資生堂の成長戦略
みなさん、こんにちは。社外取締役の石倉です。社外取締役として、当社の役員の選任や昇降格などについて客観的な立場から審議する、役員指名諮問委員会の委員長を務めています。
すでにご案内の通り、現社長の魚谷雅彦さんに2020年から2024年までの5年間、引き続きCEOとしての経営の舵取りをお願いすることとなりました。役員指名諮問委員会の委員長として、そのプロセスや背景について説明させていただきます。
当社を含む資生堂グループは、企業ミッションである「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」の実現を目指しています。そして、コーポレートガバナンスを「企業ミッションの達成を通じ、持続的な成長を実現するための基盤」と位置づけています。コーポレートガバナンスの実践・強化により経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上を図り、「お客さま」「取引先」「社員」「株主」「社会・地球」という全てのステークホルダーとの対話を通じて、中長期的な企業価値および株主価値の最大化に努めます。併せて、社会の公器としての責任を果たし、各ステークホルダーへの価値の分配の最適化を目指します。
このような考え方に基づき、今回の社長再任にあたっては、私、石倉と他2名の社外取締役のみで構成する役員指名諮問委員会において、会社から独立した立場から公正かつ徹底した審議を行いました。また、社外監査役との議論の場も設定し、多角的にその妥当性を確認しました。この審議結果に基づき、役員指名諮問委員会委員長である私が取締役会に社長の再任を提案し、承認可決され、魚谷社長本人もこれを受諾されました。
役員指名諮問委員会は、社長の選任は企業価値を大きく左右する最重要な意思決定事項であり、最適な人材を選ぶ必要があると考えています。
委員会は、2014年4月の社長就任以降、「VISION 2020」の数値目標を前倒しで達成し、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」の実現に向けて確実に改革を推進してきた魚谷さんの卓越したリーダーシップを、非常に高く評価しています。また、コーポレートガバナンスを尊重した経営姿勢についても極めて優れている、と判断しています。
当社の企業ミッションである「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」の実現に向け、さらなるグローバル化を加速するための成長戦略を策定・実行していく難易度を考えると、魚谷さんの任期を継続することが全てのステークホルダーにとって最良な選択であると確信しています。
また、魚谷さんは、今後の任期において後継者の育成等を実行し、当社の経営を引き継ぐことができる状態まで導いていくこととなります。このサクセッションプランを実行する上で必要な期間を確保するために、再任後の任期は2020年から2024年までの5年間とすることが妥当であると判断しました。
これからの資生堂にどうぞご期待ください。
社外取締役 役員指名諮問委員会 委員長石倉 洋子