資生堂は創業以来、人のしあわせを願い、美の可能性を広げ、新たな価値の発見と創造を行ってきました。私たちは、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD（美の力でよりよい世界を）」のもと、創業150周年を迎えた2022年を節目に、これから150年先も、美の力を通じて世界中の人々が美しく自分らしく輝き、希望に満ちた日々を創出していきたいと考えています。
資生堂は、2030年に向けた事業ビジョンとして「PERSONAL BEAUTY WELLNESS COMPANY」を掲げ、「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指しています。事業を通じた製品やサービスの提供によって、お客さまの生活に寄り添って新しい健康美の価値をお届けするとともに、多様性を尊重し誰もが自分らしい人生を実感できる社会と、人と自然が共生する持続性のある地球環境の実現に貢献していきます。
私たちが特に力を注いでいるのが、「社会」の領域におけるダイバーシティ＆インクルージョン（D&I）です。特に、日本におけるジェンダー平等を促進するため、私が会長を務める「30% Club Japan」などでの活動を通じ、日本社会の変革に貢献していきます。2023年には、多様性と企業成長への因果関係を実証すると同時に、多様性の力をいかすためのノウハウの抽出を目指す「資生堂D＆Iラボ」を発足しました。これらの研究で得られた知見は社会にも共有することで、日本社会全体でD&Iをより優先度の高い取り組みにしていきます。グローバルにおいても、社会的に厳しい状況にある女性への教育・自立支援や、美の力による社会課題の解決を推進しています。
「環境」の領域においては、気候変動や水資源、廃棄物削減などの地球環境の負荷軽減に注力し、バリューチェーン全体において事業を通じてインパクトを削減すべく積極的に取り組んでいきます。また環境課題解決には、同業他社含むさまざまなステークホルダーとの協力が重要と考え、循環モデル構築に向けての取り組みや、グローバルイニシアティブ参画など、社外とのコラボレーションもより一層加速させています。
サステナビリティを通じた社会価値創造の源泉は、社員すなわち人財にあると信じています。人財はきわめて重要な経営における資本であり、「多様なプロフェッショナル人財」の活躍こそが、価値創造をけん引するものと考えています。全世界の資生堂グループの多様な人財が、資生堂の未来についてさまざまな議論・提案する機会をもち、イノベーティブな事業や新しい製品、サービスの開発を推進することで、「社会」や「環境」の領域におけるビューティーカンパニーとしての社会価値創出を追求していきます。
2023年1月からは、藤原憲太郎が社長 COOに就任し、私が会長 CEOとなる新経営体制がスタートしました。
新体制のもと、世界で最も信頼されるビューティーカンパニーを目指し、これからも本業を通じて、美の力で人の心を豊かにし、美しく健やかな社会と地球が持続していくことに貢献していきます。
