活動情報 2026.09.24

ホルモン療法を受けるがんサバイバーの外見変化に関する研究成果を学会発表しました

2024~2025年に、資生堂と乳腺専門クリニック「医療法人mammaria mammaria tsukiji 」との共同研究で得られた研究成果を下記4つの学会で発表しました。

2026年5月16日 第11回 日本がんサポーティブケア学会(富山県)

ポスターセッション:アピアランスケア2
演題名:『ホルモン療法を受ける乳がんサバイバーに対するアピアランスケアの心理効果の検証 ~色素沈着に対するカバーメイクアドバイス~』

乳癌術後のホルモン療法の副作用の色素沈着やホットフラッシュの発汗によるメイク崩れに対して、弊社美容技術者が対面で、落ちにくい専用のファンデーションを用いて、カバーメイクアドバイスをし、その方法を自宅で3週間実施した結果、自己効力感が明らかに向上しました。ホルモン療法中の方に対するカバーメイクアドバイスは、治療を続ける自信や働き続ける自信につながることが期待されます。

2025年10月10日 第30回日本サイコオンコロジー学会(沖縄県)

ポスターセッション:心理社会的ケア
演題名:『ホルモン療法の副作用ホットフラッシュとがん患者の精神的苦痛との関連』

乳癌術後のホルモン療法の副作用ホットフラッシュによる発汗が心理状態に及ぼす影響を検討した結果、ネガティブ感情を高め、自己効力感を下げることが明らかになりました。汗による化粧の困りごとに関するフリーアンサーでは「汗」「ファンデーション」「落ちる」等の言葉が頻出しており(下図)、さらに、発汗によるメイク崩れは、心理状態を悪化させていました。副作用の副作用といもいうべき発汗によるメイク崩れは、治療をしながら働く方にとって大きな悩みであるため、医療と美容が連携したケアやサポートの重要性が示唆されました。









KHcoderを用いたテキストマイニング
ホルモン療法を受けている方のうち汗をかきやすいと回答した方 n=190

2025年7月10日 第33回日本乳癌学会(東京都)

eポスターセッション:サポーティブケア
演題名:『乳癌術後ホルモン療法中の皮膚変化がQOLに及ぼす影響』

乳癌術後のホルモン療法に伴う皮膚状態の変化とQOLとの関連について検討しました。
その結果、ホルモン療法中の患者では、肌の乾燥や色素沈着の増加などの皮膚変化を自覚しており、これらの変化に対する自覚が強いほど、ネガティブな感情が強く、自己効力感が低い傾向が認められました。また、多くの患者がスキンケアなどによる対処を行っているものの、肌に対する満足度は低いことが明らかとなりました。これらの結果から、乳癌術後のホルモン療法においては、治療継続を支えるためにも、皮膚症状に対する適切なケアやサポートの重要性が示唆されました。

2025年5月17日 第10回日本がんサポーティブケア学会(和歌山県)

ポスターセッション:アピアランスケア1
演題名:『ホルモン療法を受けるがん患者の外見変化に対する意識の程度が心理面に及ぼす影響に関する検討』

乳癌術後のホルモン療法に伴う外見に関する副作用(脱毛、体重変化、皮膚状態の変化)とQOLとの関連について検討しました。これら3つの外見変化を気にする者の割合(「非常に気にする」「気にする」「少し気にする」の合算)は、それぞれ、59.6%、66.5%、69.8%でした。皮膚状態の変化が気になっている方は、気になっていない方と比較して、明らかにネガティブ感情(怒り・敵意、疲労・無気力、不安・緊張)が高いということが確認されました。外見の問題は、変化の起きた外見に対して気にしない者もいる一方で、気にする者にとっては、程度の大きさに関わらず大きな悩みであるため、適切なケアやサポートの必要性が示唆されました。

これからも研究を通じて、医療機関と連携しながら、化粧品会社ならではのエビデンスベースの外見ケア(アピアランスケア)活動を続けていきます。

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