資生堂のサステナビリティ戦略アクション
私たちは、「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」のために、社会・環境領域でそれぞれ3つの戦略アクションを掲げています。
社会領域では、D&Iを中心に社会課題の解決に取り組んでいます。ビューティーカンパニーとしての特性をいかした「ジェンダー平等」、自分らしく輝くことに貢献する「美の力によるエンパワーメント」、そして、すべての活動の根底となる「人権尊重の推進」の3つの戦略アクションを実行しています。
環境領域では、社名の由来でもある「万物資生」の考えに基づき、環境負荷を軽減し、使い捨てではなくサーキュラーエコノミーを実現できる技術やビジネスモデルの構築を目指して取り組んでいます。全バリューチェーンを通じて、「地球環境の負荷軽減」、「サステナブルな製品の開発」、環境や人権に配慮した「サステナブルで責任ある調達の推進」の3つの戦略アクションを実行しています。
マテリアリティ
資生堂は、創業以来培ってきた「美」に関する価値創造で、人々の幸福感・充足感を高め、サステナブルな社会の実現を目指しています。事業を通じて取り組むべき社会・環境課題を選定するため、ステークホルダーへのヒアリング、サーベイ、ディスカッションをもとに課題をリストアップし、社員、お客さま、取引先、株主、社会・地球といったすべてのステークホルダーにおける重要性と、資生堂のビジネスにおける重要性との2軸で課題を分類し、優先順位をつけ、18項目のマテリアリティ(重要課題)を定めました。
マテリアリティ策定プロセス
以下のプロセスを実施しマテリアリティを特定しました。
すべてのステークホルダーからの期待や要請など、さまざまな視点で社会課題を抽出
- 国内外で活躍する環境・社会領域の有識者
- お客さまの声を収集(世界5カ国で実施した企業調査)
- 外部調査結果・主要国際機関の報告書(GRI・SASB・SDGsなど)
- 投資家の声
- エグゼクティブオフィサーおよび社員からの声
リストアップした課題を事業と関連性の高いものに絞り込み、さらに分析
- エグゼクティブオフィサーや社内の幅広い部門とのディスカッションにより、事業と関連性の高い課題項目に絞り込む
- すべてのステークホルダー(社員、お客さま、取引先、株主、社会・地球)にとっての重要性と、資生堂のビジネスにとっての重要性の2軸でスコアリングし、重要項目を選定
- エグゼクティブオフィサーとその重要項目に関する課題と戦略アクションについて確認
特化した重要課題は経営会議にて承認
戦略アクションと対応するSDGs
資生堂では、マテリアリティに基づき環境・社会それぞれの領域で、それぞれ3つの戦略アクションを定めています。これらの取り組みに向け、各部門で経営資源を重点的に配分するとともに、全社横断で進めています。
・環境負荷を低減する処方開発
・サステナブルなパッケージ開発
・森林の保全
・責任ある調達
・廃棄物削減
・水資源の効率的な使用
・お客さまの生活の質(QOL)向上
・人財育成
・従業員の労働安全衛生と健康
・人権尊重
・公正な取引
・安心・安全な製品
・責任あるマーケティング・宣伝広告
・情報セキュリティ・プライバシー
・アート&ヘリテージ
・アート&ヘリテージについては、社会価値を創る企業文化の継承と日本の美意識を発信する観点から活動を進めています。
サステナビリティ推進体制
資生堂では、ブランド・地域事業を通じて全社横断でサステナビリティの推進に取り組んでいます。2022年はサステナビリティ関連業務における迅速な意思決定と全社的実行を確実にするため、専門的に審議する「Sustainability Committee」を定期的に開催しました。グループ全体のサステナビリティに関する戦略や方針、TCFD開示や人権対応アクションなど具体的な活動計画に関する意思決定、中長期目標の進捗状況についてモニタリングを行っています。出席者は代表取締役を含む経営戦略・R&D・サプライネットワーク・広報・ブランドホルダーなど各領域のエグゼクティブオフィサーで構成され、それぞれの専門領域の視点から活発に議論をしています。その他、特に業務執行における重要案件に関する決裁が必要な場合は「Global Strategy Committee」や取締役会に提案もしくは報告しています。また、毎年グローバルのステークホルダーに向けたサステナビリティレポートを発行し、当社の本業を通じたサステナビリティアクションの中長期目標とその進捗を開示しています。さらに当社は、サステナビリティ活動を推進するため、社外取締役以外の取締役およびエグゼクティブオフィサーに加え、国内外の重要ポジションのリーダーに対して、CO₂排出量削減や女性管理職比率などESGに関する社内外の複数の業績目標値も組み入れた長期インセンティブ型報酬を導入しており、その達成度に応じてインセンティブ報酬が増減する仕組みを取り入れています。
中長期目標と実績
アクション
実績
負荷軽減
排出量
<SBTi, Scope 1
・Scope 2>
<SBTi, Scope3>
製品の開発
容器
責任ある調達の推進
パーム油
(パーム油換算重量ベース)
(紙重量ベース)
アクション
実績
女性比率
40.0%
35.3%
37.6%
・グローバルでの女子教育支援と経済的自立支援
(ダイレクトリーチ)
エンパワーメント
・「自分らしい美しさ」を制限する
無意識の思い込みや偏見への取り組み
(ダイレクトリーチ)