がん外見ケア研究最新知見を学会発表、優秀演題賞を受賞しました。
6月23日(金)、資生堂 化粧療法リサーチャーの池山和幸が、「第8回日本がんサポーティブケア学会学術集会※1」(6/22~23(於)奈良県コンベンションセンター)にて、2022年から共同研究を行っている聖路加国際病院との研究成果を発表しました。
「乳がん患者に対するオンライン外見ケアアドバイスのQOLへの影響に関する検討」と題した発表は、オンライン形式での外見ケアの効果を明らかにしたことが評価され、「優秀演題賞」を受賞しました。
外見変化に関するオンラインでの相談は、「相談のしにくさ」のハードルを下げることにつながり、外見ケアアドバイスは、ネガティブな感情を軽減し、前向きな気持ちにする心理的な効果やQOLの向上が期待できることを実証しました。そして、オンラインによる外見ケアアドバイスは、治療の副作用による外見変化に対する心理社会的支援として有効であることと、医療機関と民間が連携することでケアの選択肢が増えることの重要性を訴えました。
研究概要
対象者
-
通院中の乳がん患者41名
方法
-
患者の自宅と資生堂オフィスをオンラインでつなぎ、美容技術者による約60分間の外見ケアアドバイスを実施
主なアドバイス内容
-
「がん外見ケアBOOK」をもとに、主にパーフェクトカバー ファンデーションを用いた副作用による色素沈着対応やアイブロウ・アイライナーを使った眉毛・まつ毛の脱毛対応
※1 日本がんサポーティブケア学会は、現在1,000人以上の医師や看護師などの医療従事者や、研究者を中心に会員として構成され、がんに関連した症状・兆候、がん治療に伴う有害事象に対し、エビデンスに基づいた予防・支持療法※2を駆使することにより、QOL※3を改善・維持し、がん患者の延命・治癒に寄与することを目的としています。今回、全国からがん治療に関わる学会員が参加し、約600名の参加者が集まりました。
※2 支持療法(Supportive Care)とは、がんそのものに伴う症状や、治療による副作用・合併症・後遺症による症状を軽くするための予防、治療、およびケアのこと。抗がん剤の副作用による外見変化に対するケア(アピアランスケア)も支持療法のひとつ。
※3 QOL クオリティー・オブ・ライフ=生活の質