2022年07月06日
発行元:(株)資生堂
研究・サプライネットワーク
サステナビリティ
3社協業によるプラスチック製化粧品容器の 新たな循環モデル構築に向けた取り組みを開始
株式会社資生堂(以下、資生堂)、積水化学工業株式会社(以下、積水化学)と住友化学株式会社(以下、住友化学)は、プラスチック製化粧品容器を回収し、分別することなく資源化、原料化を経て、容器として再生する一連の循環モデル構築に向けた取り組みを開始します。
化粧品容器は、中身の保護、使いやすさ、デザイン性が重視されるため、多種多様なプラスチックから作られていますが、それらの分別は難しく、プラスチック資源として循環利用する際の課題となっています。そこで、3社は互いの強みを生かして、プラスチック製化粧品容器の回収から再生までの新たな仕組みを構築することにしました。
資生堂は、店頭を通じたプラスチック製化粧品容器の回収スキームの構築と、化粧品容器への再生ポリオレフィン※1の活用に取り組みます。積水化学は、使用済みプラスチックなどの可燃性ごみを分別することなくガス化し、微生物の力でエタノールに変換する“BRエタノール技術※2”を用いて、プラスチックの原料であるエタノールへの資源化を行います。住友化学は、資源化したエタノールを原料にエチレン※3を製造する技術を用いて、従来の化石資源を原料とした製品と同等の品質を持つ再生ポリオレフィンを提供します。
3社が企業の垣根を超えて連携するとともに、関連する業界や企業にも参加を働きかけ、サーキュラーエコノミーの実現を目指します。
※1ポリオレフィン:ポリエチレンやポリプロピレンなどの総称でプラスチック(合成樹脂)の一種
※2 BRエタノール技術:ごみ処理施設に収集された可燃性ごみを一切分別することなくガス化し、このガスを微生物により、熱・圧力を用いることなくエタノールに変換する技術。BRはバイオリファイナリーの略。
※3エチレン:ポリエチレンなどの合成樹脂や有機化合物の原料
<参考>
循環モデル構築に向けた各社の取り組み
資生堂は、社名の由来でもある「万物資生」※4の考えに基づき、環境負荷を軽減し、使い捨てではなくサーキュラーエコノミーを実現できる技術やビジネスモデルの創造に取り組んでいます。お客さまやお取引先さまとの幅広い接点を活用し、店頭を通じて使用済みプラスチック製化粧品容器の回収スキームを構築します。また化粧品容器の設計や研究開発におけるノウハウを基に、再生されたポリオレフィンの化粧品容器への再利用を推進します。将来的には同業他社の参画も働きかけ、プラスチック製化粧品容器の循環型リサイクルの実現を目指します。
※4 中国の古典「易経」の一節、「至哉坤元 万物資生(大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか、すべてのものはここから生まれる)」の一部
積水化学は、可燃性ごみを分別することなくガス化し、微生物の力でエタノールに変換する“BRエタノール技術”を開発しました。そして商業化に向け、2022年4月岩手県久慈市に竣工した実証プラントで実証試験を開始しました。さらに同技術を含めたごみを資源に変換するバイオリファイナリー事業の新ブランド「UNISON(ユニゾン)TM」を立ち上げ、幅広いステークホルダーと共に「新しい資源循環社会システムの構築」を目指してまいります。
住友化学は、環境に配慮したエタノールを原料とするエチレンの試験製造設備を2022年4月に千葉工場(千葉県市原市)に新設しました。商業化に向けて、研究開発や工業化技術のノウハウを生かし、エタノールを原料に、従来と同等の品質を持つポリオレフィンの製造に取り組みます。さらに、リサイクル技術を活用して得られるプラスチック製品の独自ブランド「Meguri®」の普及などを通じて、さまざまなステークホルダーと共に循環型社会の実現に貢献してまいります。
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