や経験などにも配慮して豊かな多様性を確保することを重視しています。また、社外取締役および社外監査役については、当社の従来の枠組みにとらわれることのない視点を経営にいかすことをねらいに一定の在任上限期間を設定しており、在任期間の長い社外役員と新任の社外役員との引き継ぎの期間を設けながら社外役員の適切な交代を進めています。

役員報酬

当社は、役員報酬制度をコーポレートガバナンスにおける最重要事項と位置付け、役員報酬の基本哲学に基づき、社外取締役を委員長とする指名・報酬諮問委員会において客観的な視点を取り入れて審議し、その答申を得て取締役会において決定しています。当社の役員報酬は、固定報酬としての「基本報酬」と業績連動報酬としての「年次賞与」と「長期インセンティブ型報酬」で構成され、報酬額の水準については、国内外の同業または同規模の他企業との比較および当社の財務状況を踏まえて設定しています。
なお、業務執行から独立した立場にある社外取締役および監査役には、業績連動報酬等の変動報酬はふさわしくないため、基本報酬のみの支給としています。

CEOのサクセッションプラン

CEOの後任候補者の選定およびサクセッションプランの策定は、現任者および指名・報酬指名委員会が協働して行うものと考えています。CEOと指名・報酬諮問委員会は、当社の経営環境を踏まえ、中長期的な視点でCEOに求められる資質、後継者選任の考え方、育成方針等を十分に議論し、サクセッションプランを策定します。策定されたサクセッションプランの遂行状況について、指名・報酬諮問委員会は定期的に報告を受け、その実施状況をモニタリングします。また、具体的なCEO後任者の選定に向けては、指名・報酬諮問委員会は、CEOより具体的な後任候補者についてさまざまな角度からの十分な情報提供を受け、意見を交換するとともに、指名・報酬諮問委員会メンバー自身が候補者との面談、意見交換を行い、当社の経営課題も踏まえて独立した立場から判断します。この指名・報酬諮問委員会の機能は、取締役会の機能の重要な部分を担うものであるため、取締役会はその判断を尊重します。また、実際に後任のCEOを選定する際は、指名・報酬諮問委員会は最終候補者および最終候補者選定のプロセス等につき十分に審議したうえでその意見を答申し、取締役会は当該答申を最大限尊重して選定決議を行います。
当社は、2019年に、現CEOのサクセッションプランの枠組みを5か年計画として策定し、この枠組みに従って、3年間をかけてCEO後継者を選定、2022年11月に後継者の発表を行いました。引き続き、CEOのスムーズな交代が実現するよう、社外役員によるモニタリングを行いながらサクセッションプランを進めます。