2026年01月20日
発行元:(株)資生堂
研究・サプライネットワーク
資生堂、処方開発AI 「VOYAGER(ヴォイジャー)」を活用し第1号のユニークな化粧品開発に成功
~香りと色で楽しむミストタイプのサンケアを2026年夏に発売~
資生堂は、100年を超える研究の歴史で蓄積されたノウハウと、研究員の間で脈々と受け継がれデータ化が困難であった50万以上の知見・技術の処方データを統合した処方開発AIを進化させ活用することで、ミストタイプのサンケア製品の開発に成功しました。「VOYAGER (ヴォイジャー)※1」には、アクセンチュア株式会社と共同で開発した、独自のアルゴリズムを用いた処方開発AI機能が搭載されており、2024年から本稼働しています。本製品は製剤技術を学習したAIを活用し、香り・色調の感性価値とSPFの機能価値を備えた製品を開発した初めての事例です。なお、2026年夏に、資生堂研究所発の共創ブランド「fibona(フィボナ)※2」から発売を予定しています。
※1 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社がプラットフォーム開発を担当
※2 資生堂研究所のオープンイノベーションプログラム「fibona(フィボナ)」(2019年)
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/2739_y9s79_jp.pdf
今回、研究員が生活者ニーズを踏まえて実現したい価値を起点に、蓄積された研究知見を集約し、数万通りの処方を生成・評価する「処方レコメンドAI機能(図1)」を新たに搭載しました。2024年に公表した「処方検索機能・類似処方検索」では、過去の知見をもとに最適な組み合わせを研究員が手動で探索することが中心でしたが、進化により、AIが自ら複数のアプローチを含む処方を提案することが可能になります。これまでデータ化が難しかった乳化のメカニズム、原料間の相互作用、ベテラン研究員の熟練技といった化粧品製剤特有のノウハウを学習させ、さらに、資生堂独自の製剤化技術を体系化し、製品カテゴリーを越えた要素技術の融合を可能にしました。この仕組みにより、AIは数万通りの処方を生成し、研究員が比較評価できるように数十の候補まで絞り込みます。単なる効率化にとどまらず、新たな視点や発想を提供する「創造型AI」として、研究の高度化を実現します。さらに、経験の少ない若手研究員が、AIの提案をもとに製品化可能な処方を作ることができるようになりました。AIが研究員の創造性を引き出し、研究開発の新たなフェーズへと導いていきます。
また、処方レコメンドAI機能を用い、研究員は、「紫外線対策を義務感なく楽しみたい」という生活者インサイトをとらえ、紫外線防御機能に加え、まるで化粧水のようなみずみずしさ、心地よい使用感、そして香りと色により使用するたびにポジティブな感情を付与する価値創造に挑戦しました。今回、思わず使いたくなるような簡便で心地よい処方を目指した結果、二相タイプの美容オイルを出発に、より化粧水に近い処方をAIが提案しました。その提案に対し、資生堂が長年にわたり研究してきた五感が心や肌に与える影響についての知見を加え、テクスチャーに加えて香りと色でサンケアを楽しむという新しい体験を創出しました。この人とAIの共創は、機能に加え、心地よさなど感性を満たす楽しみを兼ね備えた、これまでにない新たなカテゴリーになり得ることを示唆する事例です。今後、AIが常識にとらわれず各研究領域の要素技術を新結合することで、人の発想力の裾野をさらに広げ、独創的なアイデアが次々と生まれることがさらに期待されます。
資生堂は、人とAIの共創を通じて多様化する生活者のニーズに応える美のソリューションを提供し、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の実現に向けて新価値創出を加速していきます。
※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。
